環状道路
白鞘街

基本情報施設・名所人物・集団


 

基本情報


○解説

 現在のアイリストールでも最上級のブルジョワ地区であり、ここに住むこと自体がステータスとなります。旧来の貴族はもちろんのこと、付近には大臣の公邸などがありますし、高級官僚たちも数多く住んでいます。
 古くから高級住宅街として栄えた街であることから、この一帯には古典的で荘重な外観の邸宅が多く見られ、環状道路内には珍しく大きな庭園付きの建物も存在します。その名に合わせるように周辺では白壁の屋敷が目につき、遠目にも美しい印象を与えます。


▼由来
 ここは古くから騎士や宮廷貴族たちが住んでいた地域で、かつては白い鞘の剣が王に仕える騎士の印だっため、このような名で呼ばれています。後にこの周辺には、王室御用達の高級店や貴族目当てのレストランなども立ち並ぶようになったため、王室街と呼ばれていた時期もありました。


▼分類
・種別

 主に住宅地(高級)
・交通
 少ない〜やや少ない
・治安
 良い
・警察
 環道警察署
 


○地域

▼白鞘通り
 白鞘街の中央を東西に走る通りで、名立たる名士たちの屋敷が並んでいます。
 
▼孔雀通り
 王宮広場に面する商店街のことで、王室御用達の店が立ち並んでいることから、王室商店街と呼ばれることもあります。貴族たちが多く訪れる高級商店ばかりが軒を連ねており、一般市民では到底手が届かないような品が取り扱われています。
 
▼軍人街
 かつては騎士たちの訓練場などがあった地域で、現在は陸軍省および海軍省の本部が置かれています。この外郭は王宮地区と同じく、現在も古い時代の市壁が残されています。
 
▼猟犬通り
 城壁通りと軍人街の間を走る環状道路のことで、この部分は市壁が途切れています。通りの西側は高級住宅街で、東側は中上層の市民の住む一軒家が並んでいます。


○その他

▼社交クラブ
 上流社会の人々が住む地域であることから、周辺では社交クラブが数多く生まれており、現在もその一部が世襲的に受け継がれていたり、新たなクラブが幾つも誕生しています。彼らが集まるための会員制の店も多く存在するため、何も知らない人間がいきなり訪れても、入店を断られてしまうことがあります。また、一般家屋を改修して作られたレストランに集う秘密クラブや、社交クラブを装った政治結社などもあり、様々なタイプの会合が開かれているようです。


▼「仮面紳士」事件
 
聖歴750年頃に起こった仮面紳士事件は、殆どこの付近で犯行が行なわれました。
 
◇事件概要
 発狂現象の中でも仮面紳士と呼ばれた青年の例は、今もって伝説として語りつがれています。これは聖歴750年頃にアイリストールで起こったもので、簡単に言えば予告殺人事件なのですが、この方法が類を見ないほど残忍だったことが彼を有名にしました。
 標的とする相手は貴族の娘で、もちろん厳重な警戒がなされるにもかかわらず、彼は次々と予告を達成させてゆきました。仮面紳士事件の最も恐ろしい点は、標的を殺害した後に死体をバラバラにし、それを杭で壁に打ちつけるという手口です。しかも、その死体のすべてが、必ず宗教画を模したポーズをとっていました。このことから教会は積極的に犯人逮捕に乗り出し、そして遂に仮面紳士を捕らえることに成功したのですが、犯人は意外なことに聖母教会の神学徒でした。彼は普段は温厚で真面目な青年だったそうです。この事件以来、聖母教会の信用は薄くなり、人々の間に銃や科学の力に頼ろうとする風潮が蔓延するようになりました。


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施設・名所


○種類

▼公共
 海軍省本部陸軍省本部軍事資料館

▼一般
 宝飾店「フローラル・フローレンス」ティーハウス「クリスタル・サロン」


○海軍省本部

 古くからロンデニアは海上貿易で栄えた国で、海軍はその歴史を語る上で欠かせない存在となります。ロンデニア海軍は非常に強力な存在で、エルモア随一の力を誇るといわれています。その本部となるこの建物で、国防の要ということが出来るでしょう。ただし、重要な決定がここで為されるとはいえ、ここは基本的に書類整理が行なわれる場所であり、強力な軍備を備えているわけではありません。


○陸軍省本部

 ロンデニアの歴史の中で陸軍が活躍した例は少なく、植民地隊を除けば殆ど実戦経験はありません。式典に出席するだけのお飾り部隊として、海軍将校たちにいつも揶揄されており、ウェイティング・ガーズなどと呼ばれることもあります。そういった理由もあって陸軍と海軍の間の溝は深く、前の通りを歩いていても顔を合わせないようにしているようです。時に酒場などで軍人同士が諍いを起こすこともあり、過去に大きな騒動に発展した記録も残っています。

・関連陸軍将校クラブ


○軍事資料館

 陸海軍の過去の軍事資料が集められた資料館です。ここには資料保存庫、図書館、戦史研究室などが置かれており、一部の戦史資料については一般公開が行なわれています。この収入は負傷兵の医療費や、退役軍人の年金などに当てられています。


○宝飾店「フローラル・フローレンス」

 王室商店街にある宝飾店で、世界的に名を知られているブランドです。フローレンスブランドは上流社会の人々の憧れの的であり、特にオーダーメイド品を身につけることが出来るのは、本当に限られた一握りの人物だけとなります。
 店鋪の1階には洗練されたデザインの宝飾品や銀製品が飾られており、2階は会員たちのためのサロンになっています。サロンは会員であれば誰でも無料で利用することが出来ますが、新たに会員になるためには、既に入会している3名以上の人物の推薦が必要となります。


○ティーハウス「クリスタル・サロン」

 高級官僚の夫人たちが集まる店で、店内はやや成金趣味の目立つ装飾となっています。彼女たちの話題の中心となるのは、最近流行のファッション、歌劇界や名士たちのスキャンダル、夫の功績やアクセサリーの自慢といったもので、長々と取り留めのない話をしながら時間を潰しています。しかし、口の軽い人たちも多いため、上流階級にまつわる噂や表には出てこない話が聞ける可能性もあるでしょう。
 最近、彼女たちの間では珍しいペットを飼うのが流行らしく、海外から輸入した珍獣などを連れて来店することもあります。しかし、それらが思わぬ習性を持っていたり、偶然にも天敵同士がはち合わせするなどして、まれにですが大きな騒ぎに発展することもあるようです。


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人物・集団


○集団

▼陸軍将校クラブ
 陸軍将校たちの親睦を深めるための会で、サロンのような役割を果たしています。数多くのメンバーを抱えており、ロニエル方面軍の将軍がその長を務めています。
 メンバーが集まるための施設は、陸軍省本部の中庭に設置されており、ここには公演やパーティを行なうための広間や、メンバーがくつろぐための快適な部屋が用意されています。

・関連陸軍省本部


○人物

▼顔なき貴婦人 エレニシア=ミネスカット
 種族:白人  性別:女  年齢:41  職業:無職/未亡人
 居住:白鞘街  出身:アイリストール市

解説:決して人前に姿を出さない未亡人で、喪に服したままずっと黒服を身に付け、ベールや手袋で素肌を覆い隠しています。彼女の夫は何者かに惨殺されたのですが、その亡骸のあまりの惨たらしさに、怪物か悪魔の仕業ではないかと噂されています。

限定情報:実は、彼女も夫を殺した悪魔に殺害されており、その悪魔がエレニシアになりすましているのです。市でときどき起こる神官の殺人事件は、ほとんどこの悪魔が関係しています。

一言:「呪われるがいい、広き世界の救い手よ」


▼アンドリューシャ=ワイナート
 種族:白人  性別:男  年齢:34  職業:宝石商
 居住:孔雀通り  出身:カンカーレ市

解説:男性にとっては、人を小馬鹿にしたような口調が鼻につく、キザで気に食わない気取り屋ですが、女性にとってはよく気のつく粋な紳士、という人物です。孔雀通りで宝石店「ルベウス」を営んでいるのですが、つい最近「紅玉紳士」という怪盗に盗みに入られ、店内のルビーを全て奪われてしまったことで知られています。

限定情報:彼はもともと詐欺師だった男で、国内を転々としながら結婚詐欺などを繰り返していました。彼が宝石商を営むきっかけになったのは、幼なじみと再会したことです。その友人は宝石窃盗団の一味であり、盗んだ宝石を捌くルートを探していたところでした。アンドリューシャもちょうど、エルヴァンヌ市でミスをして指名手配されるという失態を犯したところで、しばらくは大人しく暮らそうと考えておりました。そのため、彼は友人に話を持ちかけ、窃盗団が盗んだ宝石を加工して売りさばく、宝石販売員として働くことになるのです。
 ここで詐欺で身につけた巧みな話術が大いに役立ち、面白いように宝石は売れてゆき、彼は商売人としての道に生き甲斐を感じるようになります。大して元手がかかっていないことから、またたく間に資金はたまり、現在では孔雀通りに店を構えるほどの宝石商になっていますが、つい最近はアクシデントが続いているようです。今も彼は窃盗団と裏で通じており、盗品の販売を続けていますが、つい先日の窃盗騒ぎで大損を出し、仲間たちから突き上げをくらっているところです。また、その損失を埋めようと、貴族や資産家の子女を自慢の弁舌でたらし込み、現在5名の女性と同時に交際しているところですが、2名に浮気がばれて刃傷沙汰が起こっています。

一言:「とてもよくお似合いですよ、奥様」


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