基本情報
○解説
アイリストールの北へ2kmほど行ったところにある、郊外別荘地や保養地として知られている町です。閑静なたたずまいの緑豊かな町並みで、周囲は美しい田園風景に囲まれています。都会の喧噪から逃れて来た人々や、引退後の余生を静かな土地で送ろうとする者、あるいは景色に魅せられた芸術家たちが多く住んでいます。
市とこの町の間にはローズデン丘陵があり、町は全体になだらかに北東の方向へと下っています。丘陵地には荒鷲の森が広がっており、この一帯はかつて王族の狩猟場として使われていました。丘の頂上付近には古い砦跡が残されており、北部にあるパトリューク遺跡とともに観光名所の1つとなっています。
▼分類
・種別:
住宅地(高級〜中層)
保養地
観光地
・交通:
普通〜やや少ない
・治安:
やや良い〜良い
・警察:
ヴォーデン地域警察署
○その他
▼馬
ヴォーデンは馬と関連が深い町で、湖のすぐ傍にはヴァルレイ競馬場が置かれておりますし、東の郊外にある幾つかの牧場では競走馬が生産されています。また、定期的に馬市が開かれることでも知られており、大勢の人が買い付けに訪れます。
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施設・名所
○種類
▼公共
ローズデン丘陵、リオー砦、ヴォーデン湖畔公園、ヴォーデン湖、ローズデン湧水池、陸軍軍属療養院
○ローズデン丘陵
高さ200mほどの小高い丘で、斜面全体は荒鷲の森と呼ばれる広葉樹林で覆われています。傾斜はなだらかですが、ところどころを急な渓谷で分断されており、その間には小さな川が流れています。
この丘陵を覆う木々は、かつては北のパトリューク遺跡まで続いていたのですが、農地の開墾や燃料・建築資材の確保のために木材の伐採が頻繁に行なわれ、現在はこの一帯にわずかに残るばかりとなりました。そのため、豊富だった狩りの獲物も減少し、現在は狩猟場として用いられることはありません。
▼リオー砦
ローズデン丘陵の頂上付近には、かつてフィアン王国(旧ソファイア)が建設したリオー要塞が放置されています。現在は廃虚となっておりますが、この近郊にピクニックに訪れた人が見学してゆくため、管理している国の方で定期的に見回りや清掃を行なっています。
○ヴォーデン湖畔公園
マーム川の調整湖とローズデン湧水池の周囲に造られた公園で、かつては王家の別荘の庭園だった場所を拡張して、一般市民にも開放したものです。王家の庭園は今も残されており、綺麗に刈り込まれた迷路庭園や、季節の花々が咲き乱れるフラワーガーデンなどがあります。
▼ヴォーデン湖
もともとこの場所には貯水池があったのですが、エルザ運河の建設時にマーム川の調整湖として拡張されました。紳士淑女たちの愛好する湖畔の散歩道には、春から夏にかけて美しい花々が咲きみだれ、人々の目を楽しませてくれます。秋から冬にかけては多くの渡り鳥たちが訪れ、湖で羽根を休めている姿が見られます。
▼ローズデン湧水池
丘陵地の湧水を人工的に引いて来た水は、町に入る手前で簡易水道と湧水池に分かれます。湧水池はヴォーデン湖よりも少し高い位置にあり、小さな滝となって湖へと注がれます。
○ヴァルレイ競馬場
ヴォーデン湖のすぐ傍にある小規模な競馬場ですが、賞金の高いレースが定期的に行なわれています。上流社会の人々が集まる場所で、この町の社交場の1つとしても機能しています。
▼貴賓館
ヴォーデン湖畔にあるかつての王族の別荘で、比較的小さな邸宅です。現在ここは、王立馬術協会が管理しており、すぐ傍に置かれているヴァルレイ競馬場でレースが行なわれる際には、貴賓たちの集まるパーティ会場としても利用されます。
▼王立乗馬学校
馬に関する総合的な専門教育機関で、騎手や調教師などを育てるだけでなく、競走馬、障害馬、軍馬、あるいは演技馬などの育成も行なっています。過去には貴族の子弟がここで馬術を学び、戦場での馬の扱い方を身につけました。ここでは古典馬術の継承や新たな演目の創作も行なわれており、式典に呼ばれて馬術演技を披露することもあります。
○陸軍軍属療養院
老傷兵の収容施設として建てられたもので、現在は身寄りのない退役軍人が500名ほど生活しています。まだ動ける年金受給者は、ボランティアとして各種の儀式に参加したり、リオー砦を含むローズデン丘陵地の管理を行なったりします。
・関連:ヴォーデン老兵警備隊
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人物・集団
▼ヴォーデン老兵警備隊
ヴォーデンの陸軍の療養院に住む、退役軍人たちによって結成されている警備隊です。ボランティアとして、リオー砦を含むローズデン丘陵地の管理を行なったり、消防活動などを手伝ったりしています。・関連:陸軍軍属療養院
▼レニオル=レドナップ
種族:白人 性別:男 年齢:57 職業:牧場主
居住:ヴォーデン 出身:アイリストール市解説:郊外に牧場を持つ牧場主で、競馬界の重鎮でもある人物です。馬に大変な情熱を注いでおり、高い地位を築き上げた現在でも、自ら馬の様子を見て回っています。また、生産者としてだけでなく、経営者としても卓越した手腕の持ち主であり、一代で莫大な富を得るに至っています。そんな彼の悩みは、優秀な経営者ではありますが金だけに執心する息子ロイスのことです。将来的に彼に牧場を譲り渡すことになるのですが、それまでに馬を愛するようになって欲しいと願っています。
一言:「うむ、この馬は必ず大成する!」
▼ルビアーノ=ドナティ
種族:白人 性別:男 年齢:36 職業:趣味人
居住:ヴォーデン 出身:ハノーヴ市解説:サディスティックな嗜好を持つ男爵で、その特異な性癖は社交界でも知れ渡っています。現在は、ヴォーデンの郊外にある「哭鳴館」という別荘で暮らしており、娼婦などを大勢集めて、同好の士と享楽に満ちた生活を送っているようです。
限定情報:家の圧力で表向きは揉み消されていますが、これまで彼は幾つもの暴力事件を起こしています。初等学校でナイフを振り回した事件からはじまり、気に入らない飼い犬や野鳥を撃ち殺したり、同級生を川に突き落として殺しかけるなど、数え上げればきりがないほどです。その後も殺人までは至らないものの、家のメイドに理由もなく暴力を振るうといったことは当たり前で、両親は療養施設に閉じ込めることを計画しておりました。しかし、そのことを事前に察知した彼は、両親を毒殺して家の実権を手に入れます。そして、彼を止める者がいなくなった後は、犯罪の痕跡を隠しやすい大都市アイリストールに移り住み、思うままに生活をしているのです。
彼の別荘を訪れる親しい友人たちも、ルビアーノと大差ない精神のタガが外れたような人物ばかりです。彼らは地下室につくった部屋で、うまく丸め込んで連れて来た娼婦や街娘たちを相手に、嗜虐に満ちた性生活を送っています。最近、その行動は常軌を逸するようになっており、攫ってきた娘を麻薬漬けにして廃人にしたり、集めた拷問道具で人間を傷つけて喜ぶようになっています。檻に入れたまま放置されて死を迎えた娘たちや、飽きたという理由だけで殺された者もおりますが、その死体は館の地下から繋がる洞窟に捨てられているため、周囲の者は誰も犯行に気づいておりません。一言:「ふははは……やがてそれも快楽になる。すぐに痛みが懐かしくなるようにしてやろう」
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