北部地区
霧姫通り

基本情報施設・名所人物・集団


 

基本情報


○解説

 落ち着いた雰囲気の街で、北に向かって緩やかに傾斜しています。環状道路の北側には珍しく、わりと裕福な人々が住む地域で、大通りに面している屋敷は広い敷地を持っています。古くからの歴史ある建物が多く、通りに趣きある風情を与えています。


▼歴史
 聖歴200年代の初頭まで、この辺りは東部を流れていたミンキッシュ川の氾濫に、幾度も悩まされていた地域でした。この問題を解決したのが、後に至高女王とも呼ばれるエルザ姫(聖歴212〜271年)です。彼女は高名な学者らと協力して、マーム川、ミンキッシュ川、レスターファ川をエルザ運河によって繋げる一大工事を敢行し、エルザ=ロンドと呼ばれる大運河によって、北の港町とアイリストールを連絡させることに成功します。
 しかし、これによって1つだけ予期せぬ事態が生じてしまいます。それは運河が開通してから、市内ではあまり見ることがなかった霧が、頻繁に発生するようになったことです。このことから彼女は霧姫様と呼ばれるようになり、引退後に余生を過ごしたエルザ離宮の前が、霧姫通りと呼ばれることとなったのです。


▼分類
・種別

 観光地
 商業地
 住宅地(中上層〜中層)
・交通
 普通〜やや多い
・治安
 普通〜やや良い
・警察
 環外北警察署
 


○地域

▼古街通り
 古い時代のたたずまいを残した地域で、住宅街にはゆったりとした構えの民家が多く、商店街には老舗の専門店が軒を連ねています。エルザ公園に面する通りには、土産物屋、レストラン、喫茶店などが並んでおり、くつろいでいる観光客の姿が目につきます。
 
▼下宿街
 王立大学の近くの住宅地には、下宿やアパートが立ち並ぶ地域があります。下宿の多くは単身者向けで、まかない付きで安く借りられることもあって、貧乏な学生たちに人気があります。
 
▼書蔵通り
 王立大学のすぐ側にある知識人たちが住まう地域で、表通りには専門書を取り扱う書店や古本屋が並んでいます。


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施設・名所


○種類

▼公共
 エルザ公園エルザ離宮王立美術館エルザ女王記念館クイーン・メアリー記念大学王立薬草園


○エルザ公園

 女王エルザが晩年を過ごした離宮のある場所で、現在は改修されて公園として開放されています。有名な観光名所の1つであり、休みの日には美しい庭園や松林を散策する市民や、王立美術館に見物に訪れる人々で賑わいます。公園の南側の通りには感じのいいレストランや喫茶店が立ち並んでおり、のんびりと談笑している人々の姿が見られます。

・関連至高女王エルザ


▼エルザ離宮(メルヴィオン宮殿)
 かつてミンキッシュ川が流れていた土地を埋め立てて造ったエルザ離宮は、彼女が行った運河事業の象徴のような場所です。彼女はこの業績を何より誇りとしていたため、この場所で隠居後の余生の全てを過ごしております。
 宮殿の建物は古い時代のもので、これまでに幾度も補修工事が行なわれています。なお、正式にはメルヴィオン宮殿というのですが、現在はこちらの名で呼ぶ者は殆どおりません。
 
◇王立美術館
 宮殿の一部は王立美術館として改修されており、700エランで入場することが出来ます。ここに集められている絵画や彫刻の殆どは、女王エルザと同時代を過ごした国内の芸術家の手によるものです。広間として使われていた部屋には、この時代の衣装や装飾品を身に付けた蝋人形が並べられています。これは舞踏会の様子を再現したもので、当時の雰囲気を楽しむことが出来ます。
 
◇エルザ女王記念館
 エルザ離宮の一部を改修して設けた、女王エルザと都市改造事業の資料館です。展示されている古い時代の都市地図や工事計画資料は、歴史的にとても価値の高いものです。
 ホールの正面には、高名な画家「ディレーザ=ストレイン」による少女時代のエルザの肖像画が飾られています。この絵を見る限り、後に至高女王とまで呼ばれる彼女は、若い頃から凛とした気品を漂わせている女性であったようです。


▼エルザ公園
 離宮の庭園を改装した公園で、タイル広場、水廊庭園、パイン・コートの3区画に大きく分かれています。全体は外堀で覆われており、鳥たちが水面を優雅に泳いでいます。公園の周囲はボートで回ることも出来ます。
 
◇タイル広場
 王立大学に面するとても広々とした空間で、中央には乙女の像とそれを取り囲む噴水があります。その周囲には、芸術家であると同時に建築家としても名高い「カリオス=ペルシェニーリ」がデザインしたという、タイル貼りの美しいベンチが置かれており、人々がゆったりとくつろいでいる姿が見られます。
 
◇水廊庭園
 美しく刈り込まれた木々の間を湧水路が走る幾何学模様の庭園で、中央には趣のある睡蓮池が配されています。池の中央には水飲み場を備えた東屋が置かれており、庭園の風景をのんびりと眺めることが出来ます。
 
◇パイン・コート
 離宮の北にある美しく手入れされた松林で、緑の木々の間には水廊庭園から続く湧水路が流れています。松林の奥で語らう恋人たちの姿は、この庭園の名物といってもいいでしょう。
 
◇鳴き市
 広場の一角ではカナリアや鈴虫などの、美しい声で鳴く動物たちの露店市が開かれています。


○クイーン・メアリー記念大学(ロンデニア王立大学)

 エルザ公園に隣接する敷地にある、社会学・経済学を専門とした大学校です。新しい時代を担う優秀な企業家や経営者の育成を目的としており、神大学や国立大学とは傾向が異なります。
 この大学は聖歴755年に開校したもので、ちょうどその前年にメアリー女王が即位したことから、クイーン・メアリー記念大学と名付けられました。しかし、もともとはロンデニア王立大学という名称で創設する予定であったことから、王立大学と呼ぶ者も多いようです。
 その開校目的から商人や資本家の子弟が多く入学を希望しており、当初は市内に住む富裕層が通う学校と認識されておりました。しかし、やがて市外からの入学者も増え、奨学金制度も整ってきたことから、近隣の下宿街に住む貧乏学生たちも多くなっています。

・関連エルリック=ケストナー


○王立薬草園

 エルザ公園の北にある研究施設で、国内外から集められた有用植物の栽培や研究が行なわれています。裏手にあるガラス温室では、南方から持ち込まれた珍しい植物も栽培されており、ここでしか見ることが出来ない植物も置かれています。基本的に、施設内には一般人は立ち入ることは出来ませんが、前庭にあるハーブ園は自由に見学することが出来ます。


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人物・集団


○集団

▼智慧会
 クイーン・メアリー記念大学の教授陣を中心に結成された思想家集団です。政治・経済について論じる会合を定期的に開いており、真剣に議論を交わしています。会員たちの政治への提言をまとめた「知政論」は、国内外で評判を集めており、貴族制度を敷く国家の思想家に大きな影響を与えているようです。

・関連クイーン・メアリー記念大学


○人物

▼好色教授 エルリック=ケストナー
 種族:白人  性別:男  年齢:66  職業:大学教授
 居住:未亡人通り  出身:エストルーク

解説:王立大学で経済学を教えている、エルモア地方でも有数の頭脳の1人です。30年以上前に、ユノス支配時代のエストルークから移住してきたのですが、その当時から既に経済学の分野では名を知られておりました。その後、経済の専門家として政府や市の企画委員会に幾度となく参加し、国家に多大な貢献をしてきた彼ですが、1つだけ非常に困った悪癖があります。それは、美しい女性に会うと無言で隅々まで眺め回してしまうことで、時には何分もその場で静止したままでいる場合もあり、いつしか好色教授という不名誉なあだ名で呼ばれるようになりました。

限定情報:彼が女性を見てしまうのは趣味で婦人画を描いているためで、単に頭の中で作品のイメージを膨らませているだけです。しかし、彼は絶望的なほど芸術的センスがなく、何十年と絵を描き続けているにもかかわらず、他人に見せられるような作品が出来上がった試しがありません。そのため、彼の趣味について知っているのは、非常に親しい友人か住んでいる下宿の隣人くらいに限られ、今も誤解を受け続けたままでいるのです。

一言:「うーむ、何というか、もう少し首の角度をこう……」

・関連クイーン・メアリー記念大学


▼リチャード=バートランド
 種族:白人  性別:男  年齢:37  職業:機械開発者
 居住:書蔵通り  出身:アイリストール市

解説:機械開発者であり、幾つかの工業機械の特許を持っている優秀な人物です。もともと彼の家は財産家であり、さらに多額の特許料を得ている彼は、生活のために働く必要はありません。そのため、以前は大学で研究職に就いていたのですが、10年ほど前からは個人研究所を開設して、好きな研究に没頭しています。彼は周囲を全く気にかけない変わり者としても知られており、いつも白衣を身に着けたままふらりと外出し、空を見上げたままブツブツと何かを呟いたり、本を読みながら通りを歩いて誰かにぶつかるといった行動を繰り返しています。また、店先で気に入った本を見つけた時は、その場に座り込んで熱心に読みふけったり、勝手にページにペンで線を引いては店主に説教されています。

一言:「ふむふむ……ほうほう……これがこうなって……ふむっ!?」


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