北部地区
面影街

基本情報施設・名所人物・集団


 

基本情報


○解説

 マーブル街と霧姫通りの間にある街です。観光地として有名なエルザ公園に抜ける道があることと、運河沿いに市場が置かれているため、昼間は非常に人通りの多い場所となります。しかし、全体に古い建物が多い地域で、夜になると急に人通りが少なくなることもあり、どこか暗く物悲しい雰囲気を漂わせています。


▼由来
 この街がこのような名で呼ばれるのは、霧の中に懐かしい顔を見かけることがあるからだと言います。エルザ運河が出来てから、アイリストールは頻繁に霧で覆われるようになったのですが、ここは特に夜間に霧が多く出ます。それから幾度も、夜霧の中で死んだ人間に出会ったという話が聞かれるようになり、いつしかここは面影街と呼ばれるようになったのです。
 また、この一帯では霧の中以外にも、ふとした瞬間に視界の端に人影が見えたり、静かな場所で背中に誰かの気配を感じたり、日の当たらない空間にぼんやりと人の顔が浮かび上がる、といったことが頻繁に起こるようです。
 しかし、この街で起こる怪異を何より有名にしたのは、約60年ほど前に起こった「霧の幻想楽園」事件です。街の外の人にも面影街と呼ばれるようになったのも、このことが原因でした。


▼「霧の幻想楽園」事件
 「霧館(ミスティ・ハウス)」と呼ばれるアパートで、約60年ほど前に起こった事件です。このアパートの庭には井戸があるのですが、ある日ここから急に噴き出してきた霧が、辺り一面を覆ってしまいました。それだけならば大きな問題にはならなかったのですが、この霧は会いたいと強く願っている者の幻像を見せるもので、多くの人々がこの中だけで出会える想い人を求めて、霧の楽園へと入り浸るようになってしまったのです。そして、やがて霧が晴れても戻らない者も現れるようになり、人を攫う魔の霧として恐れられるようになりました。
 この霧は井戸に蓋をしても収まらず、今度は庭の地面から霧が立ちのぼるようになります。結局、市は庭を掘り起こして井戸そのものを大きな石で封じ、ようやく霧の出現を止めることに成功しました。現在もこの不思議な霧は、街の周辺や都市の別の場所で出現すると言われていますが、実際のところは定かではありません。ただ、この街で行方不明になる人は、きっと魔の霧が生み出した楽園の中で、今も愛する者と永遠の時を過しているのだと信じられています。


▼分類
・種別

 商業地
 住宅地(中上層〜中層)
・交通
 やや多い〜多い
・治安
 普通
・警察
 環外北警察署
 


○地域

▼幻想通り
 「ミスティ・ハウス」の前を南北に走る道のことで、かつて起こった「霧の幻想楽園」事件にちなんで名付けられました。
 
▼鞍掛通り
 エルザ運河に面した通りで、すぐ北には鉾先市場が置かれています。市場のある場所は過去に馬市が定期的に立っていた場所であることから、その名残りで現在もこのように呼ばれています。


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施設・名所


○種類

▼公共
 鉾先市場ハルトス聖教会

▼一般
 アパート「ミスティ・ハウス」


○鉾先市場

 敷地の形が鉾の先に似ていることから、このように呼ばれている市場です。もともとは小規模な馬市が開かれていた場所で、後の時代には馬車駅や倉庫が置かれるようになったのですが、エルザ・ポート付近にあった北市場の分散移転が行なわれ、この場所に露店市が立つことになりました。なお、2つに分かれた市場のもう1つは、アヤメ広場の隣にある三角市場となります。


○ハルトス聖教会

 聖カナタに生涯仕えたという、「聖者ハルトス」への祈りを捧げるために建てられた教会です。旧市街にあるものを除くと、アイリストールで3番目に大きい教会堂となります。ハルトスが身につけていた聖衣の切れ端が残されており、聖遺物として礼拝堂に飾られています。
 この教会は幅200mにもなる一枚岩の上に建てられており、墓地は建物から少し離れた敷地に用意されています。教会前の広場には、露出した岩の一部を利用してつくられた溜め池があり、水鳥や大きな鯉が泳いでいます。その中には200歳を超える鯉がいると伝えられており、長寿を願う人々が訪れる教会ともなっています。


○混合アパート「ミスティ・ハウス」

 幻想通りに建っている、緩やかに傾斜する大きな屋根を持つ4階建ての混合アパートです。ここには地域の名士、貧乏貴族、職人、大学生、女優と、様々な階層の人々が住んでいます。
 このアパートが有名になったのは、急に庭の井戸から吹き出してきた霧によって、「霧の幻想楽園」事件が引き起こされたためです。この怪奇事件から約60年ほどが経ちますが、周囲からは現在でも霧館(ミスティ・ハウス)の名前で呼ばれています。

・関連「霧の幻想楽園」事件


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人物・集団


○人物

▼クライブ=ハーベイ
 種族:白人  性別:男  年齢:29  職業:刑事
 居住:幻想通り  出身:アイリストール市

解説:環外北警察署の刑事で、非常に優れた洞察力を持っています。しかし、彼の筋道立った推理が、事件を解決に導くことは滅多にありません。それは彼が非常に優柔不断で、結論を出す直前で急に不安に襲われ、さんざん迷った挙げ句に勘と経験をまじえて結論を変更してしまうからです。その度に深く反省するのですが、やはり次の事件では迷いに負けてしまい、事件後に深く落ち込むといった日々を繰り返しています。

一言:「ああ、ボクは刑事に向いていないのだろうか……」

・関連環外北警察署


▼ファビアン=フェルド
 種族:白人  性別:男  年齢:44  職業:趣味人
 居住:面影街  出身:アイリストール市

解説:趣味人として悠々自適に暮らしている彼ですが、妻と娘を霧死人に殺されたという暗い過去を持ちます。そのため非常に信心深く、ハルトス正教会で祈りを捧げる姿をよく見かけられています。

限定情報:彼は錬金術師の1人でもありますが、変わり者揃いの錬金術界の中でも、ひときわ風変わりな人物として知られています。彼は熱心な聖母教会の信者であり、錬金術の知識や技術も神が与えたものだと信じているのです。また、心理の探求を目的とするのではなく、邪悪な霊や怪物の撲滅を目指して活動しており、それによって世の中の役に立とうと考えています。
 彼の屋敷には「バウル=キャリスタ」という名の、心霊秘学を専攻する錬金術師が同居しており、その人物に資金提供を行う代わりに、錬金術の秘術を教えて貰っています。現在は、霊体破壊光線を放出する心霊機械の開発に勤しんでおり、侵食を忘れて研究に没頭しているようです。そのために先史文明の遺跡から掘り出される機械を集めており、その関連で遺跡荒らしや冒険者が彼の屋敷を度々訪れることから、近所の人々には不審な目で見られています。

一言:「神よ、その御力をお貸し下さい。秘教の御業を用いて、必ずや平和な世界を……」


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