組織・集団/犯罪


 


○種類

▼秘密結社
 異形の刃黒曜会無貌の殉教者断罪騎士団

▼窃盗団
 ウィンド・トロット強盗団「バール組」


○秘密結社

▼異形の刃
 異端や異形の存在として社会から排斥され、虐げられてきた人々の集団です。彼らは社会への復讐を誓っており、残虐な手段でそれを実行しようとします。また、組織に敵対する者を見せしめとして殺害することもあり、これまでにも警察官の惨殺死体が目立つ場所に置かれていたり、嬲り殺しにされた冒険者の亡骸が、川岸で磔にされていたこともありました。
 彼らの全てがそうであるとは限りませんが、中核メンバーの多くは変異現象によって肉体や精神に何らかの変化を受けており、異能の力をもって犯罪を実行することがあります。また、その人間とは思えない醜悪な姿をわざとさらすことで、社会に不安と恐怖を与えようとするのです。


▼秘密結社「黒曜会」

◇限定情報
 このグループは暇と金を持て余し、なおかつ刺激を求めている人々の集まりで、計画した犯罪を完璧に実行して楽しむことを目的としています。黒曜石のペンダントが会員の証で、香水通りにある「黒曜館」と呼ばれるクラブハウスを、集会場として使っています。
 この会のメンバーが自分で犯罪を実行することはなく、「ブラック・シープ」と呼ぶ下部組織に指示を送り、実際の犯行を行わせています。ブラック・シープのメンバーを集めるために、彼らは予め綿密な調査を行い、役に立つ人物かを調べ上げます。そして、大きな恩を売ったり、逆に弱みを握って逆らえなくして、メンバーへと引き入れるのです。時には、相手の窮地や弱みを黒曜会が作り上げることもあるようで、そのことを知らずに恩返しのために働くメンバーも存在します。
 黒曜会から指示を受け、ブラック・シープを率いる役目を負うのは、「親羊」と呼ばれるメンバーです。逃げ場を失った元裏社会の人間や、軍人、探偵、刑事といった特殊な知識・技術を持つ者が、主にこの地位に就いています。親羊は特に大きな弱みを握られており、既に黒曜会に逆らうことが出来ない状態になっています。彼らはたとえ逮捕されることになっても、黒曜会の名を口に出すことはなく、自らが計画した犯行だと自供するでしょう。
 親羊は黒曜会の存在を知ると同時に、非常に有用な人材であることから、どうしても必要な時以外は、あまり現場に出ることはありません。実働役となるのは「子羊」と呼ばれるメンバーで、こちらは様々な職業や階層の者が存在します。また、浮浪者や都市浮浪児などの困窮者を、その時限りで雇い入れて働かせることもあるようです。なお、子羊たちは黒曜会の存在を知りませんし、親羊たちがその存在を明かすことも禁じられています。
 黒曜会にとってブラックシープという存在は、知的な思索ゲームのために存在する玩具であり、便利でいつでも切り捨てられる手駒です。しかし、彼らは芸術的な完全犯罪の完成に拘ったり、現場に大きな謎を残して捜査を攪乱し、いつまでも真相にたどり着けない警察を見て楽しむなど、常人には理解しがたい歓びを得るために活動しています。ですから、撹乱のためにわざと騒ぎを起こすといった場合は別ですが、無理な犯行を強要することは基本的にありませんし、下からの要望には出来る限り応えるようにしています。また、仮に逮捕されたとしても、自身や知人の力で警察や裁判所に圧力をかけたり、行政や司法関係の職に就いている手駒を使うなどして、なるべく便宜を図ります。
 なお、黒曜会のメンバーは、この会を通じて利潤を上げることを目的としているわけではありません。ですから、何らかの利益を得た場合でも、それを自らの懐に入れることはなく、手下の羊たちに働きに見合う十分な分け前を与え、余った分を次の犯行のために蓄えておきます。また、金銭的な利益を得ることが出来ない犯罪であったとしても、実行犯たちには必ず何らかの褒美が渡されます。これによって、ブラック・シープのメンバーは新たな弱みを抱えることになり、組織から逃れられなくなるのです。
 
◇犯罪コンペティション
 まれに黒曜会では、会員同士で犯罪のコンペティションが開かれます。課題や勝利条件はその時々によって異なり、先に何かを盗み出した方が勝者となったり、チェック項目を設けて採点を行ったり、審判役がより美しい犯行と認めた者が優勝となるなど、様々な競技が行なわれるようです。


▼無貌の殉教者

◇限定情報
 ペルソニア大陸の遺跡から掘り出されたという無貌の仮面をつけた、異教の神を信仰する邪教集団です。仮面紳士事件にインスピレーションを受けて結成されたものであり、攫ってきた娘を生贄に捧げたり、魔道の儀式と称して街の建物や道路に奇妙な印を刻んだりしています。


▼断罪騎士団

◇限定情報
 私的な正義執行機関で、何でも屋や探偵に扮して犯罪者を調べ上げ、独自に刑を執行します。メンバーの多くは、犯罪被害者やその家族、恋人といった者たちです。また、現在の腐敗した組織に嫌気がさし、このグループの活動に身を投じた警察関係者なども存在します。

・関連ジェラルド=バレルアルバート=フリード


○窃盗団

▼ウィンド・トロット
 どこの裏組合にも属していない窃盗団で、警察のみならず裏社会でもその実体は掴めておりません。その活動は不定期ですが、共通するのは発掘品を盗み出すことで、空白期や先史文明の遺跡から掘り出される、機械部品を狙っているようです。

限定情報:この窃盗グループは、とある資産家が結成した私的な隠密集団で、普段は情報収集が主要な任務です。この資産家は、ある目的から密かに錬金術師を雇い入れており、その指示によって必要な発掘品などを盗み出させているのです。


▼強盗団「バール組」

◇限定情報
 「ジョナサン=バール」と「デニス=バール」の兄弟、そして従兄弟の「ティモシー=グレイフォード」の3人組です。彼らはエストルークからの移民で、以前は西部の郊外にある一時受入地で生活していました。その後、そこでの厳しい暮らしに限界を感じて、都市の内部へと移ってきたものの、働き口がなく犯罪で生計を立てている状況です。
 強盗とはいうものの、その手口は決して荒っぽいものではなく、なるべく人々を傷つけないように注意しているようです。霧が出る日ばかりを狙って犯行に及んでいるので、未だ人相は明らかになっておりませんが、その訛りから国外の人間であろうと、警察の方でも検討をつけています。
 彼らはこの都市に来たばかりであると同時に、もともとは犯罪とは無縁の生活を送っていたため、裏社会の流儀というものを全く知りません。そのため、裏組合「闇梟」の縄張りであることも知らず、この周辺地域で犯行を繰り返しています。現在、「闇梟」は内部で問題を抱えているため、運良く彼らのことは大した問題にはなっていませんが、いずれ再び組織がまとまった後に、見せしめとしてひどい目に合わされるかもしれません。

・地域奇譚街


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