基本情報
○解説
市で最も賑わう繁華街で、いつも大勢の人々や馬車が道を行き交っています。大通りは商店街となっており、とりあえずここに来れば何でも揃うといわれてます。
この一帯は都市の華やかさを象徴するような場所で、街並みはとても美しく、道路も砕石舗装路として整備されています。歩行者と馬車が通る道は低い段差と街路樹で区別されていて、安全に歩くことができます。表通りは夜間も人の通行が多いため、非常に治安のよい地域となっています。
▼分類
・種別:
商業地
住宅地(中上層〜中層)
・交通:
多い
・治安:
良い
・警察:
環外南警察署
○地域
▼表通り
南側のせせらぎ通りまで商店街が続いており、さまざまな商品を見て歩くことが出来ます。レストラン、喫茶店、洋品店、工芸品店といった一般的な店が多く、客層は比較的裕福な中層市民が中心です。
▼裏通り
裏通りにも商店が並んでいますが、店の構えは表通りよりも控え目で、落ち着いた感じになっています。
▼出版街
通りの北東側には新聞社、出版社、印刷所、書店が多く並んでおり、出版街あるいは印刷街などと呼ばれています。
▼つぎはぎ通り
大通りの東の裏道には、法律事務所、職業紹介所、探偵社、鑑定屋、運送屋などの建物があります。また、中心地域から離れた住宅地の近くでは、雑貨屋や小さな食料品店など、生活に関する商店が並んでいます。このように様々な種類の店鋪が集まる地域であることから、一帯をつぎはぎ通りと呼ぶようになりました。
▼すずらん通り
南大通りとせせらぎ通りの間にある商店街で、この近辺の街灯がすずらんの形をしていることから、このように呼ばれています。
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名所・施設
○種類
▼一般
喫茶店「微笑む舞姫」、鞄店「時刻館」、マイヤー紹介所、画廊「女神たちの夕べ」
○ロンデニア第一国立銀行
ロンデニアで最初に設けられた国立銀行で、南太陽通りと環状道路が交差する場所に位置しています。国家資本であること以外、業務の内容は一般の銀行と殆ど同じとなります。なお、紙幣の発行権を持つ中央銀行は、旧市街にある王立中央銀行となります。
保安という観点から窓をもたない珍しい建物で、中は術法の明かりで照らされています。本来なら窓にあたる部分には彫刻が施されていたり、大きな風景画などが飾られているため、あまり窓がないことを気付かせません。理由はよくわかりませんが、換気口からひんやりとした空気が漂って来るため、夏にはロビーで一休みしている人も見かけます。
○ロンデニア王立建築学校(フェルケイ建築学校)
先々代のフェルケイ国王(聖歴689〜754年)の即位記念に、聖歴719年に設立された専門学校で、フェルケイ建築学校と呼ばれることもあります。通常は中等学校を卒業した後に試験を受けて入学し、3年の教育機関を経て卒業します。
多くの優秀な建築家を輩出している有名な学校で、卒業生たちは歴史に残る様々な建築物を残しています。三日月公園の設計を行なった「ジョナサン=ロビンス」や、リンウィード橋を手掛けた「ローラン=ティドー」、あるいは文化広場の設計に携わった「アメット=ファービアス」らも、この学校で設計やデザインを学んだ1人で、彼らに憧れて入学を希望する者は後を絶ちません。
○喫茶店「微笑む舞姫」
手作りのケーキが評判の、市内でも有名なオープンカフェで、店は若い娘たちで賑わっています。また、有名な舞台女優「コリン=リエラミュエル」や、高級娼婦である「レミィナ=クロシュナット」が訪れる店としても知られており、彼女たちを目当てとする男性客も少なくありません。このような事情から若い男女の出合いの場にもなっており、この店から幾つものカップルが誕生しています。また、そのまま交際を続けて結婚まで至り、店にウェディング・ケーキを頼んだ客も、過去に何組かいるようです。
店名の由来は店鋪の入り口に飾られているレリーフで、店長が憧れていた伝説の舞姫「ルーリア=デポア」がモデルとなっています。このレリーフに祈りを捧げると芸術方面の才能がのびるといわれており、舞台を目指す女性などがこの前で立ち止まっている姿を見かけることもあります。・関連:イルミナ=ジュネス、コリン=リエラミュエル、ルーリア=デポア
○鞄店「時刻館」
通りのほぼ中心に位置する、王室御用達の老舗鞄店です。顧客は貴族や会社経営者などが殆どで、商品は全てオーダーメイドとなります。一般市民に縁があるのは商品ではなく、店の前に置かれている大きな置き時計でしょう。これは時計好きだった先代の店長が特注で作らせたもので、高さは4m近くにもなります。中はディスクオルゴールになっており、営業中は1時間ごとに音楽が鳴り響き、人々の耳を楽しませてくれます。
○マイヤー紹介所
書店の2階にある小さな職業斡旋所で、助手と2人で業務をこなしています。通常であれば絶対に手におえないほどの件数を手掛けているのですが、店長の「デイビット=マイヤー」氏は記憶力の高さで知られる人物で、ほとんど書類を見ることなく仕事を片付けてしまうという話です。
・関連:デイビット=マイヤー
○画廊「女神たちの夕べ」
出版街近くの裏道にある小さな画廊で、オーナーが個人でひっそりと経営しています。オーナーの「マウール=グレイシオ」は、女性の肖像画だけを取り扱う画商として知られています。しかし、これは彼の趣味ではなく、まだ見ぬ母親の肖像画を手に入れるという目的があっての行動です。
店名である「女神たちの夕べ」というのは、画家だった彼の父親が描いた3枚の連作です。これは三つ子の黄人姉妹の肖像画ですが、20年以上前に盗難にあって行方が知れないままです。彼自身は特に母親に会いたいとは思っていなかったのですが、死期が近い父親のために唯一の手がかりである絵を手に入れようとしていたのです。
捜索の甲斐もなく、父は母に会うことなく2年前に病で他界し、もう彼には肖像画を探す理由はなくなりました。しかし、未だに画廊には女性画以外の作品が飾られることはなく、女神たちのたえることのない微笑みが客たちを出迎えているのです。
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人物・集団
▼イルミナ=ジュネス
人種:白人 性別:女 年齢:16 職業:ウェイトレス
居住:南太陽通り 出身:アイリストール市解説:喫茶店「微笑む舞姫」の娘で、普段はウェイトレスをやっています。彼女は女優を目指しており、常連の舞台女優「コリン=リエラミュエル」に憧れています。しかし、父親は激しく反対しており、最近では家を出て劇団に入ろうかと考えています。
一言:「ちょっと、聞いてくれます? ひどいんですよ、うちのお父さんったら!」
▼デイビット=マイヤー
人種:白人 性別:男 年齢:52 職業:口入れ屋
居住:南太陽通り 出身:アイリストール市解説:髪をオールバックに固めたヒゲの小男で、いつも木製のパイプをくわえています。優れた記憶力の持ち主で、トレードマークのサスペンダーをパチンと弾くと同時に、紹介先の情報がよどみなく口から流れてきます。人を見る目も確かで、すぐれた観察力でその人物の素性や性格を見抜きます。そのため、必ずしも彼に仕事を紹介して貰えるとは限らず、ドアを開けると同時に門前払いを食らう人もいるようです。
一言:「それならちょうどいい仕事がありますよ。この通りの先にある……」
・関連:マイヤー紹介所
▼マウール=グレイシオ
人種:白人と黄人の混血 性別:男 年齢:38 職業:画商
居住:南太陽通り 出身:アイリストール市解説:自転車の製造販売で財をなした青年実業家でしたが、8年前に突然会社の全権を共同経営者に譲り渡して、画廊の経営者へと転身しました。これは母親を探す手がかりとなる、父の描いた三つ子の黄人姉妹の肖像画を探すためで、そのために以前の稼ぎを費やしています。
限定情報:彼の母親というのは、エイルン族という女性だけの旅集団の1人で、非常に特異な風習を持つ一族としても知られています。彼女たちはこれと決めた男性と一夜をともにし、子供をもうけます。しかし、その子供が女の子であれば一緒に旅に連れてゆきますが、男の子であった場合は相手のもとに子を置いてゆくのです。
マウールは母親に置き去りにされた子供ですが、母親に対する恨みはないつもりでいます。父親が死んだ今もなお、絵を求めて八方に手を尽くしていますが、これも1度でいいから父の墓に祈りを捧げて欲しいと思っているからです。一言:「まあ、そんなことはいいじゃないですか。それよりこの肖像画なんですけどね……」
・関連:画廊「女神たちの夕べ」
▼アルフォンス=ハスリンガー
人種:白人 性別:男 年齢:42 職業:画商
居住:すずらん通り 出身:アイリストール市解説:画商「マウール=グレイシオ」の信頼できるパートナーであり、絵の仲買人として各国を飛び回っています。彼はマウールの父である「ロイエール」の弟子だった男で、将来を嘱望された若手画家の1人でした。20代の後半からは、修行のためにペトラーシャに渡って絵を学んでいたのですが、事故で右腕に大きな怪我を負ったために絵の道を断念することになります。その後は職を点々として酒に浸る生活をしていたのですが、やがて彼を兄のように慕っていたマウールの工場で働くことになり、マウールとともに退社して現在に至ります。
アルフォンスが肖像画を探す役となったのは、マウールは先天的に心臓が弱い父親の看病のために、アイリストールを離れられなかったためです。才能ある画家だった彼は目利きも確かで、放浪時代の人脈も生かして画商としての才覚を存分に振るっています。一言:「そこをなんとかお願いしますよ、ねっ?」
・関連:画廊「女神たちの夕べ」
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