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▼基本
・判定方法
正気度判定は精神にショックを与えるような何かに遭遇した時に行います。これは正気度の値を基準に1D20で判定を行い、ダイスの目が正気度以下であれば成功となります。
・減少
正気度は判定に失敗する度に減少してゆきます。しかも、次に正気度チェックを行う際には、減少した値を基準として判定を行わなければなりません。正気度はゲームが終わった後に生き残っていれば、幾らか回復する可能性があります。
・基準
減少する値は怪物や怪奇現象ごとに設定されている数値となります。これは1/0という表記がなされており、左が判定に失敗した場合に減少する数値、右側は成功した場合の数値となります。
なお、正気度判定で致命的失敗を出した場合、正気度は通常の失敗時の2倍減少することになります。逆に決定的成功の場合は、減少する値は通常の成功時の半分で済みます。
数値 | 目安 |
---|---|
0/0 |
動揺や不安を与える程度の軽い恐怖。 |
1/0 |
死体や血痕、あるいは切断された体の一部などを見る。近親者の死を目撃する。見た目があまり邪悪でない怪物を目撃するなど |
2/1 |
動く死体を見る。激しく破損した死体に触れる。激しい拷問を受ける。恐ろしい魔道書の中身を理解する。見た目が醜悪な怪物を目撃するなど |
4/2 |
きわめて醜怪で強力な怪物を目撃するなど |
▼慣れ
1時間、あるいは1日など、一定の期間のうちに同じ恐怖にさらされた場合、刺激になれてしまうことがあります。この場合は、その対象を見て失う正気度の最大値(正気度判定で致命的失敗を出した時の数値)を超えるポイントを失うことはありません。どのくらいの期間が適切かは、キーパーがシナリオや状況に応じて任意に決定します。ただし、接触など異なる刺激が与えられた場合は、別の恐怖として取り扱っても構いません。
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▼基本
正気度が失われてゆくと、探索者の精神は徐々に狂気へと近づいてゆきます。
段階としては、
動揺 → 一時的狂気 → 真の狂気
という順に進んでゆきますが、いきなり真の狂気に陥ることもあります。
▼瞬間動揺
・回復判定
動揺している間は、プレイヤーは次に取りたい行動を決めた後で、再び正気度判定を行わなければなりません。この判定のことを回復判定といいますが、これに成功しなければ探索者は慌てふためいたまま、その場でおろおろしてしまいます。なお、回復判定に失敗しても正気度が減ることはありません。
▼動揺
1回の判定で正気度が1〜2ポイント減少した時は、探索者は激しい動揺に陥ります。ダイスで決定した時間のあいだは、思うように行動することができません。
・期間
通常シーン:1D6分
戦闘シーン:1D6×10秒
・回復判定
動揺している間は、プレイヤーは次に取りたい行動を決めた後で、再び正気度判定を行わなければなりません。この判定のことを回復判定といいますが、これに成功しなければ探索者は慌てふためいたまま、その場でおろおろしてしまいます。なお、この判定に失敗しても正気度が減ることはありません。
・気絶
最初の正気度判定で致命的失敗を出し、なおかつ1D6で出目が6だった場合は、その探索者は気絶してしまうことになります。気絶はそれぞれ6分(通常)/1分(戦闘)のあいだ続きます。しかし、それが過ぎた後は回復判定に挑戦することができ、判定に成功すれば自然に目覚めます。また、他の人間が応急手当の判定に成功すれば、すぐに覚醒させることが出来ます。ただし、目覚めてから10秒の間は、起き上がって周囲の状況を把握する程度の行動しか取ることが出来ません。
▼一時的狂気
1シーンの間に正気度が3ポイント以上減少した場合、その探索者は一時的狂気に陥ります。この間、プレイヤーは一時的に探索者を行動させることはできなくなり、探索者はキーパーの管轄下に置かれることになります。
・期間
一時的狂気は、1D6×10分の間続きます。
・症状
キーパーは恐怖の内容に見合った症状を指定し、それをプレイヤーに演じさせます。状況によっては気絶したり逃亡したり、あるいは恐怖を忘れるために一時的に恐怖の対象と同化しようとすることもあるでしょう。これらの症状はたとえ回復した後でも、恐怖として探索者の精神にうっすらと刻み込まれたままとなります。
▼真の狂気
1セッションの間に、合計で自我以上の正気度を失った探索者は、真の狂気へと陥ることになります。
・期間
この効果は、精神科医などの治療によって回復するまで、延々と続くことになります。この状態になってしまうと、その探索者は全くの無能となってしまいます。
・症状
症状は1D20でランダムに決定されます(狂気表)。仮に後で回復したとしても、これらの症状は探索者の精神に深く刻み込まれたままとなってしまいます。同じような恐怖に遭遇した際には、それに対して恐怖を感じるため、原因が取り除かれるまではあらゆる技能判定に1D6のマイナス修正を受けてしまいます。
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▼基本
恐怖による精神的ダメージを一時的に封印することで、発狂するまでの時間を引き延ばすことが出来ます。封印は同じ傾向の恐怖対象ごとに記録され、ダメージも別々に封印することになります。ただし、封印ダメージの合計は必ず自我を下回らなくてはなりません。
・封印のタイミング
封印はプレイヤーの判断で自由に行うことが出来ますが、封印するかどうかの選択は正気度にダメージを受けた直後にしなければなりません。
・封印判定
封印を行う場合は、知力判定に失敗しなければなりません。判定に成功してしまった場合には、恐怖の対象を正しく認識できたことになり、ダメージを封印することは出来なくなります。
・記録内容
封印対象は恐怖の種類ごとに別個に扱われることになります。保存時には、恐怖対象、封印ダメージ、維持手段について記録しておく必要があります。また、同時に封印ダメージの合計もメモしておいて下さい。
▼封印ダメージ
封印対象には正気度に受けたダメージを保持しておくことが出来ます。ゲームの中ではこれを封印ダメージと呼びます。
保持するダメージはプレイヤーが任意に決定することが可能です。全部で6ポイントの正気度ダメージを受けた場合には、1〜6ポイントのうちから自由に封印するダメージを決めて構いません。ダメージを全て封印しなかった場合は、余った分だけ通常と同じように正気度が減少し、精神に何らかの影響を被ることになります。
・ダメージの累積
同じ種類の恐怖について封印する場合は、ダメージは封印を行う度に累積してゆきます。
・封印ダメージの上限
全ての封印ダメージの合計は自我を下回らなければなりません。自我以上となった場合は、自動的に全種類の封印が解けることになり、真の狂気へと陥ってしまいます。
・動揺
一度に受けた正気度ダメージを全て封印した場合でも、10秒間は自動的に動揺状態に陥ります。この時に限って、最初の正気度判定で致命的失敗を出していても、気絶せず瞬間的に気が遠くなるだけで済みますが、受動的行動も含めて10秒間は全く行動不能となってしまいます。
・治療
封印されたままの正気度ダメージについては、心理学的な治療や経験点による回復は一切できません。治療を行うには一時的に封印を解く必要があります。
▼封印の維持
封印後に何も処置を施していない場合、封印は自動的に解けてしまうことになります。封印が解けないようにするためには、特定の維持手段を継続的に施さなければなりません。
・封印の維持
封印を維持する手段には以下のようものがあります。手段の選択はキーパーに一任されます。認めたくない種類の封印手段は採用しなくて構いません。
薬物/他者依存/物品依存/行動依存/情報遮断/麻痺/人格の解離...etc.
封印を行った場合は、維持手段に依存して過ごさなければなりません。依存の程度については、キーパーが任意に判断して決定して下さい。基本的には、ゲームの進行が妨げられるほど強い依存状態をつくるべきではありません。あくまでもゲーム上のアクセントとして、あるいは判断時におけるジレンマとなるような使い方をするべきでしょう。
・例外的手段
麻痺や情報遮断などによってダメージを封印する場合は、恐怖を受けた時点で一時的に精神に異常をきたすことになります。ただし、一時的狂気よりはずっと期間が短く、せいぜい1D6分程度で正しい判断を下すことが出来るようになります。キーパーは状況に応じて適切に描写を行って下さい。
▼維持手段
・薬物
酒や麻薬に依存することで、一時的に影響を回避することができます。しかし、いずれ薬物中毒になって、医者の世話になることでしょう。
・他者依存
他人から慰められたり肌を交えるなど、他者に依存していなければ強い不安に襲われることになります。1人でいる時間が長くなると、解除判定を行わなければならなくなります。
・物品依存
人形を抱えたり特定の匂いを感じていなければならないなど、何らかの物品に依存しなければ精神を安定させることが出来ません。
・行動依存
特定の行動を繰り返したり潔癖性になるなど、何らかの事柄を達成することに神経を傾けます。それが達成できない状態に置かれた場合、解除判定を行わなければならなくなります。
・情報遮断
恐怖に触れたこと自体を忘れてしまったり、得られた情報を認識しないことで、自分の心を守ることが出来ます。これによってダメージを封印した場合は、対象のことを思い出すことは出来ません。何か記憶を蘇らせるような事実に出会った場合は、解除判定を行わなければならなくなります。
・麻痺
気絶や感覚遮断など、一時的に外界からの情報を遮断することで心を守ります。これは自分の作用による外界からの遮断なので、心理学的治療によって取り戻されます。失われたものを取り戻した場合は、解除判定を行わなければならなくなります。
・人格の解離
一般的に多重人格と呼ばれる状態に陥ってしまいます。人格の切り替え条件については、キーパーとプレイヤーが相談して行って下さい。
▼封印の解除
・解除判定
維持手段に依存できなくなった場合、知力を基準とした解除判定を行わなければなりません。判定に成功した場合は保持されている恐怖が蘇ることになります。
・フラッシュバック
封印している恐怖と同じ種類の刺激、もしくはよく似た恐怖が与えられた場合にも、キーパーの判断で解除判定を行わせることが出来ます。
・解除時の狂気段階
封印が解除された場合は、保持されている封印ダメージが正気度に与えられることになります。狂気段階はその時のダメージによって判断して下さい。なお、解除時に受けるダメージを再び封印することは出来ません。解除判定に成功した場合は、自動的に何らかの精神的影響を受けることになります。
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発狂状態となってしまった探索者は、心理学的な治療を行うことによって正気度ダメージを回復したり、一時的に落ち着きを取り戻すことができます。
▼短期的治療
・心理学
心理学の判定に成功すれば、一時的狂気および真の狂気に陥っている者を、約1日の間だけ正気にしておくことができます。なお、この判定を行うことができるのは1度だけで、最初に行った人の結果だけが適用されます。
▼長期的治療
真の狂気に陥ってしまった探索者は、自宅療養や精神病院に入院するなどして、時間をかけて癒さなければなりません。周囲から刺激を受けるような場所に置かれた場合は、いつまで経っても回復することはありません。
・自宅療養
自宅の落ち着いた環境でカウンセリングを受けながら治療を行えば、少しずつ正気を取り戻すようになるでしょう。
・精神病院
きちんとした設備のある病院に入院した場合、自宅と同様に落ち着いて治療を行うことが出来ます。
・判定
心理学の判定に成功すれば、1ヶ月に患者の正気度を1ポイント回復することができます。しかし、致命的失敗を出した場合は、逆に1ポイントの正気度を失います。
・精神状態
判定に成功しているかどうかは、治療を行った側ではわかりません。判定に成功した月は、特に周囲から刺激を受けなければ平静を保って生活することが出来ますが、失敗した月は何か問題を起こしてしまう可能性があります。
▼封印ダメージの治療
封印ダメージは正気度に与えられているダメージとは別個に扱うもので、異なる過程を経て治療を行います。
・期間
1ヶ月につき1度の治療を試みることが出来ます。
・封印の解除
心理学の判定に成功した場合は、封印が一時的に解除された状態となります。この時に限って、封印が解けても正気度にダメージが戻ることはなく、狂気にとらわれることもありません。しかし、心理学の判定で致命的失敗を出した場合は、知力を基準とした解除判定を即座に試みなければなりません。
・治療
封印が一時的に解除されている状態であれば、通常の精神治療と同じように封印ダメージを癒すことが可能となります。心理学の判定に再び成功すれば、封印ダメージを1D3ポイント回復することができます。しかし、致命的失敗を出した場合は、逆に1ポイントのダメージが封印ダメージとして蓄積されます。
・精神の安定化
封印の解除に成功していれば、1D3時間だけ患者の精神は安定したままとなります。この間は、周囲から何らかの刺激を受けても、封印が解除されることはありません。ただし、正気度判定を行うような恐怖や、封印対象に関連する強い刺激を受けた場合は、知力を基準とした解除判定を試みなければなりません。解除判定に成功した場合は、封印が完全に解けてしまうことになります。
また、ダイスを振って決めた時間が過ぎた後は、恐怖を伴わない精神的な刺激を受けた時でも、解除判定を行う必要があります。これを防ぐためには、心理学の技能による再封印に成功しなければなりません。
・再封印
治療後に心理学の判定に成功すれば、封印を再び完全な状態に戻すことが出来ます。ただし、維持手段への依存は継続されており、これを止めれば封印はいずれ解除されることになります。
再封印に失敗した場合、判定を行った側がすぐにその成否を判断することは出来ません。その後の治療時などに心理学の判定に成功して、初めて精神状態を把握することが可能となります。
・維持手段の交換
心理学と薬学の知識がある者は、依存している対象を正式な治療薬に置き換え、それで封印を維持することが可能となります。ただし、置き換える前に心理学の判定に成功して、依存対象から患者を解き放つ必要があります。説得できなかった場合は、薬物を与え続けるだけでは維持することは出来なくなります。
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SacrificeSyndrome-Rule