基本情報
○解説
アイリストール出身の英雄である「ウェリンス将軍」の屋敷があった通りなので、彼の名をとってウェリンス通りと呼ばれています。別名を将軍通りといい、彼は今でも街の誇りとして讃えられています。
通りの東側は背の高い建物が多く立ち並んでいるため、全体的に狭苦しい印象を受けますが、西に進むに従って少しずつ低い建物が増え、川沿いの市場街の雰囲気も相まって開放的な空気が漂ってきます。
▼ウェリンス将軍
聖歴603年になると、アリアナ海の交易問題でセルセティア・ソファイアとメルリィナ・ルワール大公国との間に争いが起こります。その後、反ソファイアの立場を取るロンデニアが参戦し、メルリィナ・ルワール大公国側が勝利し、アリアナ海の制海権を握ることとなりました。この時のタレス海戦で目覚ましい働きを見せたのが若き日のウェリンス将軍で、彼はその後も軍事的才能を発揮し続け、3度行なわれたソファイアとの海戦の全てでロンデニアを勝利に導きました。
▼分類
・種別:
商業地
住宅地(中上層〜中層)
・交通:
多い
・治安:
普通〜やや良い
・警察:
環外西警察署
▼葦毛通り
かつてウィナーズカップで優勝した葦毛の馬「チェリープリンセス号」が、レース後に興奮して王立競技場から飛び出し、工房街の方まで駆け抜けたという事件がありました。この時、多くの店が破壊されたり多数の怪我人が出たのですが、付近から見物人が大勢押し寄せて街が賑わったそうです。
この頃から、付近では馬のアクセサリーは幸運の証となり、子供が生まれた時や旅立ちの際のお守りとして贈られたりしています。今でもチェリープリンセス号の姿を象ったペンダントや人形が多く作られており、木馬やメリーゴーラウンドなどの遊具のモデルにもなっています。
▼紳士通り
王立競技場の南にある大通りです。レース日には紳士たちが集まり、まるで上流社会の社交場のような雰囲気を醸し出しています。
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施設・名所
○種類
▼公共
環外西警察署、歴史博物館、ウェリンス・ポート、西市場▼一般利用
王立競技場、フォリー劇場、喫茶店「ブラウンシュガー」、パブ「昼下がりのまどろみ亭」
○環外西警察署
環状道路の南西地区を担当する街区警察で、南太陽通りの手前までが管轄区域となります。本部はウェリンス通りと環状道路の交わる地点にあります。
・管轄:西地区(職人地区、赤矢通りなど)
南地区(ウェリンス通り、蔦通り、学校街、白鳥通り、月光通り、柳葉通り、せせらぎ通りなど)
▼管轄区域
◇西地区
環状道路の西側は工房や問屋が並ぶ地域で、ほどほど治安のよい場所といえます。しかし、すぐ北にはギャングの支配する暗黒街があり、周辺には流れ者や浮浪者が住み着いているため、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。◇南地区
環状道路の南側は、比較的裕福な人々が暮らす住宅地が広がっており、全体に犯罪の少ない地域となります。とはいえ、休日の王立競技場は大勢の人で賑わいますし、多くの観光客が訪れる大鷲広場なども存在することから、警戒を怠ることは出来ません。なお、特に日中にパトロールを行なう警官の姿が目につくことから、この地区を担当する警官のことをデイ・ガードと呼ぶこともあります。
○王立競技場
通りの南側にある競馬場で、レスターファ川に面した広場も合わせて競馬公園と呼ばれることもあります。景観の良い広場は散歩やサイクリングのコースとしても人気があります。
休日には大勢の紳士・淑女が押し掛け、レースの模様に一喜一憂します。新年早々に行われるウィナーズ・カップは特に盛況で、王族も訪れる一大イベントとなります。
▼ウィナーズ・カップ
1月3日は王立競技場で最大のレースが開催されます。これは前年に大きなタイトルを取った全ての馬が一堂に会して、最強馬の座をかけて争うという、国内最大の大会となります。
○歴史博物館
ウェリンス将軍の屋敷だった建物を改装してつくられた博物館で、王立競技場の向かいに位置しています。歴史博物館と名づけられておりますが、ウェリンス将軍に所縁の深い建物ですから、どちらかという海戦史博物館といった方が相応しい展示品が多く並んでいます。たとえば、正門までのアプローチには古い戦艦の大砲が左右に並んでおりますし、ホールには10m以上はある古い戦艦の復元模型が展示されています。
ウェリンス将軍に関する展示が特に多く、彼の書斎は死後もそのまま残されておりますし、記録や遺品を飾る専門展示室も置かれています。このため、市民にとってはウェリンス博物館の方が通りがよいようです。
▼海戦の間
海戦の様子が再現されたパノラマ仕掛けの部屋で、勇壮な戦の様子を楽しむことが出来ます。・関連:ウェリンス将軍
○フォリー劇場
海商王と呼ばれた「ゼンデル=フォリー」氏が建てた劇場で、ホールを飾る柱廊の群像彫刻の見事さでも知られています。聖歴731年に失火で建物の半分を失いましたが、後に補修されて当時の姿に戻りました。しかし、この劇場の名を広く知らしめたのが、先代のロンデニア王であるメアリー女王の暗殺未遂事件で、その後しばらくは完全に封鎖されておりました。その他にも幽霊騒ぎやシャンデリアの落下事故など様々な事件が起こったため、興行日数より閉鎖している期間の方が長いらしく、人々には呪われた劇場と呼ばれています。
○ウェリンス・ポート(西の船着き場)
ウェリンス通りに繋がる船着き場で、西市場に面しています。レスターファ川を通る船の中継ポートとして利用されています。
○西市場
もともとの卸売市場は赤矢通りの南にあったのですが、交通の流れやレスターファ川の大きさなどの問題から、聖歴730年頃にミンキッシュ川沿いに移設されることとなりました。その後、旧市場街の一帯は塵芥処理場に作り替えられ、近辺にあった商店の一部は川の対岸へと移り、やがてこの場所に新たな市場街が形成されることになります。なお、市場の北側には屋台が立ち並ぶ区画があり、安くて美味しい食べ物を楽しむことが出来ます。
○喫茶店「ブラウンシュガー」
フォリー劇場の真向かいにある喫茶店で、ホットチョコレートと砂糖菓子が名物です。劇場に訪れる客を当て込んで開いた喫茶店ですが、とにかく悪い噂の絶えない劇場なので、思ったほどには稼ぎは上がっていないようです。
・関連:そばかすヴィッキー
○パブ「昼下がりのまどろみ亭」
とにかく騒々しいことで有名な酒場で、いつも大勢の人々で賑わっています。この建物はかつて倉庫として使われていたらしく、非常に厚い壁で覆われています。
ここでは好きに騒ぐことが許されており、どれほど喧しくても他人には干渉しないというルールがあります。そのため、酒を飲んでのバカ騒ぎはもちろんのこと、素人音楽家の下手なバイオリンや自作の詩の朗読など、普段ならば周囲に気兼ねして出来ないことをするために、様々な趣味を持った多様な階層の人々が集まるようになりました。
建物は3階建てで、全体に相当広い空間があります。3階の個室は貸部屋として利用されていますが、ここも自由に騒げる空間となっており、個人で芝居や演奏の練習をしたり、パーティなどに利用されています。
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人物・集団
▼川鴉
市の南西部で活動している集団で、かつては闇梟と同等の力を持った、アイリストール最大規模の裏組合でした。しかし、ギャングのコンウォーリス一家によって、既に組織は壊滅に近い状態に追い込まれており、構成員の多くがギャングの手下となって働いているのが現状です。
窃盗品の売買や密輸などが主な稼業で、かつては闇市を開いて大きな稼ぎを手にしていましたが、現在は地下で小さな故買屋を営むコソ泥集団に成り下がっています。組織の復興を目指して活動を続けておりますが、もはや周辺組織に対抗する力は無く、自然消滅も時間の問題と考えられています。・仕事:窃盗、故買屋など
・本部:葦毛通り
・地域:南西地区、新興住宅地など
▼そばかすヴィッキー
種族:白人 性別:女 年齢:15 職業:ウェイトレス
居住:ウェリンス通り 出身:ノルデン村解説:喫茶店「ブラウンシュガー」の看板娘で、元気が取り柄の明るい少女です。赤毛でそばかす、そして三つ編みと、見た目は野暮ったい感じがしますが、顔立ちはそこそこ整っています。男の子のような口のきき方をするので、初めて入店した者はみんな少し驚くようです。おせっかいで何かと口うるさいのですが、常連たちは彼女が好きで店に通っているので、色々と小言をいわれても嬉しそうにしています。
一言:「うるさいぞ、このへっぽこぴい!」
・関連:喫茶店「ブラウンシュガー」
▼ニーヴ=モリッシュ
種族:白人 性別:男 年齢:46 職業:裁判官
居住:足音街 出身:アイリストール市解説:謹厳実直かつ清廉潔白で知られる上級裁判所の裁判官で、法の番人を自負しております。厳格な気質の彼は、私生活でもその態度を崩すことなく、周囲には全く面白みのない人間だと思われています。
限定情報:しかし、そんな彼にも家族だけが知る秘密があります。それは、家で飼っている九官鳥のキュリィちゃんを溺愛していることで、仕事から戻るとすぐにカゴの扉を開け、愛鳥を肩に乗せたまま寝るまでの時間を過ごしています。いつもへの字に結んでいる口元をだらしなく緩ませながら、せがまれるままに餌を与えてしまうその姿は、とても他人に見せられるものではなく、本人は特に気にしておりませんが、家族の方がひた隠しにしているようです。
一言:「うん、ナッツかい? よしよし、たくさんお食べ」
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