▼人物
紅玉紳士、ツリーマン、イージィ・ガンナー、クリーピング・テラー、フレッド=デュロン
○紅玉紳士
つい最近、ロンデニア国内にあらわれた怪盗で、それ以前はライヒスデールやフレイディオンといった大陸の国々で活動をしていました。その名の通り、ルビーばかりを狙う盗人で、礼服を着て犯行を行っているようです。その正体はおろか、手がかりさえ殆ど知られておらず、神出鬼没なその犯行には警察当局も手を焼いています。決して人を傷つけないことと、紳士的な語り口調、そしてルビーばかりを狙うというミステリアスな点から、民衆にはとても人気があるようで、フレイディオンでは彼をモデルにした小説を掲載している新聞があります。
○ツリーマン
絞首ばかりで人を殺して歩く暗闇の殺人者で、無造作に縫い合わされた麻袋を頭に被っていると言われています。噂では、郊外にある首吊りの木で死んだ人間の霊だと言われており、犯行現場には木の葉が数枚落ちていることから、このように呼ばれるようになりました。
・関連:首吊りの木
○イージィ・ガンナー
不定期、無差別に犯行を行なうとらえどころの無い殺人者で、近距離から無造作に銃を乱射して、相手を殺害します。非常に大ざっぱな手口ですが、残された遺体には顕著な特徴があるため、一目で同一人物の犯行とわかります。それは、被害者の額には必ずナイフで×印がつけられ、その真ん中に銃弾が1発撃ち込まれているということで、殺害後は所持品に手をつけることなく、素早く立ち去っているようです。この10年あまりの間に、これと同じ手口の事件が市内で14件起きています。しかし、すべて人気のない夜間の裏道で犯行が行なわれているため、その姿がはっきりと目撃されたことはなく、正体については全く謎のままです。
▼限定情報
素顔の彼は非常に温厚な人物で、社会的な地位もあり幸せな家庭を築いています。無類の狩猟マニアで、休日はいつも郊外にハンティングに出かけていますが、長年この趣味を続けているにもかかわらず、その腕はからっきしです。そのため、彼が影で凶行に及んでいるとは、周囲の誰もが想像だにしないことでしょう。
○クリーピング・テラー
夜闇に紛れて背後に忍び寄り、両手に握りしめたナイフを使って獲物を切り裂く、非常に凶悪な殺人者です。標的とするのは女性ばかりで、何かを探すように遺体の腹を切り裂き、隅々まで臓腑を切り刻むという、非常に残虐な犯行で知られています。
○フレッド=デュロン
家族を惨殺した上、その血で家の壁に絵を描き、死体でオブジェを作り上げた狂気の芸術家です。彼は幼い頃から幻聴や幻覚を見ることが多く、突然誰かを殴りつけるといった異常行動がみられました。その理由を聞いてみると、天から神の声が聞こえてきて、人の皮を被った悪魔を倒すよう命じられたのだと言い、やがて手に負えなくなった両親によって精神病院に入れられ、長く療養生活を送ることになります。
そこで何もすることがなくなった彼は、やがて自らを傷つけて流した血で、壁に絵を描くようになります。殆どの病院関係者は、その異様な光景を見て言葉を失いましたが、そうではなかった人物が1人だけいました。それは画家としても活躍していた医師ケリアンで、フレッドの眠る才能を認めた彼は、筆を持たせて本格的に絵の手ほどきを行うようになります。フレッドの描く絵の殆どは、神や悪魔といった内容のものでしたが、絵画に没頭するようになってからは精神的に安定し、自身や他人を傷つけることが全くなくなりました。
その後、18歳の時に退院して家に戻って来た彼は、まもなく画壇にその才能を認められ、実家のあるカルロッティ市からアイリストールに移り住んで、画家としての活動を開始します。しかし、イエローペーパーによってその経歴が明らかにされると、彼をもてはやしていた人々は急に周囲から離れてゆき、活動の場を失ったフレッドは実家に戻って、人目を避ける生活を送ることになるのです。
それからまもなくして、再びフレッドの耳に神の声が聞こえるようになります。そして、彼は天啓に従って家族を殺し、遺体を芸術作品に変えてしまうのです。その後、忽然と姿を消した彼ですが、似たような惨殺事件がロンデニア国内で何件か起こり、つい2か月ほど前には市内の黄昏街に住む娼婦のアパートで、彼の仕業によるものと思われる、壁に手足を打ち付けられた死体が見つかっています。その遺体の背中には、カラスから切り取られた黒い翼が縫い付けられており、潰されてしまった瞳は上から茨で縛り上げられていたそうです。彼は現在もアイリストールに潜伏しているものと考えられており、警察はその行方を追っています。
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