pt.1-1
門司港出航
昭和19年7月3日(1944 )

Copyright (c) 1978 Katsusaburo Watanabe

暗闇の関門海峡を通過
歓呼の声も何もない祖国との別離だった。

注:1944(昭和19年)5月、 満州の興凱(現在は中国黒龍江省)にいた勝三郎達の野戦重砲第五連隊に動員命令がくだった。 釜山を経由して門司港へ着き,そこから南へ向けて出航したものの戦況は険しく、 目的地へ無事に着けるかさえ危ぶまれる状況だった。

戦況は終盤をむかえていた。この年ビルマからインドへ攻め込んだ日本軍の インパール作戦はすでに大敗をしており、出航の翌日、7月4日には全軍退却が決まろうと していた。彼らの連隊はその後方支援のために派遣されたと思われる。

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