基本情報
新興住宅地(フォーダー地区)とウェッジ工業地帯の間は、主に下層労働者が住む地域となります。この周辺は正式にはミルトン地区といいますが、一般には南部貧民街と呼ばれることが多いようです。
○解説
この地域は市唯一の貨客鉄道の線路によって、労働者階級の人々が住む北の労務者地区と、浮浪階級の者が住む南の屑山地区の2つに大きく分けることが出来ます。
労務者地区に住む者の半分は工場労働者であり、その多くはミンキッシュ川東部にある工業地帯で働いています。南半分の屑山地区は浮浪者と殆どかわらない生活をしている者か、犯罪者やそれに類する人間たちが住み着いている場所であり、極めて治安の悪い地域となります。
いずれにせよ、この一帯は貧困にあえぐ階層の者たちが住む地域であり、住民の殆どは日々を生きるだけで精一杯という暮らしをしています。また、工業地帯が近くにある上、地区の真ん中を蒸気機関車が横切ることから、煤煙が空一面を覆って太陽が見えなくなる時さえあります。このため街は全体にひどく薄暗い印象を受けますし、これがもとで健康を損なう者も少なくはありません。
▼分類
・種別:
主に住宅地(中下層〜最下層)
・交通:
やや多い〜多い
・治安:
悪い〜やや悪い
・警察:
南部警察署
▼伏魔街
屑山地区の中ほどにある、「貧者の黒い手」と呼ばれる裏組合が支配している地域です。かつての建物の瓦礫の間に、誰かが勝手に建てた掘建て小屋やバラック長家、あるいはボロ布でつくったテントなどが所狭しと並んでおり、非常に雑然とした一画です。
▼塵通り
塵芥処理場のある通りで、ゴミ漁りのために集まった人々が周辺に住み着き、迷路のようなバラック街を形成しています。裏道はとても入り組んでおり、住民でなければ迷わずに歩くことは出来ないでしょう。
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施設・名所
○種類
○ミルトン救貧院
屑山地区に置かれている民間主催の救貧院で、貧民たちに仕事の斡旋、職業訓練、寝床・食料の提供などを行なっています。地域の住民たちには非常に頼りにされていますが、その内状は非常に苦しく、いつ立ち行かなくなってもおかしくない状態にあります。
▼限定情報
この救貧院を主催しているのは、実は裏組合の「貧者の黒い手」です。彼らは仕事のない貧民や都市浮浪児などに窃盗を行なわせ、そのかわりに食料や寝床を提供しています。・関連:貧者の黒い手(黒手組)、黒い指先、グレアム=ロッシュ、ジェフリー=レディング、デリル=ロッシュ、バリー=フォガット
○無名墓地公園
貧しい人々のために設けられた市の共同墓地ですが、実際には引き取り手のない死体の廃棄場です。同じ場所に死体を重ねて埋めたり、業者が手を抜いて浅い穴しか掘らなかったりするため、雨が降ると腐敗死体や骨の欠片が地面から見えたりします。そのため、陰鬱な雰囲気の不衛生な場所として、人々に嫌われている場所となります。
○マシューズ薬草病院
正式な病院ではなく、薬師の「イーラ=マシューズ」が開いている、薬草治療を主とする施療院です。彼女は貧者救済のために尽力している人物で、弟子の「ユージェニー」と共に忙しく働いています。
夜間でも快く対応してくれますし、診療費を催促することもないため、周辺の住民からは多大な尊敬を集めています。ただし、あくまでも民間療法による治療であるため、ちょっとした傷を縫う程度ならば問題ありませんが、手術などの大掛かりな外科治療を行なうことは出来ません。そのことで助けられない患者も多くおり、彼女らが悔しい思いをすることも少なくありません。
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人物・集団
▼貧者の黒い手
南部貧民街の軽犯罪者たちをまとめている新興の組織で、黒手組とも呼ばれています。表向きは民間主催の救貧院を装い、仕事のない貧民や都市浮浪児などに窃盗を行なわせ、そのかわりに食料や寝床を提供しています。盗品は組織が経営する別の街の古物店や、闇市で売り捌いています。・仕事:窃盗、故買屋、用心棒など
・本部:南部貧民街
・地域:南部一帯
・関連:ミルトン救貧院、黒い指先、グレアム=ロッシュ、ジェフリー=レディング、デリル=ロッシュ、バリー=フォガット
▼ダービィ一家
数年前から南部貧民街の外れに隠れ住むようになったダービィ兄弟が組織するギャングで、もともとは強盗団として活動しておりました。彼らは極めて粗暴な人間たちで、人殺しでさえ何とも思っておりません。現在はそれほど大きな組織ではありませんが、近郊で活動する裏組合「貧者の黒い手」を乗っ取って、組織を拡大しようと目論んでいます。・本部:南部貧民街
・地域:南部貧民街、新興住宅地、移民街
・関連:貧者の黒い手、ワイルド・デビル
▼ペロー組
南部貧民街を中心に活動している乞食組合で、新興住宅地で物乞いをすることが多いようです。非常に新しく出来た組合で、乞食同士で争いが起こらないよう調停しているだけの、非常に緩い繋がりしかありません。・関連:裏組合の「貧者の黒い手」と付き合いがあります。
▼黒い指先
裏組合「貧者の黒い手」の下で働いている都市浮浪児の集団で、小額の盗みや情報の仲介を行なって稼いでいます。地域を巡回して、何か問題が起こった時に組合員に知らせる役割も担っているようです。・関連:貧者の黒い手
▼路地裏ナーグ(小鬼団)
裏組合とは別に犯罪組織を結成している浮浪児集団で、新興住宅地や移民街、あるいは工場地帯の方に出向いて、窃盗、恐喝、追い剥ぎなどを行なっています。裏組合「貧者の黒い手」はその強引で無謀な犯罪を、どうにかしてやめさせようとしていますが、どうも小さな集団がバラバラに動いているようで、その活動実態を把握しきれておりません。背後に別の組織がいるという噂もありますが、現在のところはそれも定かではないようです。・関連:貧者の黒い手
▼ワイルド・デビル
ギャングの「ダービィ一家」に協力している悪童集団で、恐喝や追い剥ぎといった手段で稼ぎを得ています。暴力的手段による勢力の拡大を行なっており、裏組合の「貧者の黒い手」とも敵対しています。・関連:ダービィ一家
▼ビター・ハーフ
周囲からはみ出した浮浪児たちがつくったチームで、親を失った移民の子供や黒人のメンバーなどが多くいます。周囲からは差別的な扱いを受けているようですが、裏組合の助けもあってどうにか生活しています。
▼グレアム=ロッシュ
種族:白人 性別:男 年齢:42 職業:裏組合/組合長
居住:南部貧民街/伏魔街 出身:アイリストール市解説:魔窟の王と呼ばれる男で、裏組合「貧者の黒い手」をまとめています。もともとは何でも屋で生計を立てていたのですが、彼は非常に男気あふれる人物で、困っている人たちを助けているうちに、いつの間にか地域の中心人物として様々な役割を果たすようになりました。それから次々と浮浪者や軽犯罪者たちが地域に移って来るようになり、さらに周囲からは治安を守る役目も求められるようになります。こうして、貧困者を救いつつ地域の安全を維持するため、最終的に彼は裏組合のような組織を立ち上げざるを得なくなり、現在の地位に落ち着いてしまいました。彼自身は望まない活動を強いられている状態にありますが、ギリギリの立場にある住民を救うためには、仕方が無いことだと割り切って考えています。
一言:「いや、お前さんの言い分もわかるがな、こう考えてみちゃどうだろう?」
・関連:ミルトン救貧院、貧者の黒い手、ジェフリー=レディング、デリル=ロッシュ、バリー=フォガット
▼ジェフリー=レディング
種族:白人 性別:男 年齢:44 職業:裏組合/幹部
居住:南部貧民街/伏魔街 出身:アイリストール市解説:人のいいグレアムをそそのかして裏組合を立ち上げさせた小悪党で、自分はうまく立ち回って旨い汁だけ吸おうと考えていました。しかし、仕事を手伝っているうちにグレアムやその仲間たちに感化され、今の生活も悪くないと考えるようになっています。組織の中では窃盗グループを束ねる立場にあり、いつも忙しく働いています。
一言:「へへへ、ちょろいもんだぜ」
▼デリル=ロッシュ
種族:白人 性別:男 年齢:38 職業:交渉人
居住:レントン氏通り 出身:アイリストール市解説:グレアムの実弟であり、暇のある時に救貧院の仕事を手伝っています。本業は交渉人であり、美術品売買などの仲介を行なっています。彼自身は裏組合の活動に反対する立場を取っており、裏の仕事には一切加担しておりません。しかし、兄の頼みを断りきれず、知り合いなどを通じて救貧院でも出来る仕事を探し、貧民たちに働く場を提供しています。
一言:「残念ながら、その条件を受け入れることは出来ませんね」
▼バリー=フォガット
種族:白人 性別:男 年齢:41 職業:何でも屋
居住:奇譚街 出身:アイリストール市解説:グレアムが何でも屋をしていた時からの仲間で、現在も貧民救済の活動を手助けしています。といっても、裏組合の仕事を手伝うわけではなく、貧民街の若者に何でも屋の仕事を教え込み、一人立ちできるようになるまでのサポートをしているのです。育ちの悪い弟子たちは何かと問題を起こしがちで、その始末におわれることも多いのですが、彼はそういったことも愉しみの1つにしているようです。
一言:「まあ、そういうこともあらぁな(苦笑)」
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