基本情報
○解説
紳士通りから南西へと続く大通りで、近辺は閑静な住宅地となっています。この通りの北西は三日月街、南東が満月街に区分されます。
▼三日月街
王立競技場の対岸に位置する街で、聖歴732年に三日月公園が造成された頃から、このように呼ばれるようになりました。昔からこの一帯には、家具製造や木彫などを行なう加工職人たちが住んでいたことから、公園が出来る以前は組木街と呼ばれており、現在もフランジィ川沿いに多くの工房や木工所が立ち並んでいます。
▼満月街
三日月公園とコンペティションを争って、惜しくも2位となった満月広場があることから、月光通りの南東側の地域を満月街と呼びます。こちらは学校が近いことから、学生用アパートや知識人たちの住む家が並んでいます。
▼分類
・種別:
住宅地(中上層〜中下層)
工業地
商業地
・交通:
普通
・治安:
普通
・警察:
環外西警察署
▼組木通り
フランジィ川沿いにある通りのことで、家具工房、ボート工房、楽器工房、時計工房、木彫刻工房など、木工品の製作所が集中しています。これはかつてフランジィ川やレスターファ川を通じて木材を運んでいた頃の名残りで、現在も大勢の職人がここで働いています。近辺には上質の品を扱う中古家具の店もあることから、買い付けに訪れる業者の姿もよく見られます。
▼フランジィ川
アイリストールから南西に50kmほど行ったところにある、グレンディル山からレスターファ川まで続く小河川で、幅は20〜30mほどとなります。この川は昔から、パルムの丘から切り出した石を運ぶために使われてきたもので、川沿いの道は石切街道と呼ばれています。なお、水深は浅いため大きな船の通航は出来ず、荷物や人の運搬は小型汽船やボートで行なわれています。
▼洗濯水路
組木通りの対岸にある石鹸広場は、古くから多くの洗濯屋が利用する草地だった場所で、広場に改装されてからも業者はここを使い続けてきました。そのため周辺の人々は、フランジィ川のこの辺りのことを洗濯水路と呼んでいます。なお、近くに三日月公園が出来たことから、観光客から見えないようにという市の要請があり、現在の洗濯場は「洗濯船」と呼ばれる屋根付きの小屋となっています。
▼弓通り
三日月公園に沿って緩やかに彎曲する道のことです。通りの北西側には木製の装飾品などを取り扱う土産物屋が並んでおり、南東には小劇場や芝居小屋が集まる区画があります。
▼法学通り
レスターファ川からホーンパイプ通りまで続く道路です。通り沿いに法律学校があり、周辺に法律家を目指す学生が大勢住んでいることから、このように呼ばれています。
▼鐘守通り
満月広場と聖鐘教会の間を走る通りで、教会の鐘楼からカリヨンの美しい音色が響いてきます。
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施設・名所
○種類
▼公共
三日月公園、満月広場、市立法律学校、王立音楽院、月影橋、工芸資料館、聖鐘教会
○三日月公園
この特徴ある形の広場は、聖歴720〜730年代に行なわれた都市大改造の時代に造られたもので、完成は聖歴732年となります。この時はデザイン公募が行なわれ、見事1位に輝いた若き建築家「ジョナサン=ロビンス」の作品が採用されました。そのため、ここは正式にはロビンス水池公園と言うのですが、公園の中央に三日月型の池が掘られてるため、誰もが三日月公園と呼んでいます。なお、この池はレスターファ川の貯水池を兼ねています。
三日月池の水面は川の流れで静かに波立っており、夜には月明かりや街灯の光を反射して、まるで地上の月のように美しく輝きます。ここではボートが貸し出されており、水上からの美しい風景を眺めながら、静かで優雅なひとときを楽しむことが出来ます。また、川から入り込んで棲みついた魚もいるため、休みの日にはくつろいだ雰囲気で釣りを楽しむ人々の姿も見られます。
▼半月広場
レスターファ川に面した半月型の空間には、様々な遊技施設が設けられています。
◇音楽噴水
広場の弧の頂点にある噴水は、水の力を利用して鐘を鳴らして演奏を行なう仕掛けが施されており、音楽噴水と呼ばれて市民に親しまれています。ここでは模型のボートを浮かべて遊ぶ子供たちの姿も見られます。
◇彫像「聖なる恋人たち」
音楽噴水の中央に置かれた「聖なる恋人たち」と名付けられた彫像は、高名な彫刻家「フィローズ=クリステンデル」の作品で、聖フローレンス教会に眠る2人の恋人をモチーフとしたものです。互いの手を合わせるナディンとアデールの姿は、永遠の愛を象徴するものとして若い恋人たちに人気があり、有名な待ち合わせの場所にもなっています。また、この彫像の前で愛を誓った者は、永遠に別れずにいられるという話があるので、ここでプロポーズを行なう人たちも増えています。
◇室内プール
広場の北の端につくられている円形ドームの中には、小さな滑り台付きの室内プールが設けられています。500エランで入場することができ、ガラス天井から降り注ぐ日の光を浴びながら、快適な時間を過すことが出来ます。ここを利用する人は、中層以上のわりと裕福な人々が多いようで、一種の社交場ともなっています。
◇コンサートステージ
レスターファ川に面している場所には、半月型のコンサートステージが用意されています。舞台がある場所は少し低くなっており、それを取り囲むように階段状の椅子が設置されています。ここは市に申請すればイベントなどで利用することが可能で、よく演劇会やコンサートなどが行なわれています。
▼イベント/音楽祭(春節祭):3月6日〜8日
三日月公園で行なわれる音楽コンサートのことで、国内外から一流の音楽家が招待されます。祭の冒頭を飾るのは王立音楽院の合唱団で、選ばれた子供たちが天使の歌声を響かせます。広場の周辺にも、個人で活動している演奏家や音楽屋たちが集まり、自慢の演目を披露しています。
○満月広場
三日月公園とコンペティションを争って、惜しくも2位となった「アレクサンド=クレリア」の設計で、この公募作を惜しむ声が多かったために、この場所に造成計画が持ち上がっていた広場のデザインとして、特別に採用されることになりました。完成は聖歴737年で、正式にはクレリア円形広場といいますが、三日月公園と対に位置付けられることから、満月広場と呼ばれています。
この広場で特徴的なのは立体通路を組み込んだ遊歩道で、アーチ陸橋やトンネルがそこかしこに造られています。日が差している間、これらの道は地面に美しい流線形の影を描き出し、時を経るごとに違った模様を織り成してゆきます。また、橋脚や欄干には聖者たちの奇跡を描いた、見事なレリーフ彫刻が彫り込まれており、まるで美術館を歩いているような気分にさせてくれます。
もう1つ有名なのが、広場中央にある天使像の周囲に配された、鍵盤石と呼ばれる仕掛けです。ここに円状に敷かれた石には水管が組み込まれており、その上に立つ者だけに静かな水の流れが聞こえてきます。この音はそれぞれ音階が違っており、敷石の端にはその音に対応した文字とマークが刻まれています。うまく石を飛び移ることが出来れば、自分だけに聞こえる一続きの音楽となり、そのための楽譜も観光協会で配付されています。
▼イベント/音楽祭(春節祭):3月6日〜8日
三日月公園で行なわれる音楽コンサートのことで、国内外から一流の音楽家が招待されます。祭の冒頭を飾るのは王立音楽院の合唱団で、選ばれた子供たちが天使の歌声を響かせます。広場の周辺にも、個人で活動している演奏家や音楽屋たちが集まり、自慢の演目を披露しています。
最近では満月広場で、市民たちによるコンテストが独自に開催されています。ここでは庶民向けの一般曲の演奏も許されるため、主に中層市民に人気があるイベントとなります。
○アイリストール市立法律学校
法律家を養成するための専門学校で、卒業者は弁護士など司法関連職について働いています。ロンデニアでは裁判が非常に多く、法律家の育成は常に欠かすことが出来ません。入学、卒業ともに難しく、基本的な就学年数は3年となっていますが、1〜2年留年する者も珍しくはありません。
○王立音楽院
音楽家「ヴィシュワ=ソネット」の提唱によって誕生した、音楽家を養成するための専門学校です。聖歴711年のシルフィス女王の即位時に創設され、これまでに多くの優秀な音楽家を生み出しています。常勤、非常勤を含めて全部で100名余りの教師がおり、初等学校および中等学校を兼ねた養成科に通う500名の生徒と、研究生として学校に残る研究科所属の学生を、日々厳しく指導しています。
建物の敷地内には寮舎が付設されており、養成科の全ての生徒は寮生活を送ることになります。優秀な卒業生は王立劇場に所属するロンデニア王立管弦楽団や、その他の国内の有名楽団に入団し、一流の音楽家となって大きな舞台で活躍します。
○楽譜店「歌月堂」
楽譜や音楽の専門書を取り扱っている老舗で、王立音楽院のすぐ近くの裏道にひっそりと佇んでいます。ここは古い時代の楽譜の写しも大量に保存しているため、店長でさえ知らない古典音楽の譜面が紛れ込んでいることも珍しくはありません。また、作者不明の楽譜も数多く置かれているのですが、そのうちの1つを購入した音楽家が調べてみたところ、ある有名な作曲家が若い頃に書いた未発表の作品であることがわかり、大騒ぎになったこともあります。
▼追加情報
この店には音楽家の間にのみ知られる不思議な逸話があります。それは満月の夜の12時に起こる現象で、店の中に美しい女性の歌声が響き渡るというものです。彼女が歌っている曲は「リーゼロッテの瞳」というタイトルのもので、月明かりの下でだけ人間に姿を変えることが出来る人形娘リーゼロッテと、貧しい職人ラベルが繰り広げる悲恋の物語です。歌はちょうどリーゼロッテとラベルが、満月の下で掛け合いを行なうシーンのもので、人形であるがゆえにラベルの思いを受け入れることが出来ない、リーゼロッッテのせつない恋心が表現されています。
この声の主については諸説あり、壁に飾られている肖像画のオペラ女優「ジュリエッタ=メジィナ」(故人)のものだという人もいれば、店長の孫娘アディアが可愛がっている人形だという人もいます。他にも、若くして死んだ歌姫の霊や、楽譜にしみ込んだ音楽家たちの情熱、あるいは店のオルゴールに仕込まれている機械人形など、これまで特に実害が出ていないことから、人々は好きに想像を膨らませて楽しんでいるようです。
○月影橋
レスターファ川に架けられている4つのアーチで支えられた橋で、月光通りと紳士通りの間を繋いでいます。この橋は古くからあるもので、途中の橋脚によって支えられている場所に、川にせり出した半月形の小広場が設けられているのが特徴です。
月影橋という名は、この広場部分が水面に落とす影が三日月のように見えるためで、三日月公園のデザインもこの橋をモチーフとしているそうです。昔からこの通りの象徴として人々に親しまれてきましたが、今ではだいぶ老朽化しておりますし、橋脚が河川交通の妨げとなるという理由もあって、近年では吊り橋への架け替えが検討されています。しかし、近隣住民の反対の声が大きく、まだ具体的な計画については検討されておりません。
○ベリル劇場
1200ほどの客席を持つ劇場で、正面玄関は三日月公園前の弓通りに面しています。舞台がある日のホールでは、立食パーティ形式の舞踏会が行なわれています。舞台とパーティは別料金となっていますが、セット料金だと割安になります。
この劇場では毎週土曜に仮装舞踏会が行なわれており、躍動感あふれる大衆的な音楽に合わせて踊りながら、様々な身分の者が入り交じって夜を明かします。仮装のお陰で正体を隠せるので、高貴な身分の人たちがお忍びで訪れているという噂もあります。そのため、玉の輿を狙う若い娘たちが、精一杯に着飾ってパーティに参加しています。・料金
舞台だけの場合は5000〜7000エラン程度で観劇することが出来ますが、パーティだけならば5000エラン、セットで8000〜1万エランとなります。
○工芸資料館
組木通りの入り口近くにある、一帯の組合が共同で開いている資料館です。民俗学的に資料価値の高い古家具や、伝統的な木製装飾品などが展示されています。中にはいわくつきの品も幾つか含まれているため、神秘的な物事に興味を持つ人々が訪れることもあるようです。
○聖鐘教会
鐘楼のある美しい尖塔が目印の教会で、ここからカリヨンの音色が町中に響き渡ります。ここが聖鐘教会と呼ばれるのは、カリヨンの鐘が普通のものではなく、教会の敷地から掘り出された不思議な石で出来ているためです。これは水晶のように透き通った鉱石で、この石同士を叩きあわせると、非常に澄んだ深みのある音が響き渡ります。その材質は詳しくはわかっておりませんが、石の大きさによって異なる音を奏でることから、カリヨンの鐘の代わりに使われています。
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人物・集団
▼シェッツ=トゥルガー
種族:白人 性別:男 年齢:20 職業:大学生
居住:法学通り 出身:リコン市解説:ロンデニア国立大学に所属する学生で、化学を専攻しています。生真面目で冗談が通じない、非常に付き合いづらいタイプであり、他の学生たちとの交際はあまりないようです。一方、同郷の助教授「ヴィンセント=クラーク」とは非常に親しくしているようで、よく研究室に入り浸っています。
限定情報:彼はクルヴィス人の独立を目指して活動する「黄金槍自由騎士団」のメンバーの1人で、爆弾テロを企てています。助教授のヴィンセントもその仲間であり、大学の施設を使って2人で爆薬を作成しています。現在は、刑務所に拘留されている同志を救出するための計画を練っているようです。
一言:「ええ、ここに仕掛けるのが最も効果的かと……」
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