基本情報
都市浮浪児たちは縄張りを維持したり身を守るために、数人程度が集まって生活していることが多いようです。場合によっては、もっと大人数でチームを組んでいることもあります。
○タイプ
都市浮浪児たちの集団には幾つかのタイプがあります。
▼生活維持
生活のために相互に助け合うもので、稼ぎを分け合ったり縄張りを維持するために協力します。▼仕事仲間
複数人で組んで仕事を行なうために結成されるチームです。スリや盗みなどの犯罪を行なったりする場合もあります。▼情報共有
生活維持のために互いに情報を共有する仲間ですが、普段は一緒に生活するわけではないようです。▼ストリートギャング
貧民区の都市浮浪児たちが犯罪に手を染める確率は高く、将来ギャングとなって働く者たちもいることから、最近では都市の大きな問題となっています。その予備軍となっているのが、ストリートギャングとも呼ばれる浮浪児の集団で、年若いうちからギャングたちの手下として働き、情報屋の真似事や麻薬の密売などを行なっています。▼犯罪親方
子供たちを預かって働かせ、その収益で生活する犯罪親方という存在がいます。その下で働く子供たちは、身を守るためや仕事場を維持するために、同じ小屋に住む子供たちと助け合って生活しています。
○縄張り
犯罪組織と同様に、子供たちのグループにも縄張りが存在し、壁に落書きをしたりマークを刻むなどして、自分たちの存在や影響力を誇示します。
ギャングの抗争ほどではありませんが、グループ同士で縄張り争いが起こることもあります。特に問題となるのがストリートギャングで、勢力拡大のために他の都市浮浪児のグループを襲って、力尽くで傘下に納めようとする事件が頻発しています。
▼協力
少し離れた場所に住むグループ同士は、相互に情報のやり取りを行なったり、ギャング相手の対策手段を教えあったりしているようです。
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グループ
都市浮浪児のグループの一部を以下に挙げておきます。
▼北部
ドレッド・ウルフ、バッド・ベイビーズ、縞コウモリ、濡れアナグマ、シャドウ・ハウンド、ベルモット団、スティレット・アサシンズ▼東部
ビジー・フィンズ、ドレイン・キャッツ、ダーティ・マーメイド、市場ネズミ▼南部
黒い指先、路地裏ナーグ(小鬼団)、ワイルド・デビル、ビター・ハーフ、スモーキー・バイン、ネットハンド・ユニオン
▼ドレッド・ウルフ
粗暴な子供たちが集まっているチームで、恐喝や盗みといった手段で生計を立てています。他の都市浮浪児たちの稼ぎを巻き上げたりすることもあるため、その他のチームにとっては甚だ迷惑な存在です。現在はストリートギャングたちに対抗するため、周囲に住む子供たちを暴力で屈服させ、勢力を拡大しようとしています。・地域:どぶ板通り
▼バッド・ベイビーズ
生活維持のために協力しているチームで、運河沿いに長い間放置されている長屋に住み着いています。探偵の手伝いなどをしているはしっこい連中で、地下ネットワークの一員でもあります。彼らは特に縄張りの拡大などを行なっておらず、他のチームと手を組んで町の秩序を守ろうとしています。
▼縞コウモリ
スリや盗みを生業としている盗人集団で、強い者に媚びへつらうことで生き延びています。利があれば他のチームと協力することもありますが、基本的には周囲を出し抜くことをいつも考えています。・地域:どぶ板通り
▼濡れアナグマ
地下ネットワークの一員であり、情報の仲介連絡役を担っています。とても夜目が利くようで、ほんの小さな火種だけで闇を見通すことが出来ます。
▼シャドウ・ハウンド
主にネズミ捕りを専門の仕事としている集団で、都市のかなり広い範囲で働いているようです。聖母教会からお金を貰って仕事をしているため、他のグループたちのやっかみの対象となっています。・地域:どぶ板通り
▼ベルモット団
ベルモット兄弟を頭とするストリート・ギャングの一団です。30名近いメンバーを抱えており、暴力によって周辺の都市浮浪児たちを支配下に置こうとしています。恐喝、追い剥ぎ、麻薬の密売なども行なっている犯罪集団で、ギャングの「コンウォーリス一家」に多くの上納金を収めています。
▼スティレット・アサシンズ
暗黒街を支配するギャング団、「コンウォーリス一家」の手下として働いている一団で、メンバーの多くは15〜20歳くらいになります。スティレットとは刃の部分が錐状になっている、突き刺す事を目的とした短剣です。彼らは暗殺者というわけではありませんが、この物騒な武器をいつも携帯しています。これは主に相手を脅迫するためのもので、ギャングに随行して借金の取り立てに手を貸したり、一家に逆らおうとする者を痛めつけて脅すなど、暗黒街の治安維持のために働いています。
▼ビジー・フィンズ
水夫などの手伝いをして日銭を稼いでいる子供たちの集団で、マーム・ポートの傍にある廃虚に住みついています。潜水が得意な者やとても身軽な子が多く、いろいろな作業場で役立っています。・地域:埠頭街/南岸
▼ドレイン・キャッツ
下水道の入り口に住み着いている盗人集団で、地下の通路を利用して巧みに逃げ回ります。地下街の案内人でもあり、逃がし屋の仕事を請け負うこともあるようです。・地域:埠頭街/南岸
▼ダーティ・マーメイド
正確には都市浮浪児とは言えない存在ですが、もともとは路上生活をしていた娘たちの集団です。彼女たちは廃虚の1室で身を売って稼いでいる少女売春婦で、つい最近この付近に居着くようになった者たちです。ギャングの「グレイソン一家」の庇護下にあり、周辺の娼婦たちからは縄張り荒らしとして厄介がられています。
▼市場ネズミ
倉庫街の廃虚に住み着いている浮浪児集団で、市場街で小さな仕事をしてわずかな金を得ています。市場街にスリや盗人が現れた時に、それを店の者たちに知らせるので、他の都市浮浪児たちからは裏切り者扱いされています。・地域:倉庫街
▼黒い指先
裏組合「貧者の黒い手」の下で働いている集団で、小額の盗みや情報の仲介を行なって稼いでいます。地域を巡回して、何か問題が起こった時に組合員に知らせる役割も担っているようです。
▼路地裏ナーグ(小鬼団)
裏組合とは別に犯罪組織を結成している浮浪児集団で、新興住宅地や移民街、あるいは工場地帯の方に出向いて、窃盗、恐喝、追い剥ぎなどを行なっています。裏組合「貧者の黒い手」はその強引で無謀な犯罪を、どうにかしてやめさせようとしていますが、どうも小さな集団がバラバラに動いているようで、その活動実態を把握しきれておりません。背後に別の組織がいるという噂もありますが、現在のところはそれも定かではないようです。
▼ワイルド・デビル
ギャングの「ダービィ一家」に協力している悪童集団で、恐喝や追い剥ぎといった手段で稼ぎを得ています。暴力的手段による勢力の拡大を行なっており、裏組合の「貧者の黒い手」とも敵対しています。
▼ビター・ハーフ
周囲からはみ出した浮浪児たちがつくったチームで、親を失った移民の子供や黒人のメンバーなどが多くいます。周囲からは差別的な扱いを受けているようですが、裏組合の助けもあってどうにか生活しています。・地域:南部貧民街
▼スモーキー・バイン
工業地帯で働く子供たちの集団の1つで、主に高所作業を行なう者たちがメンバーの中心です。肺病を患っている子供が多く、ねぐらには定期的に聖母教会の施療師が訪れます。・地域:ウェッジ工業地帯
▼ネットハンド・ユニオン(網手組)
川さらいや石炭拾いなどをして暮らしている子供たちの集団です。彼らは頻繁に珍しい物を拾い上げるようで、何かと事件に巻き込まれています。・地域:ウェッジ工業地帯
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サンプル
○バッド・ベイビーズ
生活維持のために協力しているチームで、運河沿いに長い間放置されている長屋に住み着いています。探偵の手伝いなどをしているはしっこい連中で、地下ネットワークの一員でもあります。彼らは特に縄張りの拡大などを行なっておらず、他のチームと手を組んで町の秩序を守ろうとしています。
・地域:どぶ板通り
▼ナビーユ(白人/男/15歳)
短く刈り込んだ金髪の少年で、個性的なメンバーを上手くまとめているリーダーです。とても押しが強い性格で、時々にっこり笑って人に無理な頼みごとをすることがあります。しかし、そういった場合、本人はそれ以上の重荷を抱えているため、仲間たちは誰も文句が言えないようです。一言:「まあまあ、とりあえず落ち着こうよ」
▼メイナ(白人/女/15歳)
メンバーの稼ぎ頭で、普段は旅行者や酔っぱらいを相手にスリを働いています。いつもこきたない格好をしていて、とても口が悪く、さらに痩せすぎで胸がほとんど目立たないことから、初対面の相手はまず間違いなく少年だと思ってしまいます。一言:「胸がなくて悪かったな!」
▼イヴリオン(赤人/男/14歳)
美しい容姿を持った赤人の少年で、達者な話術を武器に情報を集めています。歯の浮くような台詞も平気で使いこなすため、特に歓楽街の女性たちには大人気で、街を歩いていると必ず声を掛けられます。一言:「まあ、これも一種の才能かな?」
▼ブレア(白人/男/14歳)
メンバーの中でもひときわ体格の良い少年で、普段は荷物運びなどで日銭を稼いでいます。気は優しくて力持ちの典型で、年下の子供たちの面倒をよく見ています。少しデリカシーに欠けるところがあり、ときどき余計なことを言って、メンバーの女の子たち(特にメイナ)を怒らせることがあります。一言:「俺が悪かったよ。だから、機嫌直してくれよ、なっ?」
▼パレット(白人/男/13歳)
あまり口を開かないおとなしい少年で、教会の手伝いをして食事を貰ってくるなど、地道に働いていることが多いようです。普段は誰よりも穏やかなのですが、一度キレると何をするかわからない、やや危険な面も持ち合わせており、まれに信じられないような事件を引き起こすこともあります。一言:「だって、カッとなると本当にわけがわからなくなるんだ……」
▼ベルナモ(白人/女/12歳)
賑やかで口やかましい女の子で、きれいな亜麻色の髪を三つ編みにしています。とても身が軽く、色々なところに忍び込んで盗みを働いたり、情報を集めたりしています。一言:「うるさいってなによぉ、あたしは別に不用なことを喋ってるわけじゃなくて、必要だからこそ話してるんだからね……って、ちょっと、聞いてるの?」
▼マハ(黄人と白人の混血/女/11歳)
もとは旅芸人の一座にいたのですが、厳しい仕打ちに耐えかねて逃げ出してきました。その経歴から芝居がとてもうまく、普段は大人たちの同情をひいて、小銭をせしめたりしています。将来は女優になることを夢見ていますが、鼻が低いことを気にしているようです。一言:「洗濯バサミでつまんだら……無駄か……」
▼セイン(黒人/男/10歳)
はしっこい黒人の少年で、幼いながらも機転のきく子供です。普段は下水道を走り回り、地下ネットワークの連絡役をつとめています。嘘をつくのがとても上手く、彼に騙された警察官の数は両手の指では数え切れません。一言:「騙される方が悪いのさ」
▼アスティー(白人/男/8歳)
メンバーの中では最年少で、まだ甘ったれの子供です。リーダーであるナビーユの弟で、兄の服の裾につかまりながら後ろをついて回っています。大事なところでよく口をすべらせ、メンバーを苦境に立たせることがあります。一言:「兄ちゃん、僕は何をすればいいの?」
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