基本情報
○解説
北に向かって傾斜している通りで、表通りでもそれほど道幅はありません。裏通りは寂れた印象の場所が多く、どぶ板通りに近づくほど暗く寂しい印象になってゆきます。
全体的に見れば中層市民が住む街となりますが、南から北へ進むにつれて所得の低い層へと移ってゆきます。通りの北の端へゆくと、刺繍工場やタバコ工場などが立ち並ぶ地域となり、周辺には貧しい人々が住むアパートが多くなります。
▼由来
枯葉通りという名は、文字通り秋になると地面に枯葉が積もることから名付けられたものです。しかし、これは街路樹がたくさん植えてあるからではなく、通りに北風が吹くと坂の上の方から大量の枯葉が運ばれて来るためです。そのため、秋になると濡れた枯葉に足を取られて転ぶ人が増え、老人が骨折したりすることもあります。
▼分類
・種別:
住宅地(中層〜中下層)
商業地
歓楽街
工業地
・交通:
普通
・治安:
普通〜やや悪い
・警察:
環外北警察署
○地域
▼表通り
ゆるやかに北へ登ってゆく坂道で、秋には枯葉の通り道となります。全体にあまり背の高くない民家や小店が隙間なく並んでおり、上に進むほどみすぼらしい景色になってゆきます。
▼裏通り
狭い路地が網の目のように巡っており、薄汚れた感じの小さな建物が目立ちます。
▼常闇通り
エルザ・ロンドのすぐ近くにある通りで、わりと小さめの店鋪が並んでいます。ここはかつて大きな歓楽街でしたが、現在ではだいぶ規模が縮小しています。
▼ささやき通り
枯葉通りとエルザ・ロンドの間にある地域のことです。この近辺では、夜に背後から囁き声が聞こえてきたり、霧の中で奇妙な炎を見たりするなど、不思議な現象が多発しています。そのため、夜になると人通りがだいぶ少なくなり、一帯はひっそりと静まりかえっています。
▼縫糸街
坂を登った辺りにある一帯は、古くから縫製業が盛んに行なわれていました。現在ではウェッジ工業地帯の方に移転した工場が多く、だいぶ規模が小さくなっていますが、昔からの刺繍工房などがまだ残っています。
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施設・名所
○種類
▼公共
国立工業学校▼一般
アスカリス探偵事務所、酒場「黒子山羊亭」、模型喫茶店「逆さ砦」
○国立工業学校
技師や機関士を育成するための専門学校で、毎年優秀な技術者を輩出しています。この学校には初等学校の卒業者を対象とした3年制の下級クラスと、中等学校の卒業者を対象とした3年制の上級クラスがあります。
○アスカリス探偵事務所
通りの中頃にある小さな探偵社で、1階に事務所が置かれています。ここは住居を兼ねており、2階の住居用スペースで、所長のアスカリスと助手のリルカが一緒に暮らしています。
赤く塗られた建物の壁はくすんで黒ずんでおり、実にみすぼらしい印象を与えます。その外観に相応しく、仕事を選べるような経済状態にはないため、基本的にどのような仕事でも請け負いますが、これまで多く関わっているのは犯罪絡みの事件となります。
○酒場「黒子山羊亭」
坂のだいぶ上の方にある小さな酒場で、半地下となった場所に隠れるように入り口が置かれています。隠者の店という呼び名もあり、地域の住人以外には殆ど存在を知られておりません。
この店の歴史は古く、開店は250年ほど前の共和政権時代にまで遡ります。この頃、付近には独裁者「ゼローニア=ローレンス」に反抗する思想家たちが住んでおり、彼らはこの店で参政権のない無産市民を啓蒙して、大きな革命勢力へと育て上げていったのです。やがて、急進派と呼ばれるようになるこの団体は、富裕農民たちと手を結んでローレンス派に対抗し、議会を通じて無血のうちに政権を手にすることに成功します。その苦難の日々と栄光の歴史を現在まで語り継いでいるのがこの店であり、ホールの壁には思想家たちの直筆の手紙などが、額に入れて飾られたりしています。
しかし、現在は隠れ家的な雰囲気を味わう庶民の店となっており、客たちの口から知的で高尚な文言が出て来ることはなく、とめどのない愚痴が垂れ流されるばかりです。店に置かれている新聞も客層に合わせたイエローペーパーとなり、政治記事に目を通すのは少数派となっています。
○模型喫茶店「逆さ砦」
模型の販売所を兼ねた喫茶店で、店長の「ディレル=ギャレット」が趣味で造った模型を、人々に見せびらかしたいがために開いたものです。そのため、店内の展示スペースには庭園模型や鉄道模型などが、所狭しと並べられています。
2つの小さな建物を改装して無理やり1軒にしたため、建物は非常に奇妙な構造をしています。右半分は通常の家屋なのですが、左側は中2階や半地下があるため、ちょうど半階ずつ縦にずれた状態になっています。しかし、この構造をうまく活かして喫茶スペースと模型販売所を区切り、階段付近に出来た空間を展示スペースにしているため、悪いことばかりではないようです。
この店で最も有名な展示物は、天井に逆さに取り付けられたパノラマ模型です。これはローズデン丘陵にあるリオー砦を中心に、ヴォーデンの町の美しい田園風景を再現した店長自慢の逸品でしたが、あまりに大き過ぎて店に展示スペースを設けることが出来ませんでした。しかし、どうしてもこれを諦めきれなかった彼は、ついに天井にこれを張り付けるという妙案(?)を思い付いたのです。結果的に、このアイディアは客に好評で、店の名前も「逆さ砦」と改められるほどの名物となったのですが、長く見つめていると首が痛いという不評の声もあるようです。
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人物・集団
▼アスカリス
種族:黄人 性別:男 年齢:25 職業:私立探偵
居住:枯葉通り 出身:アイリストール市解説:私立探偵を名乗っていますが、仕事の内容は個人からの依頼よりも、警察の賞金首を捕まえる方が多いです。無口で滅多に笑わず、いつも醒めた目で周りを見回しています。あまり手段を選ばない性格で、犯罪者に対しては非情な態度で対応します。街角に事務所兼住居としている建物があり、そこにリルカという少女と2人で住んでいます。
一言:「悪魔と呼ぶのはやめてくれ」
・関連:アスカリス探偵事務所
▼リルカ
種族:白人 性別:女 年齢:11 職業:探偵助手(経理)
居住:枯葉通り 出身:不明(どぶ板通り)解説:昔はどぶ板通りのストリートチルドレンの1人でしたが、ある事件をきっかけにアスカリスに拾われて、一緒に生活をすることになりました。記憶力がよく、育ちのわりにはいろいろな知識を持っています。探偵事務所の経理をやっていますが、本人としては助手のつもりで、勝手に事件に首を突っ込むこともあります。アスカリスによく似て、無表情でいつも冷めた口調で話します。
限定情報:実は彼女は人間ではなく、自動人形の一種です。しかし、過去のことは一切覚えておらず、肉体も普通に成長するため、本人も含めて誰もそのことを知りません。
一言:「何かに属することで安心を得る大人たち……私、そんなの嫌いです……なんてね」
・関連:アスカリス探偵事務所
▼ソニア&タニア&イニア
種族:白人 性別:女 年齢:72 職業:無職
居住:枯葉通り 出身:アイリストール市解説:とても珍しい三つ子のおばあさんで、茶目っ気たっぷりの愛すべき人物たちです。この歳になってまだ悪戯好きで、よく観光客を騙して遊んでいます。騒ぎには必ず首を突っ込みたがり、よく事件を引っかき回しています。そのため、付近の警察官や探偵、それに冒険者らの中で、彼女たちの存在を知らない者は殆どいないでしょう。
一言:「ひょっひょっひょっ……」
▼犯罪警察官 ライソン=アルベック
種族:白人 性別:男 年齢:25 職業:警察官
居住:ささやき通り 出身:アイリストール市限定情報:警察官という地位にありながら、ギャングと付き合いがある人物で、賄賂を受け取って犯罪行為を見逃しています。また、国家権力をかさに着て、街のチンピラたちから金を巻き上げたりもします。しかし、彼がこのように金に執着するのには理由があります。彼には大勢の家族がいるのですが、ここ数年は母親が体調を悪くしており、彼が一家を支えなければならないのです。彼のことを嫌な人間だと思う者は少なくありませんが、家に帰れば弟や妹たちに優しい親孝行な息子であり、外での姿が想像できないほど穏やかに暮らしています。
一言:「金がなけりゃ、食えねえだろうが……」
・関連:環外北警察署
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