PainForTheTruth-Rule
 

狂気
 

正気度一時的症状長期的症状封印治療と回復

正気度

 シナリオの途中で、PCは世界の禁忌や怪物といった存在に遭遇します。その時は正気度の値を基準とした正気度判定を行わなければならず、結果によっては狂気に陥る場合があります。


■ 基本 ■

▼最大値
 キャラクター作成時における正気度の最大値は[自我+6]となります。


▼現在値の変動
 正気度は恐怖などの要因によって減少する場合があり、現在値は最大値〜0までの範囲で変動します。


▼上限値の変動
 キャラクター作成時における正気度の上限値は[自我+10]ですが、この数値は狂気に陥ったりすることで減少する可能性があります。
 
◇最大値の減少
 正気度の最大値は、上限値より大きくなることはありません。ですから、正気度の上限値が最大値(通常は自我+6)を下回った場合は、最大値を上限値と同じ値に設定し直す必要があります。


■ 正気度判定 ■

▼条件
 正気度判定は精神にショックを与えるような何かに遭遇した時に行います。短時間のあいだに同じ恐怖対象に何度も遭遇したり、1度に何体もの怪物に出会った時は、正気度判定を1度行うだけで済みます。しかし、ある程度の時間を置いて再び同じ対象に遭遇した場合は、改めて判定を行う必要があります。


▼判定方法
 その時点の正気度を基準に1D20で判定を行い、ダイス目が正気度以下であれば成功となります。


▼減少
 正気度の現在値は、正気度判定の結果によって幾らか変動する可能性があります。そして、それ以降に正気度判定を行う際には、変動後の値を基準として判定を行わなければなりません。
 
◇正気度0
 正気度が0まで減少した場合は、正気度判定を試みることが出来なくなります。以降の正気度判定は自動的に失敗したものとして扱って下さい。

◇回復
 基本的に、減少した分の正気度がシナリオの途中で回復することはありませんが、ゲーム終了後に幾らか回復する可能性があります。


■ 正気度ダメージ ■

 正気度に与える影響の大きさは、正気度ダメージと呼ばれる数値で表現されます。何らかの恐怖に遭遇した時には、正気度ダメージの分だけ現在値が減少する可能性があります。


▼データ表記
 正気度ダメージの基準値は怪物や怪奇現象ごとに設定されています。これは2/1という具合に表記されており、左が正気度判定に失敗した場合に減少する数値、右側は成功した場合の数値となります。


▼全体基準
 恐怖対象や衝撃的事実の内容と正気度ダメージの関係は以下のようになっています。
 
数値 目安

 不安をもたらす程度の恐怖。行動には殆ど影響を及ぼさない。

 軽い混乱や不快感を与える恐怖。キャラクターの行動にわずかな影響を及ぼす可能性がある。

 激しい驚きや強い不快感をもたらす恐怖。驚きのあまり、どのように行動してよいかわからなくなる可能性がある。

 おぞましい存在との遭遇によってもたらされる、非常に大きな混乱。パニックによって行動を止めてしまう可能性もある。

 神性存在や異界の生き物など、想像を絶する相手との遭遇によってもたらされる大きなショック。即座に長期的症状に陥る可能性もある。

 小神や強大な怪物との遭遇、あるいは宇宙的な神秘体験などによってもたらされる極限の恐怖。人間の精神では耐えられないほどの衝撃。

 超越者や神などとの遭遇によってもたらされる、人類には想像の及ばない宇宙的恐怖。


▼具体例
 具体的な恐怖の例とダメージは以下の通りです。

 
数値 目安
0/0

 小さな動揺や不安を与える程度の軽い恐怖
 怪奇現象の一部や怪物の痕跡を発見する
 激しく損傷した動物の死体を見る
 外見上は損傷のない人間の死を目撃する/死体を見る

1/0

 殺害された人間の死体や切断された体の一部を見る
 怪奇現象/奇怪な光景/異世界の風景を目撃する
 奇怪な生物に遭遇する
 怪物の姿を一瞬だけ目撃する/体の一部を目撃する
 外見上は生者と殆ど変わらない霊を目撃する
 近親者(家族、親友、恋人など)の死を目撃する

2/0

 激しく損傷した人間の死体に遭遇する
 見た目があまり邪悪でない怪物に遭遇する
 明らかに生者ではないと認識できる霊に遭遇する
 動く死体を見る
 惨殺の現場を目撃する
 近親者(家族、親友、恋人など)の惨殺死体を見る

2/1

 恐ろしい魔道書の中身を理解する
 外見に激しい損傷を受けている霊に遭遇する
 見た目が恐ろしい怪物に遭遇する
 激しい拷問を受ける
 近親者(家族、親友、恋人など)の惨殺現場を目撃する

3/1

 見た目が醜悪な怪物を目撃する
 怪物の集団に襲われ、取り囲まれる

3/2

 きわめて醜怪な怪物を目撃する
 醜悪な怪物が体内に侵入したり、侵食を受ける

4/2

 精神に異常をきたすほどの大きなショックを受ける
 想像を絶する強力な怪異に遭遇する


▼特殊な結果

◇決定的成功
 正気度判定で決定的成功が出た場合、正気度ダメージは通常の成功時より1小さくなります。

◇致命的失敗
 正気度判定で致命的失敗が出た場合、正気度ダメージは通常の失敗時より1大きくなります。


▼異なる刺激
 接触や包囲など異なる刺激を受けた場合、基準のものより正気度ダメージを大きくしても構いません。また、恐ろしい怪物でも一部しか見えない場合には、ダメージを減少させるなどの調整を行って下さい。


■ ショックダメージ ■

 恐怖対象に遭遇した時は、それがPCの精神にどれだけの影響を与えるかを判断しなければなりません。その基準となる数値がショックダメージで、この値が大きくなるほど精神に強い衝撃を受けることになります。


▼適用条件

◇正気度判定の結果
 ショックダメージは正気度判定に失敗した場合にのみ適用されるものです。正気度判定に成功している時は、正気度が減少してもショックダメージを受けることはありません。この場合は全く影響が無かったということになります。

◇霊能力による影響
 霊能力などによって正気度を消費した場合は、ショックダメージを受けることはありません。


▼ダメージの決定
 ショックダメージは、その時に受けた正気度ダメージの数だけD6を振って決定します。
 
◇0ダメージ
 正気度ダメージが0の場合は、ショックダメージも0として扱います。ただし、0ダメージは無影響とは区別されますので注意して下さい。


▼精神的影響
 ショックダメージを被った時は、キャラクターの行動に何らかの制限を受けることになります。具体的な影響については、後述の「一時的症状」および「長期的症状」の項目をご覧下さい。
 
◇重複
 ショックダメージによる影響を被っている間に、新たにショックダメージを受ける場合もあります。このように複数の状態が重なるような条件では、より重い方の症状を適用して下さい。


■ 恐怖への馴れ ■

 一定期間のうちに連続して同じ恐怖にさらされた場合は、その刺激に馴れてしまう可能性があります。どの程度の期間が適切かは、シナリオの展開に応じて任意に決定して下さい。


▼ダメージの減少
 恐怖に馴れたとキーパーが判断した時は、次回から遭遇する毎に正気度ダメージを1点ずつ減少させていっても構いません。ただし、正気度ダメージが0でも影響を受ける可能性はあるので、正気度判定は必ず行わなければなりません。
 
◇最低ダメージ
 正気度ダメージの減少は、判定失敗時に受けるダメージを下限として下さい。たとえば、正気度ダメージが4/2と記されている場合は、2より低い値になることはありません。

◇異なる刺激
 特定の恐怖対象に慣れた後でも、接触などの異なる刺激が与えられた場合は、別の恐怖として取り扱っても構いません。


▼致命的失敗
 恐怖に馴化した場合でも、致命的失敗が出た時に限っては、最低でも1ポイントの正気度ダメージを受けることになります。


▼時間の経過
 恐怖に慣れてから十分に時間が経過した場合は、また新たに恐怖心が蘇るものとして下さい。別のシナリオで同じ恐怖対象に遭遇した場合、再び最初と同じ基準で正気度判定を行うことになります。


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一時的症状

■ 基本 ■

 一時的症状というのは、正気度判定に失敗した時に陥る、短期的な精神状態をあらわすものです。


▼被害段階
 被害段階には動揺状態、恐慌状態、硬直状態の3段階があり、後ろのものほど被害が大きくなります。被害段階は1回の判定で受けるショックダメージの大小によって決まるもので、いきなり硬直状態に陥る場合もあります。ショックダメージと被害段階の関係は、以下のようになります。
 

段階 状態

条件
動揺状態

 ショックダメージが【自我】以下だった場合

恐慌状態

 ショックダメージが【自我】の値を超えた場合

硬直状態

 ショックダメージが正気度の最大値を超えた場合


▼影響の重複
 既に一時的影響に置かれているPCが、さらにショックダメージを受けた場合は、最も重い症状を適用して下さい。


▼状況による省略
 通常シーンに限られますが、影響があまり大きくない時や、特に危険に陥るような状況ではない場合は、症状を細かく定めなくても構いません。具体的にどのような状態になるのかは、キーパーが自由に決定して下さい。


■ 基本症状 ■

 一時的症状に陥ったキャラクターは、被害段階によらず以下のような共通の影響を受けることになります。


▼半NPC化
 一時的症状があらわれている間、PCは半ばNPCのように扱われます。プレイヤーは許される範囲でPCの行動を選択することが出来ますが、それ以外の部分はキーパーの指示に従ってPCを行動させなければなりません。ただし、生贄判定とシナリオアクションはプレイヤーの意思で行うことが可能です。


▼被害ラウンド
 恐怖対象を認識したラウンドは、移動や能動行動を試みることが出来なくなります。これはショックダメージが0の場合でも起こるので注意して下さい。


▼注意力
  一時的症状のあいだは、ショックを与えた対象に意識が集中したり、逆に対象から目を背けようとすることによって、周囲への注意力が薄れることになります。このため、死角での出来事には殆ど気付かないものとして、キーパーの判断で〈聞き耳〉や〈観察力〉といった判定を却下することが出来ます。


▼助力
 この間は状況を正確に把握するのが困難だったり、自分のことだけで精一杯となる可能性があるため、キーパーの判断で他人への助力を却下しても構いません。これには周囲に的確な指示を出したり、逃走時に他人の手を引くといった行動も含まれます。どのような助力までが認められるかは、状況や被害段階に応じて決定して下さい。


▼その他
 一時的症状の影響下にある間は、普段は何気なく行っている事でも、手を滑らせるなどして失敗してしまう可能性があります。このためキーパーが必要と考えれば、車のキーを差し込んだり懐から素早く物を取り出すといった行動に対しても、能力判定を要求して構いません。この他にも、逃げる時に障害物や悪路で転倒してしまったり、前の人の足を踏んでしまうなどのアクシデントも起こりうるでしょう。
 判定に失敗した場合は、時間にして1ラウンド程度のペナルティを与えて下さい。ただし、細かい事柄にいちいち判定を要求するのは、プレイヤーをいらつかせるだけとなります。このような判定は、緊迫した場面で1〜2度行わせるぐらいが適当でしょう。


■ 段階別の症状 ■

 被害段階に応じて、以下のような症状があらわれます。


▼動揺状態
 PCは軽いショックを受けて狼狽している状態です。症状が継続している間は、焦りで判断力や思考力が鈍り、普段と同じように行動しようとしても、なかなかうまくゆきません。また、動揺のあまりヒステリックな話し方になったり、その人間の本音や本性が垣間見える場合もあるでしょう。
 
◇行動制限:専門技能/霊能技能
 この間は細かな作業を行ったり、落ち着いて思索することは困難となります。このため、キーパーが特別に認めない限り、専門技能および霊能技能による判定は自動的に失敗したものとして扱われます。たとえば、車の操作を間違えて発進できなかったり、質問にまったく違った答えを返すといった具合です。ただし、本人は出来るつもりでいるので、普段と全く同じように行動しようとするでしょう。


▼恐慌状態
 恐慌状態に置かれたPCは慌てふためき、正確な判断を行うことが出来なくなります。混乱のあまり状況に応じた単純な行動しか取れなくなり、意思疎通もままなりません。どのような態度を示すのかは、キーパーが個々の状況に合わせて描写して下さい。場合によっては悲鳴を上げ続けたり、床にへたりこんだりすることもあるでしょう。
 
◇行動制限:専門技能/霊能技能、能動行動
 この状態に陥った場合は、キーパーが特別に認めない限り、専門技能および霊能技能による判定は自動的に失敗となります。また、自発的な判断を行うことが出来ないため、能動行動を試みることも出来ません。ただし、危険を逃れるための行動(回避、逃亡、潜伏など)を行うことは可能です。


▼硬直状態
 PCの頭の中は混乱の極みに達し、完全なパニック状態に陥ります。外部から何も働きかけがなければ、この間は半ば硬直した状態のままとなります。たとえば、呆然と頭を抱えたまま震えていたり、ただ目を見開いて立ちつくしたり、奇声を発しながら後ずさるといった具合です。
 
◇行動制限:専門技能/霊能技能、能動行動、移動(助力を要する)
 この状態に陥った場合は、キーパーが特別に認めない限り、専門技能および霊能技能による判定は自動的に失敗となります。また、自発的な判断を行うことが出来ないため、能動行動を試みることも出来ません。ただし、危険に対応するための受動行動は自動的に試みます。攻撃を受けた時は生存本能に従い、たとえ腰が抜けたままでも咄嗟に回避を行うことでしょう。
 それから、この間は体が思うように動かないため、自分の判断で恐怖対象から逃げ出したり、相手の攻撃範囲から離脱することも不可能となります。他のPCに促されればそれに従う可能性はありますが、その反応は非常に鈍いもので、アクションシーンでの移動力は−6となります。


■ 継続期間 ■

 一時的症状が継続する期間は、被害段階とショックダメージの大小に応じて決まります。


▼継続期間
 1ダメージ以上のショックを受けた場合、被害ラウンド以降も症状が継続します。追加される継続時間は[ショックダメージ×被害段階]ラウンドです。
 
◇動揺状態:[ショックダメージ×1]ラウンド
 恐慌状態:[ショックダメージ×2]ラウンド
 硬直状態:[ショックダメージ×3]ラウンド


▼自動的回復
 継続時間が完全に過ぎれば症状は自動的に回復し、次のラウンドからは自らの判断で行動できるようになります。なお、キーパーが認めるのであれば、恐怖対象が目の前から消えてしばらく経った時点で、継続時間が過ぎたものとして扱っても構いません。
 
◇回復直後の反応
 キーパーが要求した場合、回復直後のラウンドにおける最初の行動は、周辺状況の確認のために費やさなければなりません。


■ 回復判定 ■

 継続期間が過ぎる前に一時的症状を改善するためには、回復判定に成功する必要があります。


▼判定機会

◇開始
 最初に回復判定が行えるようになるのは、被害ラウンドから[被害段階×1]ラウンドが過ぎてからです。つまり、動揺状態の場合は次のラウンドから、恐慌状態の場合は2ラウンド目から、硬直状態は3ラウンド目からとなります。

◇間隔
 以降の回復判定は、毎ラウンド試みることが出来ます。

◇タイミング
 アクションシーンでは、準備パートで回復判定を行うことになります。通常シーンの場合は、キーパーが任意に判定の機会を与えて構いません。

◇特殊な条件
 準備パートの他にも、相手の攻撃や痛み、新たなる精神的ショック、仲間の叱咤など、外部から何らかの影響を受けた時に、キーパーの判断で判定を認めてあげて構いません。また、相手への攻撃が有効であることを認識するなど、恐怖対象が克服できる困難であることを確認できた時点で、回復判定を行わせてもよいでしょう。


▼判定方法
 回復判定の基準値は【自我】の値で、通常と同じように1D20で判定を行います。
 
◇致命的失敗
 回復判定で致命的失敗を出した場合は、継続期間が終わるまで回復判定を試みることが出来なくなってしまいます。


▼回復の度合い

◇回復
 回復判定に成功すれば、症状は完全に回復します。回復後は通常と全く同じように、自らの判断で行動できるようになります。
 
◇回復直後の反応
 キーパーが要求した場合、回復直後のラウンドにおける行動は、周辺状況の確認のために費やさなければなりません。


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長期的症状

■ 基本 ■

 正気度ダメージが激しく減少したり、非常に大きなショックダメージを受けた場合、キャラクターの精神は無期限の重い症状に陥る可能性があります。


▼影響

◇NPC化
 この間、PCはプレイヤーのもとから離れ、NPCとしてキーパーの管轄下に置かれることになります。キーパーが認める場合に限り、プレイヤーは許される範囲でPCの行動を選択することが出来ますが、それ以外の部分はキーパーの指示に従ってPCを行動させなければなりません。

◇正気度の回復
 長期的症状にある者は、その状態が解除されるまで正気度の回復は起こりません。

◇正気度の上限値
 発狂状態に1回陥るごとに、正気度の上限値は1ポイントずつ下がってゆきます。


■ 発狂状態 ■

 正気度が0まで減少するか、1度に正気度の上限値を超えるショックダメージを受けたキャラクターは、即座に発狂状態に陥ることになります。


▼継続期間
 発狂状態は心理学的な治療に成功するなどの解除条件が満たされるまで継続します。


▼症状
 発狂状態に陥った者の行動は、完全な狂人のものとなります。具体的な症状はキーパーが状況に応じて決定して下さい。もしも迷うようであれば、「狂気表」に従って1D20でランダムに決定することも出来ます。


▼後遺症
 心理学的な治療によって長期的症状から回復したとしても、狂気はPCの精神に深く刻み込まれたままとなります。PCを発狂状態に陥れたものと同種の体験や、それを想起させるような類似の状況に遭遇した場合は、その原因が取り除かれるまでの間、恐怖によって影響を受ける全ての判定に−4修正が与えられます。


■ 維持判定 ■

 発狂状態に陥ったキャラクターが更なる恐怖に遭遇して、正気度判定に失敗した場合は、維持判定を行う必要があります。


▼判定
 維持判定は正気度の最大値を基準として行うもので、その時に受けた正気度ダメージをマイナス修正として加える必要があります。
 
◇結果
 維持判定に成功した場合、症状は現状のままとなりますが、失敗した場合は精神崩壊の状態へと陥ることになります。


▼精神崩壊
 これは殆ど回復する見込みのない、永久的に続く発狂状態のことであり、その精神は完全に破壊されてしまっています。キーパーが特別に認めない限り、この者に治療を施しても全く効果はありません。
 
◇症状
 精神崩壊に陥った時に、新たに症状を決め直す必要はありません。これまでの精神症状を継続して適用して下さい。ただし、状況に応じて別の症状に変更したり、変更や追加を行うのは自由となります。

◇変更
 精神崩壊は最も重い症状となりますので、これ以降に新たな恐怖に遭遇しても、精神症状に変化は起こりません。ただし、その影響を全く受けないわけではなく、現在の症状に応じた態度を取ることになります。


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封印

■ 基本 ■

 恐怖による正気度ダメージを一時的に封印することで、発狂するまでの時間を引き延ばすことが可能となります。


▼選択ルール
 封印は選択ルールとなりますので、使用するかどうかはキーパーの判断に任されます。単発のセッションでは、これによって緊迫感が薄れる可能性もあるでしょう。一方、連続したキャンペーンシナリオや恐怖対象が頻繁に出現するセッションでは、封印ルールがゲームにより大きな興奮をもたらしてくれるかもしれません。キーパーはどのようなシナリオになるのかをよく考えた上で、このルールを導入するかどうかを判断して下さい。


▼認識
 封印は恐怖対象を正しく認識できなかったことによって為されるものです。どのように認識したのかは、キーパーとプレイヤーの相談によって決めて下さい。


▼封印のタイミング
 封印はプレイヤーの判断で自由に行うことが出来ますが、封印するかどうかの選択は正気度判定を行った直後にしなければなりません。既にショックダメージを決定してしまった場合、封印を試みることは出来なくなります。


▼例外
 以下のような正気度ダメージを封印することは不可能となります。
 
◇恐怖以外のダメージ
 霊能力による攻撃など、恐怖以外の要因で受ける正気度ダメージは封印できません。

◇消費
 正気度を消費する必要のある霊能力を用いる場合も、減少分を封印することは出来ません。

◇致命的失敗
 正気度判定で致命的失敗が出た時は、キーパーの判断で封印を却下しても構いません。


■ 封印方法 ■

 封印は以下のような手順で行います。


▼認識判定
 封印を行う場合は、【知力】を基準とした認識判定に失敗しなければなりません。判定に成功した場合は恐怖の対象を正しく認識できたことになり、封印を行うことは出来なくなります。


▼ダメージ

◇正気度ダメージ
 封印に成功した場合、正気度判定の結果やダメージの基準値にかかわらず、正気度ダメージは0として扱われます。

◇動揺
 封印に成功していても、正気度判定に失敗していればショックダメージを受けることになります。ただし、この場合は0ダメージとして扱われるので、影響を受けるのは恐怖対象に遭遇したラウンドの間だけです。


▼封印記憶
 封印に成功した場合は、封印記憶として以下の内容をキャラクターシートに記録しておいて下さい。
 
◇恐怖体験
 死体、心霊、怪物、怪奇現象などの恐怖体験の系統と、個別の内容(遭遇対象、特徴など)について記録して下さい。なお、対象の正体が判明していないうちは、認識に応じた不確定名称と特徴について記録します。

◇認識方法
 恐怖体験をどのように認識したのかについてで、誤認と情報遮断の大きく2種類に分けることが出来ます。誤認は対象を正しく認識できなかったり、違う存在や現象と間違って解釈してしまうものです。情報遮断を選択した場合は、気絶や感覚遮断によって情報の受け取りを拒絶し、恐怖対象の認識時間を最小限にすることで心を守ります。瞬時に逃走を図るといった行動も、手段の1つとして認めてあげてもよいでしょう。

◇正気度ダメージ
 封印が解除された場合にデータを見直す手間を省くために、正気度ダメージの基準値もメモしておいて下さい。

◇維持手段
 封印を維持するための手段です。これは恐怖体験ごとに設定しなければなりません。


■ 封印の維持 ■

 封印後に何も処置を施していない場合、封印はやがて解除されることになります。封印が解けないようにするためには、特定の維持手段を継続的に施さなければなりません。


▼維持手段の選択

◇種類
 封印を維持する手段には以下のような種類があります。手段の選択はキーパーに一任されます。認めたくない種類の封印手段は採用しなくて構いません。

・種類:誤解/妄想、すり替え、同化、記憶喪失、薬物依存、他者依存、物品依存、行動依存、人格の解離...etc.
 
◇重複
 維持手段は恐怖体験ごとに設定する必要があります。ただし、それぞれに異なる維持手段を施す必要はなく、同じ方法で封印を行っても構いません。キーパーが認めるのであれば、全て同一の維持手段を選択することも可能です。


▼依存の度合い
 封印を行った場合は、維持手段に依存して過ごさなければなりません。依存の程度については、キーパーが任意に判断して決定して下さい。基本的には、ゲームの進行が妨げられるほど強い依存状態をつくるべきではありません。あくまでもゲーム上のアクセントとして、あるいは判断時におけるジレンマとなるような使い方をするべきでしょう。


▼例外的手段
 気絶や記憶喪失といった情報遮断によってダメージを封印する場合は、恐怖を受けた瞬間に意識がとんでしまいます。具体的にどのような状態に陥るかは、キーパーが自由に決めることが出来ます。
 
◇継続期間
 どの程度のあいだ動けないままでいるかは、一時的症状の継続期間を参考にするとよいでしょう。この場合は、その時に受けた正気度ダメージを基準に仮のショックダメージを求めて、継続期間を算出して下さい。


▼注意点
 これらの決定に時間をかけてゲームのテンポが悪くなるようでしたら、その場で維持手段や依存状態について詳しく設定する必要はありません。その場はゲームの進行を優先し、シーンの変わり目やシナリオ終了後などに、ゆっくり相談して決めればよいでしょう。


■ 維持手段の種類 ■

 封印の維持手段には以下のような種類があります。また、状況に合わせて、これらとは別の手段を設定しても構いません。


▼種類

◇誤解/妄想
 自分が見た恐怖対象を他のものだと信じ込んだり、まったく仮想の存在に置き換えることで封印を維持します。この場合、他者に説得されてしまったり、再び同じ恐怖対象を見るなどして正しい認識を得た時に、封印が解除される可能性があります。

◇すり替え
 恐怖の原因を関連するものに置き換えることによって、自分をごまかしている状態です。この場合は恐怖体験を思い起こさせるような物品や状況ごと、忌み嫌うものとして認識してしまいます。たとえば、湖沼などで怪物に遭遇した場合、プールや噴水に近付けないようになったり、風呂に入るのさえ恐れるようになる、といった具合です。怪物そのものではなく、それを想起させる水を恐れているのだと自らを錯覚させ、体験した事実から目を背けてしまうわけです。
 この維持手段に依存している場合、忌避している対象と接触したり長くその状態に置かれた時に、封印が解けてしまうおそれがあります。そのため、なぜそれを嫌うのかは本人にも理解することは出来ませんが、恐怖対象や遭遇状況に関連するものを徹底的に嫌い、排除するようになります。

◇同化
 恐怖対象を自分の理解できるものに置き換えた上で、それと同化することで精神を守ろうとします。たとえば、自分を吸血鬼だと信じ込んで、血液を求めたり日光を恐れるようになるわけです。

◇記憶喪失
 気絶や感覚遮断による封印を行った場合、その多くは記憶喪失の状態となり、経験した出来事を意識的に思い出すことが出来なくなります。しかし、これは自己作用による外界の遮断なので、何か恐怖体験を想起させるものに出会ったり、心理学的治療を受けた時に記憶が蘇る可能性があります。

◇薬物
 不安をまぎらわすために酒や麻薬に依存することで、一時的に影響を回避することができます。しかし、いずれ薬物中毒になって、医師の世話になることでしょう。

◇他者依存
 他人から慰められたり肌に触れるなど、誰かに依存していなければ強い不安に襲われることになります。1人でいる時間が長くなるほど、封印が解除される危険性が高まります。

◇物品依存
 人形を抱えたり特定の匂いを感じていなければならないなど、何らかの物品に依存しなければ精神を安定させることが出来ません。

◇行動依存
 特定の行動を繰り返したり潔癖性になるなど、何らかの事柄を達成することに神経を傾けます。それが達成できない状態に置かれた場合、封印が解除される可能性があります。

◇人格の解離
 一般に多重人格と呼ばれている症状に陥ってしまいます。人格の切り替え条件については、キーパーとプレイヤーが相談して行って下さい。


■ 干渉 ■

 維持手段から長いあいだ離れていても、すぐに封印が解けてしまうとは限りません。多くの場合は、少しずつ徴候があらわれます。


▼幻像
 維持手段から離れてしばらく経つと、悪夢や幻覚に悩まされるようになります。これらはぼんやりとしたものから、徐々に明確なイメージへと姿を変えてゆきます。


■ 封印の解除 ■

 維持手段に依存できなくなったり、封印した恐怖体験と同種の刺激を受けたり、真実の知識を得るなどして封印対象を正しく認識できた場合には、キーパーの判断で解除判定を行わせることが出来ます。


▼解除判定
 解除判定は【知力】の値を基準として行われます。この判定に失敗すれば封印は保たれたままとなりますが、成功した場合は保持されている封印記憶が蘇ることになります。
 
◇系統
 同系統の封印記憶を複数保持している場合、1度にすべての封印が解けてしまう可能性があります。この場合の解除判定は、まとめて1回で済ませて下さい。


▼正気度判定

◇判定方法
 封印が解除された時は、即座に正気度判定を試みなければなりません。基本的な判定方法については、通常の場合と全く同じとなります。

◇判定回数の増加
 共通点のある封印記憶が複数保持されている場合、それと同じ回数の正気度判定を行う必要があります。そして、判定結果のうちで最も悪かったものを、最終的な結果として適用しなければなりません。複数の判定結果の全てではなく、最悪の結果1つだけを選択して用いることに注意して下さい。

◇フラッシュバック
 封印記憶と同種の刺激を受けた時は、それによって生じる正気度判定を処理する前に、解除判定を行なう必要があります。封印が解除された時は、通常の正気度判定に加えて封印記憶の数だけ追加の判定を行い、そのうちの最も悪い結果を適用することになります。


▼再封印
 封印の解除によって受ける正気度ダメージを再封印することは不可能です。また、フラッシュバックが起こった場合、その引き金となった恐怖体験も封印することは出来ません。


▼症状の解消

◇消去
 封印が解除された時点で封印記憶は自動的に消去されます。複数の記憶が同時に蘇った時は、すべてまとめて消去されることになります。

◇治療
 封印が解除される以外の方法で症状を解消するためには、心理学的な治療を受ける必要があります。


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治療と回復

 恐怖による精神的被害を受けたPCは、心理学的な治療を受けることによって正気度ダメージを回復したり、一時的に落ち着きを取り戻すことができます。


■ 症状の鎮静化 ■

 〈心理学〉の判定に成功すれば、発狂状態による精神症状を一時的に鎮静化することが出来ます。この状態にある時は、通常と同じように行動することが可能となります。


▼条件
 判定を行うことができるのは1つの症状につき1度だけで、最初に行った人の結果だけが適用されます。治療にどの程度の時間がかかるかは、状況に応じてキーパーが自由に判断して構いません。しかし、これは正式な治療行為ですから、数ラウンドといった短い時間で達成することは不可能となります。なお、通常の場合は、まず治療を施す前に相手をおとなしくさせるのに苦労することでしょう。


▼効果
 〈心理学〉の判定に成功すれば、発狂状態に陥っている者を、一時的に正気にとどめておくことができます。


▼制限
 鎮静化に成功しても、表向き症状が改善されたように見えるだけに過ぎません。正気の時と同じように行動は出来ますが、実際には精神に深いダメージを受けたままなのです。
 
◇態度
 この間は、普通にしているようでも何かが違っており、いつもでは考えられないようなミスをしたり、ぼんやりして何か上の空といった具合になります。なお、これらは日常行動だけに適用されるもので、実際にゲームに影響する部分に障害が出るわけではありません。あくまでもフレーバーとして扱って下さい。

◇制限
 キーパーが望むのであれば、探索に対する積極的な行動を制限することが出来ます。謎や恐怖に挑むことを拒むわけではありませんが、実際に行動に出るためには何かの後押しを必要とする場合があります。


▼解除

◇期間
 安定状態がいつまで続くのかはキーパーの判断に委ねられます。この期間が過ぎれば、自動的に元の症状へと戻ることになります。なお、プレイヤーに期間を告知する必要はありません。

◇刺激
 安定状態にある間に正気度判定を行なうような事態に遭遇しても、すぐに鎮静効果が解除されるということはありません。ただし、正気度判定に失敗した場合は治療の効果が失われ、即座に元の状態へと戻ることになります。


■ 正気度の回復 ■

 以下に示す手段によって、減少した正気度を回復させることが可能となります。


▼条件

◇回復間隔
 これらの効果は1ヶ月単位で適用されます。

◇安定状態
 いずれの場合においても、精神的に安定した状態が維持されなければ、回復効果は一切得られません。正気度判定を行なうような事態に遭遇したり、強いストレスを受けるような環境に置かれている間は、キーパーの判断で回復は起こらなかったものとすることが出来ます。

◇長期的症状
 長期的症状にある者は、その状態が解除されるまで正気度の回復は起こりません。

◇重複
 複数の回復手段を同時に用いた場合、それぞれの効果を合計して扱って下さい。


▼処理

◇心理学
 医師によるカウンセリングや投薬治療を定期的に受けるなどした場合は、〈心理学〉の判定による回復を試みることが出来ます。この判定に成功すれば、1ヶ月につき1D3ポイントの回復効果が得られます。しかし、致命的失敗を出した時は、逆に1ポイントの正気度を失います。

◇自然回復
 入院などによる完全療養を試みた場合は、1ヶ月につき正気度を1ポイント回復することが出来ます。ただし、これは完全な休養でなければなりませんし、療養中はストレスを一切与えることのない、日常とは切り離された状態に置いておく必要があります。どの程度の条件が要求されるのかは、全てキーパーの判断に任されます。


■ 長期的症状の治療 ■

 発狂状態に陥ってしまったPCは、静かな場所で時間をかけて精神を癒さなければなりません。周囲から刺激を受けるような場所に置かれた場合は、いつまで経っても回復することはありません。


▼療養場所

◇自宅療養
 自宅などの落ち着いた環境で、カウンセリングを受けながら治療を行えば、少しずつ正気を取り戻すようになるでしょう。

◇精神病院
 きちんとした設備のある病院に入院した場合、自宅と同様に落ち着いて治療を行うことが出来ます。


▼判定
 発狂状態から回復するためには、全部で1D3回の〈心理学〉の判定に成功しなければなりません。この成功回数のことを目標成功数といいます。
 〈心理学〉の判定は1ヶ月に1度試みることができ、最初に設定された目標成功数に達すれば、発狂状態から回復したことになります。判定に失敗し続ければ、治療はどこまでも長引く可能性があります。また、致命的失敗を出した場合は判断を大きく誤ったことになり、目標成功数が1上昇します。


▼刺激
 治療期間中に何か大きな精神的影響を受けた場合は、以下のような影響を受ける可能性があります。
 
◇長期化
 最初に決定した回数より目標成功数が上昇し、治療が長引いてしまう恐れがあります。目標成功数がどの程度増加するのかは、キーパーが任意に決定して下さい。

◇問題行動
 周囲から受ける刺激の種類によっては、暴れたり自殺を試みたりするなど、何か問題を起こしてしまう可能性があります。このような問題行動は、影響を受けた直後に行われるとは限りません。人目につかない場所でこっそり試みることもあるでしょう。


▼後遺症
 発狂状態に陥ってしまったPCは、その時の恐怖が精神に深く刻み込まれたままとなります。そのため、治療によって症状が回復した後も、何らかの後遺症に悩まされることになります。
 
◇症状
 後遺症として獲得する症状については、キーパーが自由に設定して構いません。たとえば、強迫観念や幻覚症状、あるいは睡眠障害や食欲不振といった影響が挙げられるでしょう。ただし、これはゲーム内での行動や判定に、直接的に影響を及ぼすものではありません。

◇影響
 PCを発狂状態に陥れたものと同種の体験や、それを想起させるような類似の状況に遭遇した場合は、その原因が取り除かれるまでの間、恐怖によって影響を受ける全ての判定に−4修正が与えられます。

◇正気度の上限値
 恐怖症の治療が行なわれない限りは、減少した正気度の上限値が回復することはありません。


■ 後遺症の治療 ■

 発狂状態から回復しても、その影響は後遺症として残されたままとなります。心理学的な治療を受けなければ、この影響を取り除くことは出来ません。


▼判定
 1つの後遺症を治療するためには、全部で1D3回の〈心理学〉の判定に成功しなければなりません。この成功回数のことを目標成功数といいます。
 〈心理学〉の判定は1ヶ月に1度試みることができ、最初に設定された目標成功数に達すれば、後遺症から回復したことになります。判定に失敗し続ければ、治療はどこまでも長引く可能性があります。また、致命的失敗を出した場合は判断を大きく誤ったことになり、目標成功数が1上昇します。


▼回復
 治療に成功すれば、後遺症による影響は全て取り除かれます。また、1つの後遺症から回復した時点で、減少した正気度の上限値が1ポイント回復します。


■ 精神崩壊者の治療 ■

 基本的に、精神崩壊に陥ったキャラクターは、元の状態に戻ることはありません。キーパーが特別に認めるのであれば、治療の効果を認めてあげても構いませんが、回復するにしても年単位の時間を要することでしょう。


■ 封印記憶 ■

 封印された記憶や維持対象に関する治療は、以下のようになります。


▼治療の間隔
 1ヶ月につき1度の治療を試みることが出来ます。


▼維持手段の交換
 〈心理学〉と〈薬学〉の知識がある者は、依存している対象を正式な治療薬に置き換え、それで封印を維持することが可能となります。ただし、置き換えを行うためには〈心理学〉の判定に成功し、依存対象から患者を解き放つ必要があります。説得できなかった場合、薬物を与え続けるだけでは封印を維持することは出来なくなります。


▼封印記憶の消去
 心理学的な治療によって封印記憶を消去できる可能性があります。
 
◇認識
 封印記憶の存在は、行動依存や物品依存といった表に見える影響によって発覚するものです。封印の存在が判明するまでは治療を行うことが出来ませんので、注意して下さい。

◇封印の一時的解除
 〈心理学〉の判定に成功すれば封印が一時的に解除された状態となり、1D3時間だけ患者の精神は安定したままとなります。この安定期間のあいだは、封印が解けても狂気にとらわれることはありません。また、安定期間内であれば、診察者は任意の時に再び封印を元に戻すことが可能です。
 単に失敗した場合は、封印を解けなかったというだけであり、特に影響を受けることはありません。しかし、致命的失敗を出した場合は、精神状態を安定化させることが出来ないまま、封印が解けたことになります。この時、患者は【知力】を基準とした解除判定を即座に試みなければなりません。

◇治療
 〈心理学〉の判定に成功すれば、1種類の封印記録を消去することが可能となります。これによって、その恐怖体験に関する記憶から完全に解き放たれ、フラッシュバックなども一切起こらなくなります。もちろん、維持手段によって封印を守る必要もありません。
 この判定で致命的失敗を出した時は、封印記憶を呼び起こしてしまうことになります。この時は即座に解除判定を行わせて下さい。

◇刺激
 封印の一時的解除に成功していれば、周囲から何らかの刺激を受けても記憶が蘇ることはありません。ただし、正気度判定を行うような恐怖や、封印内容に関連する強い刺激を受けた場合は、即座に解除判定を試みなければなりません。また、ダイスを振って決めた安定期間が過ぎた後は、強い恐怖を伴わない刺激を精神に受けた時でも、解除判定を行う必要があります。

◇再封印
 安定期間が過ぎる前に何事もなく治療を終えた場合は、判定なしで再封印に成功したことになり、封印は治療前と全く同じ状態に戻ります。しかし、安定期間が過ぎてしまったり、一時的解除の間に強い刺激を受けて解除判定を行った場合、封印を再び維持するためには〈心理学〉の技能による再封印に成功する必要があります。
 〈心理学〉の判定に成功すれば封印を完全な状態に戻すことが出来ますが、判定を行った側がすぐにその成否を判断することは不可能です。その後の症状を観察したり、治療時に〈心理学〉の判定に成功して、初めて封印状態を把握することが可能となります。


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正気度一時的症状長期的症状封印治療と回復

 

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