基本情報
○解説
大理石の敷石で舗装されているマーブル広場があることから、このように名付けられました。この大理石は聖歴720〜730年代に行なわれた都市大改造工事の際に、現在のマーブル広場がある敷地の下から発見されたものです。このうち、珍しい化石が含まれていたものは、国会議事堂のエントランスホールの壁に用いられ、その他の石は広場の造成に用いられました。
通りの南端はエルザ・ポートと呼ばれる船着き場に面しており、そのすぐ近くは観光客用のホテル街となっています。この近辺はポートを出入りする人々や物資を運ぶ馬車で、いつも非常に混雑しています。しかし、通りから離れた場所は住宅街や学校があるだけで、昼間でも交通量の少ない静かな地域となります。
▼分類
・種別:
商業地
住宅地(上層〜中層)
観光地
・交通:
多い
・治安:
やや良い
・警察:
環外北警察署
▼マーブル通り
穂波通りと凱旋門通りを繋ぐ大通りのことです。エルザ運河に近い場所は非常に交通量が多く、いつも馬車や通行人で混雑しています。
▼遊園通り
アニナス広場の西を走る通りで、アトラクションハウスやショッピングモールなどがあります。
▼落日通り
坂の上の方にある見晴らしの良い通りで、美しい夕景を一望することが出来ます。
▼偏屈通り
中層市民の住む静かな住宅街で、裏道の方はやや入り組んでいます。名前の由来は定かではありませんが、やたら頑固な老人などが多く住んでいることは事実のようです。
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施設・名所
○種類
▼公共
マーブル広場、環外北警察署、エルザ・ポート、アニナス広場、聖マーロス教会、市長公邸、アカデミーホール、私立レルフェン学園▼一般
ボルフォール遊戯場
○マーブル広場
この土地にはかつて古い民家やホテルが並んでおりましたが、聖歴720〜730年頃の都市大改造時代に、市民のための広場が造られることが決定しました。そして、老朽化した建物の解体工事が始められるのですが、大理石の岩塊が幾つも発見されたことで話題となりました。というのは、ここからは通常の大理石だけでなく、中に珍しい化石が含まれているものや、ナイフで切り取られたような綺麗な断面をしたテーブル岩、あるいはルビーや正長石結晶を含んだ大理石が、大量に掘り出されたためです。
この広場の敷石には掘り出された大理石が使われ、ここはマーブル広場と呼ばれるようになりました。なお、化石を含んだ大理石は、国会議事堂のエントランスホールの壁に用いられています。・関連:国会議事堂
○環外北警察署
エルザ運河の北側(埠頭街を除く)と環状道路の西側を担当する街区警察で、本部はマーブル広場のすぐ近くに置かれています。
・管轄:北地区(枯葉通り、夢見街、穂波通り、マーブル街、面影街、霧姫通りなど)
西地区(首吊り街、どぶ板通り、暗黒街、黒羽根通りなど)
・関連:クライブ=ハーベイ、ライソン=アルベック
▼管轄区域
◇北地区
市の北部は南部に比べて人口が少なく、全体的に犯罪の少ない地域となります。しかし、西の方へ進むに従って浮浪者が多くなり、枯葉通りの辺りともなるとお世辞にも治安が良いとはいえません。また、エルザ運河に近いことから霧が多く、霧死人などの不死者が出没することもあるので、夜間は特に警戒が必要です。このような事情から、市民は北地区を警備する警官たちのことをホワイト・ガードと呼んだりします。◇西地区
レスターファ川の西部にはギャングの支配する暗黒街があり、その周辺には犯罪者や浮浪者が数多く住んでいます。そのため、一帯は非常に治安が悪く、市内で最も危険な場所といえます。
この地域を担当する警官たちの中にはギャングと癒着している者も多く、一般市民はもとより警察内でもあまり信用されておりません。こういった事情から、治安状況が改善される様子は一向に見られず、他の所轄に比べて迷宮入りする事件の数も桁違いとなります。なお、裏社会と繋がりのある悪徳警官たちは、ブラック・ガード(黒警官、闇刑事など)と呼ばれて揶揄されているようです。とはいえ、ギャングたちの影響力は非常に大きく、うかつに踏み込んだ捜査をすると命を狙われかねないため、この署に配属された職員にはむしろ同情するべきなのかもしれません。
○エルザ・ポート(北の船着き場)
エルザ運河の船着き場の1つで、リンウィード橋の北の出口付近にあります。旧市街や北の町とを行き来する定期船が舳先を並べており、交通手段として頻繁に利用されています。人々の乗降が非常に多いポートで、いつも旧市街とを行き来する人や観光客でごった返しています。
もともと、この周辺には大きな市場もあったのですが、人口が増加するにつれて周辺の混雑に限界が生じ、2カ所に分散移転されました。このうちの1つは神聖地区の三角市場で、もう1つはハルトス聖教会の南にある鉾先市場となります。移転後の跡地は民間会社に売却され、現在はホテルが立ち並んでいます。
○アニナス広場
傾斜地につくられた広場で、テラスのように張り出した展望台を持つ上広場と、遊園地のある下広場に分かれています。上広場は聖母教会の土地で、敷地内には聖マーロス教会が建てられています。
ここは別名を階段広場といい、上下の広場を繋ぐ大きな階段が広場の真ん中につくられています。階段は彩り鮮やかなタイルで装飾されており、1つ1つに細密な絵が描かれています。階段の壁面には色タイルによる大きなモザイク画があり、右手には聖母アリア、左手には聖カナタの肖像が描かれています。このタイルは街の北にある煉瓦街の職人の手によるもので、芸術家から聖職者へと転身した「アニナス=カールティ」の指揮によって、これらのタイル芸術が作製されました。
▼聖マーロス教会
聖カナタに仕えた戦士たちを祀る教会で、別名をアヤメの騎士教会といいます。「聖マーロス」はアヤメの騎士を束ねていた人物であり、カナタの側近として生涯カナタに付き従いました。このような経緯を持つ教会であることから、ここにはロニエル地方の教区守護会が置かれています。この地方にいる神官戦士や施療師はここから派遣され、各教区を守る任務につきます。
この教会は、天恵を受けて聖職者へ転身した芸術家、「アニナス=カールティ」が務めていたことでも有名です。彼が聖職者となったのは50歳近くになってからのことで、晩年に広場の階段の製作指揮を務めました。
・関連:春節祭/アヤメの騎士祭、ルビオン=ヴァレリー
▼ボルフォール遊戯場
下広場はかつてボルフォール伯爵の私有地だった場所です。彼は若い頃に1人息子を亡くしており、妻の死後はずっと孤独感に悩まされておりました。そのため、ここを賑やかで人々の笑顔が溢れる場所にしたいと考え、敷地内の建物を全て取り壊して、聖歴755年に遊戯場をオープンしたのです。
広場の北奥には、メリーゴーラウンドやローラーコースターなどの遊具が置かれています。最近つくられた小型の観覧車は特に人気で、都市の景観を一望することが出来ます。また、屋外劇場では童話をもとにした芝居が行なわれますし、サーカス小屋には有名なサーカス団が訪れ、アクロバティックな演技で人々を楽しませてくれます。また、広場に面する遊園通りには鏡の迷路館、ショッピングモール、レストランなども置かれており、静かな地域の多い都市の北部では珍しく、この近辺は非常に賑やかな地域となります。・関連:アルル=ローリア
○市長公邸
アイリストール市長のために用意された公邸です。もともと、凱旋門通りにある現在の中央郵便局の建物が、市庁舎として使われていたため、この場所が敷地に選ばれました。しかし、聖歴727年に市庁舎の移転が行なわれたことから、現在は行き来が非常に不便になっており、蔦通りの方に公邸を移す計画があります。
・関連:ヴィンセント=コール
○アカデミーホール
幾つかの学術機関が共用している建物で、もともとはホテルとして利用されておりました。白亜の壁にエンジ色で縁取られた鮮やかな窓、そしてエントランスホールの天蓋に彫刻された空を舞う天使など、市内でも有数の美しい建築物として知られています。
ここにはロンデニア王立アカデミー、国立美術局、王立医学会などの本部が収容されており、建物の中には事務室や会議室がずらりと並んでいます。建物の1階部分には、これまでの王立アカデミーの業績をまとめた展示室や、市民図書館やレストランといった施設があり、一般の人々も利用することが出来ます。2階には新聞などが置いてあるラウンジがありますが、ここは知識人たちのサロンとしても機能しています。
○私立レルフェン学園
設定フリーの学園です。詳細については各GMが自由に決めて下さい。
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人物・集団
▼市長 ヴィンセント=コール
種族:白人 性別:男 年齢:54 職業:市長
居住:マーブル街/市長公邸 出身:アイリストール市解説:2期連続でアイリストール市長を勤めている人物です。汚職のはびこるこの都市の長でありながら、彼につきまとう黒い噂は少ないのは、余計なことは決してしないということを、政治家として生き延びるための方針としているからです。その点においては市民の支持をおおむね得ているようで、これといって特別な業績がないにもかかわらず、おそらく次の選挙でも彼が当選するだろうと予想されています。
限定情報:ヴィンセントが現在の地位を安泰としているのは、表に見えている理由だけではありません。彼が得意とするのは根回し工作で、事前交渉と綿密な相談を繰り返すことで、様々な難題をうまく調整して失敗を回避しているのです。そのために徹底して行なうのは接待や賄賂の類いではなく、詳細に渡る調査によって相手の弱味を探ることであり、少しずつ相手を切りくずして自分の優位性を確保するのです。そのため、市長の本当の姿を知る者は、「笑顔の脅迫者」「覗き見市長」「裏口訪問者」などと呼んでいます。
一言:「いやいや、無理を言ってしまって非常に申し訳ない」
・関連:アイリストール市庁舎、市長公邸
▼アルル=ローリア
種族:白人 性別:女 年齢:19 職業:大道芸人
居住:穂波通り 出身:アイリストール市近郊解説:アニナス広場で大道芸を披露している女性です。彼女は一流のパントマイマーであり、独特の表現で観客の笑いを誘うサイレント劇は、新聞に取り上げられるほど評判となっています。最近では幾つかの劇場から舞台への誘いも来ているのですが、今のところ引き受ける気はないようです。その理由は彼女がこの道を志した理由に関係します。彼女は先天的に言葉を話すことが出来ず、術法で治療しても治ることはありませんでした。望みが断たれたアルルは非常に落ち込み、その後はしばらく寝込んでいたのですが、実家の近くの教会に勤めていた神官が、何度も家を訪れて手品やパントマイムを見せるうちに、元気を取り戻すようになったのです。農場を経営する裕福な家庭に育った彼女ですが、自分の将来を考えるようになった時にまっ先に考えたのが、子供たちを喜ばせるような仕事に就くことでした。そして、神官に習って少しずつ覚えたパントマイムで身を立てる決心をするのです。現在の生活は決して裕福とはいえませんが、子供たちの笑顔という報酬を貰っていることが、彼女にとって何よりの幸せなのです。そのため、劇場の舞台に立つことはせず、これからも子供たちと直に接することが出来る大道芸で頑張ってゆこうと考えています。
限定情報:彼女に誘いをかけている劇場のうちの2つは、彼女の両親が知り合いを通じて頼み込んだものです。経済的に不自由なく育った彼女ですから、大道芸人になることは家族に大反対されたのですが、家出同然の形で飛び出して来て、こっそり働いて溜めたお金で1人暮らしをはじめてしまいました。そのため、彼女を心配する家族は、ちょくちょく広場を訪れて影から様子を覗いたり、知り合いを通じて遠回しに援助を行なったりしていたのです。しかし、舞台の話は彼女の評判が高まってからのものであり、頼まれた劇場の方でもその実力は高く評価しています。
一言:「…………」
・関連:アニナス広場
▼白アヤメの騎士 ルビオン=ヴァレリー
種族:白人 性別:男 年齢:46 職業:神官戦士
居住:マーブル街/聖マーロス教会 出身:ブロンバート市解説:聖マーロス教会に所属する、神官戦士団の団長です。勤勉実直な彼は、自らの信仰に従って日々鍛練を積み重ねてきました。若き日の武勇伝は数知れず、命を落としかけたことも数えきれないほどだといいます。ロンデニア随一の剣の達人として、人々の平和のために戦ってきた彼ですが、団長となった今では現場に出ることは殆どなく、机仕事や若い神官戦士たちの指導が主な職務となっています。
彼が取り仕切る稽古は、研鑽を積んできた神官戦士たちにとっても厳しいものですが、そのことで愚痴を言ったり弱音を吐く者はおりません。それはヴァレリーがとても部下思いで、自分たちが戦いで命を落とすことのないよう、あえて厳しくしていることを知っているからです。また、生きた伝説として知られる男の剣技を、間近で見られることを楽しみにしている者も多く、稽古をつけてもらうために他の教会から出向いてくる聖職者もいるようです。一言:「今はただ、我々の出番にならないことを祈るだけですな……」
・関連:アニナス広場
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