西部地区
職人地区

基本情報施設・名所人物・集団


 

基本情報


○解説

 都市の西側に広がる職人街とその周辺地域のことをいいます。工房はレスターファ川沿いにあり、船を使って材料や商品の受け渡しを行なっています。


▼工房街
 古くから存在する職人街で、鍛冶、鋳物、革細工、金属細工、木工、ガラスなどの工房が、この一帯に集まっています。通りには職住一体の小さな家屋が立ち並んでおり、通りの方にも木材などの材料や加工した製品が並べてあるので、全体に雑然とした印象を受けます。なお、中心街で買うよりも安く物を手に入れることが出来るので、こちらで買い物をする人も多いようです。


▼金槌通り
 工房街の隣にある住宅地で、古い石造りの家が軒を連ねています。表通りも裏通りもさして景観に変化のない、いわゆる下町という雰囲気の街ですが、昼間は付近の工房から響き渡る音がとにかくうるさく、時には隣にいる人の声が聞こえないくらいです。しかし、夜になると一転して音が止み、辺りには街灯も少ないため、暗く静かな地域という印象を受けます。

◇追加情報
 昔からこの辺りには「トンテンカンコン聞こえてくるよ〜、朝から晩まで聞こえてくるよ〜♪」という歌が伝わっています。これは工房街の人々への苦情らしく、子供たちがよく歌っているようです。


▼分類
・種別

 工業地
 住宅地(中層〜中下層)
 商業地
・交通
 普通
・治安
 普通
・警察
 環外西警察署
   


○地域

▼影絵通り
 職人地区の北を横切る通りで、中ほどに影絵広場があります。この近辺は中層市民の住む住宅地で、大通りから離れると照明も少ないため、夜になると早々に暗くなってしまいます。


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施設・名所


○種類

▼公共
 影絵広場

▼一般
 ゴーンズ武具店&鍛冶屋ベネット温浴場芝居小屋「ダイアモンド・ハート」パブ「ハンマーヘッド」


○ゴーンズ武具店&鍛冶屋

 ゴーンズ兄弟が経営する武具店と鍛冶屋で、隣り合う2つの店鋪は中で繋がっています。武具店では、現在は手に入りにくい古い装備品も取り扱っており、獣狩りなどが多く訪れます。その殆どは中古品となりますが、隣の鍛冶屋でサイズを調整して貰うことが出来ます。


○ベネット温浴場

 川沿いにある男性用の大衆浴場で、職人たちが仕事帰りに汗や汚れを流してゆきます。専属のマッサージ師もおり、疲れた体の凝りをほぐして、全身をリフレッシュさせてくれます。ここは地域の社交場としても機能しており、休憩所では大勢の職人たちが集まって、家や仕事のことなど様々な話をしています。


○芝居小屋「ダイアモンド・ハート」

 大衆劇を行なう芝居小屋で、酒好きの男たちが訪れる界隈の娯楽施設に比べると、やや上品な雰囲気の店となります。若者たちが気になる女性を誘って訪れる、ごくありふれたデートスポットの1つなのですが、周辺に住む者はここぞという時には必ずこの店を選びます。というのは、この店の一番奥には天使像が飾ってあるテーブルがあるのですが、ここで告白すると必ずうまくゆくという話が伝わっているためで、事前にこの席を予約する者は大勢います。天使像の胸にはガラス玉が埋め込んであるのですが、この恩恵に預かった人々にとって、それはダイアモンドの輝きに見えるのでしょう。いつしかこの店はダイアモンド・ハートと呼ばれるようになり、街の人々に愛される憩いの場となっているのです。


○パブ「ハンマーヘッド」

 店先に看板代わりの大きなハンマーが吊るしてあるパブで、工房街と金槌通りの境界にあります。ここの名物はラットにおもちゃの馬車を引かせて行なう、「ラット・ホイール」というネズミレースです。各レーンには木槌が吊るされており、コースの台座をコンコンと叩いてネズミたちを走らせます。レースは賭けの対象となっており、大勢が勝敗に一喜一憂しながら酒を酌み交わしています。


○影絵広場

 かつて放浪の影絵師「ティーベルト」が事件を起こしたことから、このような名で呼ばれるようになりました。街路樹に囲まれた静かな公園で、近隣の人々の憩いの場となっています。


▼影絵事件
 この事件の犯人とされているのは大道芸人ティーベルトで、彼がアイリストールに現われたのは、今から50年も前のことになります。彼は卓越した技術を持つ熟練の切り絵師で、各地を放浪しながら影絵芝居を見せて生計を立てておりました。
 ティーベルトは子供たちを楽しませることを生き甲斐とする、ごくごく普通の人間でした。しかし、ある時から彼のつくり出す影絵に命が吹き込まれ、周辺の家々で物を隠したり人を転ばせたりするなど、色々な悪さをするようになったのです。異変がはじまった当初は、誰もその原因に気付いてはいなかったのですが、やがてそれが様々な形をした影の仕業であることが判明します。そして、その元凶はティーベルトであると考え、彼を街から追い出してしまったのです。
 それ以来、不思議な現象はぱったりとおさまり、大人たちは自分たちの考えが正しかったことを確信しました。しばらくの間、人々はティーベルトのことを悪し様に言い、中には悪魔の手先とまで罵る者もいたそうです。しかし、子供たちの中には、最後まで彼の味方をした者が大勢おり、ティーベルトこそが事件を解決した英雄だと信じていたようです。
 
◇限定情報
 この事件の真の犯人は、生まれつきの病に苦しんでいた少年「エミリオ」でした。毎日窓から広場を眺めていた彼は、やがてティーベルトの影絵の世界に憧れを抱くようになり、自分でも切り絵をはじめるようになります。そんなエミリオを不憫に思い、友だちになって一緒に遊んであげようと思ったのは、妖精界から人間の様子を覗いていた妖精の「アーニー」でした。
 アーニーは影を通じて現世界に出現する影妖精の娘で、エミリオの影絵に宿ることで妖精界から姿をあらわしました。彼女は孤独な時間を過ごしていたエミリオの友だちとなり、切り絵の影を魔法で動かして彼を喜ばせます。しかし、外の世界で思いきり遊びたいという少年の積年の想いが、変異現象によって魔力を帯びた影に宿ってしまい、やがて悪戯の限りを尽くすようになったのです。
 アーニーは自分の力だけで何とか事態を収拾しようとしたのですが、散らばってしまった影の数が多過ぎて、どうすることも出来ませんでした。そこで彼女はティーベルトの力を借ることを思い付き、影絵師の生み出した数々の影をつかって、どうにか事件を解決することに成功するのです。この時、方々に隠れていた影を見つける手助けをしてくれたのが、近くに住んでいた大勢の子供たちでした。そして、事件の真相を知った彼らとエミリオは親しい友人となり、エミリオはその後の人生を幸せに過ごしたのだといいます。
 あれから50年以上が過ぎた現在、この事件はアイリストールの民話の1つとなっており、ティーベルトは事件の犯人と誤解されたままになっています。しかし、街を救った「魔法の影絵師」の真実の物語は、かつての影絵通りの子供たちによって、その子供や孫たちに語り継がれているのです。
 
◇追加情報
 事実かどうかはわかりませんが、時々この広場では少年と少女の形をした2つの影が、元気に駆け回る姿が目撃されているようです。老人たちはエミリオとアーニーだと信じていますが、事件の真実を知らない者や街の新しい住人たちの中には、何か悪いことが起こるのではないかと心配している者もいます。


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人物・集団


○集団

▼技師一家 スクラップ・ファミリー
 密かに発掘機械を集めているシュトレイカー家のことですが、組み立てている機械が必ず爆発してしまうことから、この名で呼ばれるようになりました。毎回、大規模な爆発が起こって、家が倒壊しかけたこともあるのですが、なぜか家族はみんな無事という頑丈な一族です。どんなことが起こっても、彼らは誰1人として諦めることを知らず、近隣の住民の迷惑もかえりみず、今日も元気に発掘機械の再生に勤しんでいます。


○人物

▼マーカス=セールハイト
 種族:白人  性別:男  年齢:16  職業:鍛冶屋
 居住:工房街  出身:アイリストール市

解説:直情径行で考えなしに行動する少年で、腕っ節が強いことから近隣では一目置かれています。しかし、決して弱い者いじめをするようなことはなく、むしろ好んで強い相手に向かってゆくような性格の持ち主です。どうもひとつところに腰を落ち着けて仕事をすることが苦手らしく、冒険者になって世界を旅して回りたいと考えています。そのためにまず強くなることを志しており、師となる人物を探して黄昏街の酒場などに顔を出しているようです。

一言:「とにかく強くなりたいんだ!」


▼奇跡の少年 ティッタ=リーフレット
 種族:白人  性別:男  年齢:18  職業:装飾職人
 居住:金槌通り  出身:アイリストール市

解説:「奇跡のソプラノボーイ」「ウィリアム・メイリーの再来」などと呼ばれている少年で、この年齢になってもまだソプラノパートを歌うことができます。現在は家の手伝いをしていますが、王立歌劇団からもスカウトされており、本気で歌で食べてゆくことを考えはじめています。ただ、いつか声変わりしてしまうことを恐れており、いまだに決心しかねているようです。

一言:「これはまたとないチャンスなんだ……でも……」

・関連ウィリアム=メイリー


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