魔界に済む一族は魔族と呼ばれており、神々を裏切った天使とその眷属のことを指します。なお、悪魔といった場合は魔界を統べる一族のことを言い、それ以外の雑多な存在はまとめて一般魔族と呼ばれます。一般魔族には魔人や魔界獣、それから使役悪魔などが含まれます。
○階級
悪魔の世界にも、人間社会と同様に身分・階級が存在します。これは実力にも比例しますが、功績や行使できる能力によっても異なるようです。階級は人間でいえば一般市民と貴族、あるいは部下と上司の関係となり、位が高いほど強い権力を持っています。
しかし、同じ階級の中でも能力が高ければより重要な地位についており、また、魔王などの主に気に入られているほど強い権力を行使することができるようです。悪魔同士にも派閥や権力争いがあり、特に魔王たちの間では激しい逃走が繰り広げられているといいます。悪魔の階級は以下のようになります。彼らは雑兵として悪魔戦士、傀儡悪魔、使役悪魔といった魔族を従えており、自分の手駒として利用しています。
▼魔神
魔界でも１４名しかいない存在であり、魔王ですら滅多に出会うことはありません。人間の世界に直接的に関係することはありませんが、魔王やその他の悪魔たちの動向を把握しており、下位のものたちの知らないところで世界の大局を操っているようです。
▼魔王
魔族の指導者とも呼べる存在で、魔界には９９名の魔王がいるといわれています。それぞれが独自の能力をもっており、容姿も個々で全く異なっています。彼らは互いの間で権勢争いをしており、魔界ではもとより人間の世界でも縄張り争いを繰り返しています。ですが、相互の利益が一致した場合は手を組むこともあり、こうなると人間では手に負えない存在となります。
▼魔将
魔界の貴族ともいうべき存在で、非常に強い力をもっています。残忍ですが簡単に相手の命を奪うよりも、できるだけ長く苦しめようとします。姿は人間とまったく変わらず、その美しさは妖しいまでに魅力的です。白く抜けるような肌と漆黒の髪をもっており、性別はありません。もっとも、これは仮の姿であり、異形の怪物の姿にも変身できるのだと言われています。
魔将は魔王軍の将軍として働き、下位の悪魔を統括しています。自分で直接動くよりは下位の悪魔を操って目的を果たす方が多く、部下も手駒としか思っていません。非常に大きな目的でしか動くことはなく、人間界に現れることは滅多にないようです。逆に言えば、彼らが現れた時は何か大事が起こったということで、十分な警戒が必要となります。
▼上位悪魔
魔界へと堕ちた上位の天使で、非常に美しい姿をしています。この美しさを利用して、人間を誘惑することもあるようです。肌は漆黒で純白の髪を持ち、背中には真っ黒な鳥の翼があります。翼を自由に出し入れすることができ、肌や髪の色も自由に変えることができるといいます。そして、人間に化けて目標に身辺へと近づき、犠牲者を巧みに悪の道へと誘うのです。単独で動くことが多いようですが、魔将や魔人といったさらに上位の悪魔の命令で活動していることもあるようです。
▼下位悪魔
下層階級の悪魔で、上位の悪魔の命令を受けて行動していることが多いようです。身長は人間と同じくらいで、立派な体格をしています。背中にコウモリの翼があり、爪は非常に長く、額には２本の角が生えています。
魔界に堕ちる前は下位の天使だったのですが、かつての愛する心がそのまま神への恨みへと替わり、あらゆる神の被造物に憎しみを抱くようになったのだと言われています。その心は悪意に満ちており、自分以外の者を堕落させるためには手段を選びません。また、誰かが悲しむのを見るのが好きで、気に入っているものを壊したり、信用を落としたりするために尽力します。非常に回りくどいやり方を好むようで、特に騙すことで快感を得ているようです。
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