基本情報
○解説
レスターファ川の流れと、その下を通るセティック水路の音が静かに響き渡る、閑静な住宅地です。都市の中心から少し離れているため、余裕のあるつくりの建物が立ち並んでいます。新しい様式の家が多いのも特徴で、大通りに面した地域では高層集合住宅や大型の混合アパートなどの姿も目立ちます。
この近辺で現在話題になっているのは、郊外と都市部を繋ぐ鉄道の敷設計画についてです。いずれの案を採用するにせよ、大鷲広場前に駅が出来ることにはほぼ間違いなく、静かな環境を好んでこの街に移り住んだ人々は、反対の声を上げています。
| ▼分類 ・種別： 主に住宅地（中層〜中上層） ・交通： 普通 ・治安： やや良い ・警察： 環外西警察署 |
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▼のんき通り
背の低い建物が多いため全体に日当たりが良く、非常に開放的な雰囲気の町並みです。その名の通り、のんびりした住人が多いようで、テラスで昼寝している人々の姿がよく見られます。
▼セティック水路
レスターファ川の下を通って流れる湧水路です。この水は上水として利用されているものですが、ところどころ小川として道端にあらわれ、手洗い場や貯水槽、あるいは広場の噴水などに水を注いでいます。
○鉄道敷設計画
馬車の渋滞は常時激しく、また、都市南部の新興住宅区からの都市内へ通う通勤者の足も必要とされることから、近年では新しい鉄道の敷設計画が持ち上がっています。とはいえ、市内への乗り入れには検討課題が多く、計画はいまだに議論の域を出ておりません。
都市開発計画の推進委員から出ているのは、都市の南端付近からレスターファ川の西を通って、大鷲広場の前を終着駅とするという案で、現在の町並みを壊さずに鉄道を敷けるという利点があります。また、この場所をターミナル駅として都市間鉄道を繋ぐという計画も提案されています。
ですが、新興住宅区に住む者の多くは、快適な生活環境を求めてわざわざ転居した人々で、参政権を持つ比較的裕福な階層となります。彼らの反対を押し切って工事に踏み切るのは難しく、現状では新しい計画案を出さなければなりません。なお、中には「エルモア地方初の地下鉄を」という主張を行う者もおりますが、工事に要する技術面も含めて安全性を不安視する者が一般的です。
いずれにせよ、都市の生活環境が年々悪化している現状では、煤煙を出す蒸気機関車の導入は考えにくいため、霊子機関車が用いられることになるでしょう。しかし、この場合は聖母教会の激しい反発が予想されますし、コスト面を考えると地下鉄を導入することは難しく、現在の景観を維持することは不可能となります。こういった様々な問題を全てクリアできるよう、委員会のメンバーは日々頭を悩ませていますが、まだこれといった案は出ていないようです。
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施設・名所
○種類
▼公共
大鷲広場、オレアーニ離宮、庭園広場、エイムズリー消防署
▼一般
クラブハウス「歴光堂」
○大鷲広場
大鷲太子と呼ばれたオレアーニ王子（聖歴６３５〜６７７年）が住む離宮だった場所で、現在は市民のための広場として開放されています。
広場は大きく北広場と南広場に分かれています。宮殿があるのは北広場で、こちらは綺麗に鋪装された区画と、周囲に木立が茂るゆったりとした芝地があります。広場の真ん中にあるオレアーニ王子像は、待ち合わせの際の目印としてよく利用されます。南広場には多くの庭園が設けられており、奥の方には大きな池もつくられています。気候によっては池に氷が張り、スケートを楽しむことも出来ます。
・関連：大鷲太子オレアーニ
▼オレアーニ離宮（エイムズリー宮殿）
壮麗な装飾が施された宮殿の本館と両脇に設けられている別棟は、上から見ると翼を広げた巨大な鷲のように配されています。
本館の１階は王家の所有する宝物品を展示する博物館となっており、美術品や陶磁器、あるいは武器、軍服といった品が飾られています。別館となる右の離れには、オレアーニ王子が植民地にいた頃に発掘された、ペルソニア大陸からの出土品が置いてあります。なお、左の離れは館員の準備室などに利用されているもので、こちらは一般人は立ち入ることは出来ません。
宮殿２階のテラスには空中庭園がつくられていて、夏の終わり頃にはミセス・ミストの白い花が咲き乱れます。これはオレアーニ王子の死後に、この花が好きだった彼を偲んで伴侶の「マリアベル」が植えたものです。なお、亡き夫のことを思い出しながら、いつもこの花の前で佇んでいた彼女もまた、人々にミセス・ミストと呼ばれていたようです。
◇ミセス・ミスト
ホオズキの仲間で、秋になって白い花が萎んでしまうと、がくが成長して橙色の実を包み込みます。霧婦人という名は、そのがくの部分がレースのように透けていることに由来します。霧が降りる日はがくの隙間に露が溜まり、まるで橙色の宝石を包んだガラスのようにも見えます。
▼庭園広場
南広場には幾つかの庭園が設けられており、その一帯を庭園広場と呼ぶこともあります。国外から持ち込まれた珍しい植物が植えられた区画や、庭木を人間や動物の形に刈り込んだツリーアート庭園、あるいは立体的にコースが設けられている迷路庭園などがありますが、最も有名なのは様々な趣向をこらした噴水庭園です。これはセティック水路から引いた湧水を用いたもので、噴き出す水の下をくぐり抜ける噴水通路や、ダンスのように交互に水が噴き出す長方形の噴水盤などが置かれており、人々の目を楽しませてくれます。
▼エイムズリー消防署
もともと南広場には防衛施設が置かれており、軍が駐屯する場所でした。広場への改修後も、一部の施設はそのまま残され、現在は消防署として利用されています。なお、ここの地下に設けられている、蒸気機関による巨大な押し上げポンプは、噴水庭園と共用となっています。
○クラブハウス「歴光堂」
古い時代のたたずまいをそのまま残したクラブハウスで、近くに住む懐古主義の老人たちによって結成された、「歴光会」という名の紳士クラブが使用しています。この店のオーナーもクラブの一員で、店主はその会員の息子がつとめています。
彼らはもともと、のんびりと会話をしながらお茶の時間を楽しむ、平和な紳士クラブでした。しかし、ある老人が自動車レースに興味を持ちはじめたことから、この会の穏やかな雰囲気は一変してしまうのです。中庭の倉庫は工房に改装され、最速の自動車を目指して日々騒々しい改造作業が行なわれています。このため、付近の住人とは何かと衝突しており、いつか大きな揉めごとに発展するかもしれません。
・関連：歴光会
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人物・集団
▼歴光会
せせらぎ通りの近くに住む、懐古主義の老紳士たちが集まるクラブです。もともとは、現在の世相に愚痴をこぼしたり、昔のオペラ歌手談義などに花を咲かせつつ、のんびりとお茶の時間を楽しむ平和な紳士クラブでした。しかし、ある老人が自動車レースに興味を持ちはじめたことから、この会の穏やかな雰囲気は一変してしまうのです。クラブハウスの中庭の倉庫は改装されて工房となり、知り合いの技術者や大学教授なども巻き込み、最速の自動車を目指して日々騒々しい改造作業が行なわれています。
静かな環境を好む近隣の住人は、彼らの迷惑な行為に対して文句を言い続けています。しかし、クラブハウスのオーナーが会員の１人であることから、誰も彼らを止めることが出来ません。説得によって夜間の作業だけは禁止にさせたのですが、レースが近づいた頃に約束が破られるのは目に見えています。もしかしたら、その時に大きなトラブルが巻き起こるかもしれません。
・関連：クラブハウス「歴光堂」
▼サナ＝メリエン
種族：白人 性別：女 年齢：４３ 職業：主婦
居住：せせらぎ通り 出身：アイリストール市
解説：とても騒々しく口うるさいおばさんで、いつも付近の住人に色々と文句を言っています。また、噂話なしでは生きてはゆけないような人物で、しかも意図的に話を歪めて伝えるので、街の皆から敬遠されています。彼女を通すと話が１００倍ぐらい大袈裟に膨れ上がるので、くれぐれも注意しなければなりません。
一言：「ちょっと聞いてよ。うちの旦那ったらもう、あきれるったらありゃしないよ」
▼リオ＝フィッツシモンズ
種族：白人 性別：女 年齢：２６ 職業：舞台女優
居住：せせらぎ通り 出身：フォートワース市
解説：人気のある舞台女優ですが、影では美しさを鼻にかける高慢な女性で、舞台関係者には彼女を嫌っている者も大勢います。
限定情報：彼女は悪魔と契約して永遠の美貌を手に入れました。そして契約を持続させるために、定期的に悪魔に生け贄を捧げています。同じ舞台女優の「コリン＝リエラミュエル」をライバル視しており、彼女を次の生け贄にしようと考えているようです。
一言：「この美しさは永劫の罪でつくられている……」
・関連：コリン＝リエラミュエル
▼放浪貴族 ディオラ＝ウェインリッジ
種族：白人 性別：男 年齢：５９ 職業：趣味人／探険家
居住：せせらぎ通り 出身：アイリストール市
解説：貴族の血を引く財産家ですが、社交界や政治といったものには全く興味がなく、親から受け継いだ遺産を使って、冒険に明け暮れる人生を歩んできました。ずっとペルソニア大陸で生活し、探検隊を組織して奥地の踏破を試みていたのですが、昨年末に本国へと戻ってきました。あまりある遺産のすべてを冒険の旅に費やす彼は、次の目的地を新大陸に定めています。老齢な彼はこの旅を人生最後の冒険にしようと考えており、最終的には現地に住み着くことも考慮に入れて、入念な準備を進めているようです。
一言：「新大陸か……ふふふ、血がたぎるわい……」