基本情報
○解説
蔦通りと同様に、現在のウィンズリー王朝になってから、住宅地として開発された地域です。裕福な市民が大勢住んでいる街区で、わりと大きめの一軒家や高級アパートが立ち並んでいます。庭を持つ屋敷も多く、庭園を有料で公開している家もあります。
▼由来
この通りの名前の由来は、ラベルハウスと呼ばれる男爵家の庭園で、かつては100羽ほどの白鳥を放し飼いにしておりました。その庭園には現在も渡り鳥たちが訪れ、にぎやかに鳴き声を響かせています。
▼分類
・種別:
主に住宅地(中上層〜上層)
・交通:
普通
・治安:
やや良い〜良い
・警察:
環外西警察署
▼鍵盤通り
聖フローレンス教会の東を走る大通りです。かつて、盲目のピアニスト「ラニエル=クレイマン」が住んでいたことと、教会から荘厳なパイプオルガンの音が響き渡ることから、このように呼ばれるようになりました。
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名所・施設
○種類
▼一般
ラベルハウス、アパート「色彩館」、レストラン「カプリオール」
○アイリストール市民病院
市立の総合病院で、建物はかつての王立美術学校を改装したものです。通常の外来患者は15:00まで、急患は21時まで受けつけてくれます。ベッド数は200ほどとなり、国立総合病院ほど規模は大きくありません。
○ラベルハウス
ウィート男爵家の屋敷であり、一般公開されている庭園広場があります。ウィート家の代々の当主は有名な博物学者であり、現当主の曾祖父「ラベル=ウィート」が水鳥研究のために造ったのが、大きな池を持つ庭園です。彼は長年をかけて餌付けを行ない、ここには多くの渡り鳥が訪れるようになりました。また、彼はフィールドワークの途中に発見した負傷動物の保護も行なっており、飛べなくなった水鳥を庭園で放し飼いにしておりました。特に専門としていた白鳥は、最終的に100羽近くが保護されることになり、やがて人々はここを白鳥庭園と呼ぶようになったのです。
現当主である「アルザレス=ウィート」は植物学を専攻しており、白鳥を飼うということはしておりません。しかし、庭に来る水鳥たちに餌をやっているため、今も数多くの渡り鳥が羽根を休めにここを訪れます。なお、現在は維持が大変だということで、200エランの入場料で庭園を開放しています。
○聖フローレンス教会
聖カナタ教会に次ぐ大きさを誇る教会です。ここは壮麗なステンドグラスがあることでも知られており、陽光を浴びて幻想的な光を放つ天使たちを見上げながら、パイプオルガンの重厚な響きに身をゆだねると、言葉にならない感動が体の奥底から沸き起こってきます。
裏手の墓地から続く敷地の一部は自然庭園となっており、なだらかな起伏のある丘には季節の花々が咲き乱れます。その周囲は緑豊かな木々で覆われていて、街の喧噪とは切り離された静かな空間となっています。
▼共同墓地
この教会には裕福な家庭の者が多く祀られているためか、裏手にある共同墓地の風景も聖堂の美しさに見合ったものになっています。一家で所有する家型の墓の奥には、採光用の窓が取り付けられているのですが、美しいステンドグラスを嵌め込んであるものもあり、ちょっとしたギャラリーのようになっている区画も存在します。
▼恋人たちの墓
共同墓地の一番奥には、恋人たちの墓と呼ばれる小さな墓石があります。これは戦争で亡くなった青年「ナディン=ウォレス」の墓でした。その彼を長く待ち続けた恋人「アデール」は、亡骸となって戻って来た彼の墓を毎日訪れ、やがてその前で眠るように死んでいる姿を発見されるのです。その後、2人が永遠に一緒にいられるよう、ナディンの墓にはアデールの遺体も一緒に埋葬され、後にここは恋人たちの墓と呼ばれるようになりました。
現在、2人の墓所は恋人たちが愛の誓いを交わす場所となっており、わざわざ遠くから訪れる者も少なくありません。しかし、最も多いのが近くに住む学生たちの来訪で、墓地のさらに奥の茂みの中で隠れてデートしたり、肝試しも兼ねて夜中にこっそり墓所を訪れる、といった遊びが流行しているようです。
▼地下墓地
聖フローレンス教会は市で最大の地下墓地があることでも有名で、地下3階まである石造りの納骨堂には、何万体という死者が眠っています。これは骨がむき出しになっているものではなく、壁に設けられた50cm四方の小さな墓に個別に遺骨が納められています。
◇追加情報
実際のところは誰もわかりませんが、ここの地下墓地には隠し通路があって、下水道の一部と繋がっているという噂があります。
○高級アパート「色彩館」
建物の前面に設けられた円形のステンドグラスで有名なアパートで、玄関ホールの白大理石の床には、太陽の光が彩る花々が咲き乱れます。ここには貴族の子弟や名士たちが多く住んでおり、2階の1室はサロンのように利用されています。
○レストラン「カプリオール」
退役軍人たちのクラブハウスとして利用されている会員制のレストランで、看板には馬に乗る騎士の姿が描かれています。軍属だった老人たちの憩いの場となっており、毎日のように杖をつきながらここを訪れては、世間話をしたりカードゲームに興じています。
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人物・集団
▼ラングリット=バイター
種族:白人 性別:男 年齢:66 職業:私立探偵
居住:白鳥通り 出身:アイリストール市解説:国内随一の推理探偵として知られており、小説家としても有名です。彼が扱った事件をもとにして書かれた推理小説は、発売されるたびにベストセラーになります。昨年度に出版された「傾いた鐘楼殺人事件」は特に秀逸で、国外でも多大なる人気を博しています。
一言:「すべては整合性なのです……」
▼堅物役人 ルーアン=ベルナー
種族:白人 性別:男 年齢:38 職業:査察官/税務署
居住:白鳥通り 出身:アイリストール市解説:税務署の優秀な査察官であり、石を固めてつくったと言われるほどの堅物です。賄賂などの裏工作は絶対に通用しないことから、政治家や商人たちには嫌われています。あまりに徹底した公正さを求めるため、「ヤツは法教会の信者に違いない」とまで言われているほどです。
一言:「私は断じて間違っておりません」
▼ロディ=ブレナン
種族:白人 性別:男 年齢:25 職業:バイオリン奏者
居住:白鳥通り 出身:カルネア解説:バイオリンの貴公子と呼ばれている青年で、王立音楽院の客員教授をしながら演奏活動を行なっています。戦乱を避けるためカルネアから移住してきており、現在は貿易商人の「エルナン=コンスタンツェロ」氏の屋敷に住んでいます。
限定情報:彼は先天的に呪歌系の術法を身に付けており、それが思いがけず発動する場合があります。しかし、本人はそのことについて全く気付いておらず、周囲で何か騒動が起こっても、別のことが原因だと考えています。
一言:「ええ、いつか祖国に戻れれば、とは思いますが……」
・関連:王立音楽院
▼汚職屋 ゲイリー=レイノルズ
種族:白人 性別:男 年齢:36 職業:交渉人
居住:白鳥通り 出身:ケイディアン市限定情報:数多くの政治家や企業家を顧客に持つ交渉人で、それらの間を繋げる役割を担っています。彼の亡き父「ベリアン」は長く下院議員を務めていた人物で、その人脈を活かして仕事をしているようです。彼を通じて相当数の収賄事件が起こっているのですが、それらが発覚することは極めて珍しいこととなります。ちなみに、事件が明るみに出ることがあっても、ゲイリー=レイノルズの名が表に出ることはまずありえないでしょう。というのは、彼が政財界の共有物であることを顧客たちはみな認識しており、その名を当局に漏らすことは全体に対する裏切りになるからです。
一言:「ええ、全てを私に任せていただければ何も問題ありません」
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