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このコーナーでは、リボーン会員の皆様からの声をオープンにして、質問には適切に、意見には真摯に、おこたえしています。
これまで、『Reborn』誌上でリボーン運営委員代表の江部康二が皆様の質問にお答えした分をアップしました。
さらに、リボーン運営委員各氏(江部康二、平馬直樹、幕内秀夫、曽我部ゆかり)へのご質問も承っております。また、「あの先生に質問したいっ!」と特定の方へのリクエストがあれば、運営委員以外のお医者さんや医療関係者でも、『Reborn』編集部がアタックしますので、お寄せください。ただし、回答は会員優先とさせていただきますのでご了承ください。
1(件名):入院して良くなっても日常生活に戻ると悪化してしまうのですが…。(『Reborn』68号・2003年5月発行より)
Q:はじめまして。私は、神奈川県に住んでいる二十九歳の女性です。幼い頃から肌は弱かったのですが、日常生活に支障をきたすことはありませんでした。
会社に勤めはじめて半年経ったあたりから、顔だけではなく体にも症状がでるようになってきました。自宅近くの皮膚科でステロイドを処方されて使用し、なんとか症状を抑えている状態でした。
ある時、ステロイドの副作用のことを耳にし、私自身ステロイドを使用するのが怖くなってしまい、勝手に中断しました。その結果、リバウンドにあってしまい、結局都内の大学病院に入院することになってしまいました。入院し、その時は症状が改善したのですが日常生活に戻るとまた症状が悪化するというのが現状です。
現在も都内の大学病院に通院しているのですが、平日に通院しなければならず、仕事にも支障がでてきています。
A:たしかにどんなにひどいアトピー症状でも、入院治療すれば数日で改善します。しかし退院するとまた症状がでてきてすっきりしない、というのがよくあるパターンです。高雄病院でも以前は似たようなケースがよくありました。
それで、これではいけないということで「アトピー学校」を立ち上げたのです。アトピー性皮膚炎は自己管理がとても大事な病気です。入院中のいい状態を退院しても保てるかどうかが、自己管理の技にかかっているのです。「アトピー学校」で入院中に自己管理の方法を学んでもらうようになってからは、明らかに再悪化する患者さんが減りました。
埼玉県のリボーン会員、おえっちさんのお便りにも、そのことが書いてあります。またすっかり良くなった男性から「高雄病院でアトピーを治してもらったというより、アトピーの治しかたを教えてもらいました」というメールが送られてきて自己管理の大切さを再認識したこともあります。
長期的に見てアトピーは治ることもありますが、しばらくつきあうことになる場合もあります。つきあう場合は「生活の質」が保てるように、症状をコントロールすることが必要です。それはステロイド外用剤やプロトピック軟膏や漢方薬を併用しつつ、食養生などライフスタイルを見直すことで充分可能です。しっかり治療に取り組んでいきましょう。(高雄病院 江部康二)
2(件名):赤ちゃんのうちから顔が赤いのですが、ステロイド外用剤の副作用との関係は?(『Reborn』68号・2003年5月発行より)
Q:メールにて先日問い合わせをしましたG県のFと申します。お返事を頂きすぐに冊子がつきました。ありがとうございました。
三歳の息子は、調子の良い時はまったくアトピーのかけらもないほどですが、乾燥の季節や調子の悪い時、発熱した時などにひどくなります。
今まではステロイド外用剤に対して疑惑の目で見ていましたが、ここひと月ほど思い切って使ってみて驚くほどきれいになって、もっと早く使っていれば、こんなに長引かせることはなかったかも・・・と感じています(生後一カ月からでたりひいたりです)。
ただ、やはりこの季節なので、でたりひっこんだりしています。とくに、こめかみやおでこ、首の後にでています。スギ花粉にアレルギーがあるので、これからもっと不安定になるとみています(去年は顔中まっかでした)。
冊子に、ステロイド外用剤の副作用として、温度差で顔が赤くなるとありましたが、息子は赤ちゃんの頃からそうです。もちろんステロイド外用剤は使っていない頃です。発熱で体温が上がっても、アトピーのところが赤くなります。冬場のデパートなど最悪です。
ステロイド外用剤を顔に使ったのはここひと月ですし、炎症が治まればワセリンにしていますので、違うとは思うのですが、とくにこの季節、暖房の効いた室内に入ると顔が真っ赤になります。ステロイド外用剤をぬっていない頬などもふくめ顔全体が茹でタコ状態です。
医師の診察では、「小さいうちは体温調節がうまくいかない子もいるから成長を待てば大丈夫」とのことですが、もしや副作用? と思うと心配です。
このような相談はこちらでうけつけていただけるのでしょうか? なにかよいアドバイスなどあればと思います。
現在、身体は落ち着いていて、こめかみ、おでこにキンダーベート二日、あと三日はワセリンで、三日頃からまた赤くなってくるといった感じです。
A:ステロイド外用剤の副作用の起こりはじめとして、それまでそういうことがなかったのに、温度差で顔が赤くなることがあります。しかし、ステロイド外用剤とは一切関係なくもともと温度差で顔が赤くなるタイプの人がいます。息子さんは赤ちゃんの頃からなのでこのタイプなのでしょう。したがってステロイドの副作用ではありません。
4群のステロイド外用剤であれば顔面でも連続四週間までは副作用はでないとされています。キンダーベートは4群のステロイド外用剤です。
キンダーベートを二、三日ぬって、ワセリンを五、六日ぬってくらいでいけるようになるとより安全です。なかなかステロイドが空けられないときはプロトピック軟膏の使用も視野にいれましょう。二〇〇三年九月には二歳から十五歳も保険収載される予定です。
それからいわゆる「赤ら顔」は病気ではありませんが気になる症状ですよね。かかりつけのお医者さんのおっしゃるように、成長とともに改善することもあります。また漢方薬で赤ら顔やのぼせが治ることもあるので試す価値はあると思います。(高雄病院 江部康二)
3(件名): アトピーの治療について。(『Reborn』68号・2003年5月発行より)
Q:はじめまして。三十四歳の二人の小さい息子のいる主婦です。アトピーのホームページを検索していたら、このページを見つけました。
自分の受けているアトピーの治療に疑問を感じているので、ここで相談させて頂いてもいいものか迷ったのですが、メールさせていただきました。
去年一月から、今まで通っている皮膚科で、パンテル軟膏とヒルドイトを重ねぬりする方法で指導されています。
通いはじめは腕の一部と足のすねの一部のみだった湿疹が、夏頃から、目の周りがパンダのように赤くなって、かゆみも強く右目の眉毛が半分なくなってしまいました。
秋になると背中、腿、お尻、胸、脇、と、いままで、本当につるつるだった体が、まるで水疱瘡にかかったかのように赤く湿疹ができてしまいました。
現在も、相変わらずの状態で、ぬり薬の変更もありません(ひどいときはクラリチン錠を飲む)。
話もよく聞いてくれていて良い先生だとは思うのです。ただ、毎日パンテルとヒルドイトをぬっていても良くなっていく気がしないのにこのまま続けていてもいいものかどうか悩んでいます。
また上の子ども(五歳)もアトピーがひどく、顔とおちんちんにロコイド軟膏を、体にはパンテル軟膏をぬっています。長いメールで、すみませんでした。ご回答をよろしくお願いいたします。
A:『ステロイドの上手なぬりかた・やめかた』にも書きましたが、ステロイド外用剤は毎日ぬり続けると、慣れを生じて段々効かなくなります。パンデル軟膏は2群のステロイド外用剤ですので、連用して半年ぐらい経つと効果がほとんどなくなってきます。かといって急に中止するとリバウンドになります。
今後、ステロイド外用剤は「短期集中してぬって、炎症が退いたら必ず保湿に切り替えて」といった間歇的なぬりかたにするのが良いと思います。
また妊婦、授乳婦でなければプロトピック軟膏を使用するのも良いと思います。とくに顔、首はプロトピック軟膏が第一選択剤です。『プロトピックの上手なぬりかた』を参考にしてください。
なおヒルドイドは保湿剤、クラリチンは抗アレルギー剤、ロコイドは4群のステロイド外用剤です。(高雄病院 江部康二)
4(件名): HPを見て「ステロイド=悪」という図式が崩れました。(『Reborn』69号・2003年7月発行より)
Q:このメールが江部康二先生に届くことを願います。ホームページ読ませていただきました。本当に共感しております。
子どもにアトピーの症状がでてから二カ月余り、その治療法に迷い苦悶し、様々な情報収集をしてきました。そこで得たこととは、大抵のアトピーとはもともと乾燥性の肌に外因が重なって引き起こる慢性病であって、ステロイドというホルモン剤を使う治療法は臭いモノにフタであり、根本的な原因を排除する薬ではない、ということです。
この考えは先生のホームページをうかがってもそう変わってはいません。しかし、一時的に炎症を抑え、湿疹の慢性化を防ぎ、その間に皮膚の再生をうながす、ということがわかってはいても、ステロイドの副作用と天秤にかけたら使わないほうがいい、という考えだったのが徐々に変わってきました。
だからといって、すぐにステロイド治療に移行するには良い医者を知らない上に、子どもの場合、原因が極度の乾燥に加え、プールでの塩素の刺激であることがわかっているので、まずそこからやってみようという気で、いままでも、これからもやっていこうとは 思っています。
しかし、「ステロイド=悪」という図式が自分のなかで崩れたこと、これはものすごい啓蒙だったと先生に感謝します。(アトピーを持つ母親より)
A:ステロイド外用療法はたしかに対症療法であり、根治療法ではないと考えられて来ました。当初、高雄病院でもステロイド外用剤はまったく使用していませんでした。しかしながらステロイド外用剤の位置づけが一九八九年頃にはっきり変化しました。これには気管支喘息の治療法の進歩が関わっています。以下にその概略を記します。
<気管支喘息の考え方とその変遷>
かつて喘息は「気管支が収縮したら発作が起きる。そして発作が治まったらきれいさっぱり正常の気管支の状態に戻る」と考えられていました。しかし最近の考えかた(一九八八年頃から)では、発作がない時でもベースに慢性の気管支の炎症が存在していて、そのため気管支がちょっとした刺激(温度差、タバコ、感冒、ほこり…)で収縮しやすい状態であることが解ってきました。
この炎症は、好酸球(白血球の一種)が増加していて、アレルギー性炎症と呼ばれています。アトピー性皮膚炎の炎症もこのアレルギー性炎症です。そしてこのアレルギー性の慢性炎症をコントロールする最強の薬剤はステロイド剤なのです。
一九九〇年代になり日本でもこのような考えが徐々に定着していきました。一九九三年の日本アレルギー学会の気管支喘息のガイドラインで、ステロイド吸入療法の有用性が取り上げられ、「喘息予防・管理ガイドライン一九九八年」では吸入ステロイド薬が喘息治療の主役を演じています。
実際、高雄病院でも、ステロイド吸入療法を積極的に導入してからは、喘息発作で入院する患者さんは約一/一〇に減少しました。一九九〇年代半ばからはステロイド吸入薬や他の西洋薬でコントロールして生活の質を保った上で、漢方薬や食養生で根治につなげていくというパターンが定着してきました。
また、二〇〇二年度のスウェーデンの文献で、小児期から積極的にステロイド吸入剤で治療を継続していったグループのほうが、発作時だけ治療したグループに比し、統計的にはっきり有意さをもって、大きくなって根治していく確立が高いことが証明されました。
すなわちステロイド吸入剤で、アレルギー性炎症をコントロールしてやることが、根治につながる可能性が示唆されたのです。
<アトピー治療とステロイド外用剤>
高雄病院に私が就任した一九七八年から一九八五年くらいまでは、ステロイド外用剤は使用しない方針で、患者さんから一気にステロイド外用剤を中止したいという希望があれば、それに応じていました。その結果リバウンドを発症する人が大勢いて、入院して治療しても、浸出液・腫れ・発熱・掻痒・痛み・落屑など全身火傷状態はそう簡単には改善せず、患者さんもスタッフも医師もとてもつらい耐えがたい思いをしてきました。
このつらい数年間の経験を経て、一九八六年頃からはステロイド外用剤をすでに使用している時は、一気に中止することは絶対に避ける方針にはっきり変わり、徐々に減量・離脱を目指すようになりました。そして一九八九年からは、はじめて<必要な時は使う。使ったほうが良い場合がある>という、ステロイド外用剤に対してポジティブな考えかたに変化しています。
これは一九八八年に心理療法を導入して、アトピー治療の考えかたが柔軟になったこと、生活の質を保つことの大切さを認識したこと。喘息治療の考えかたの影響及び実際に徐々に減量・離脱できた例の経験を積み重ねたことが大きかったのです。
さらに気管支喘息と同様にアトピー性皮膚炎においても「炎症をコントロールし続けることが根治につながる」可能性が高いと考えられます。ステロイド外用剤を使用したグループと使用しなかったグループとを足かけ二十五年診てきてそう思うようになりました。
いまでも患者さんと話し合った上で、どうしてもステロイドをぬりたくないという希望であれば、それを優先します。
しかし私は「ステロイドは良い薬であり、いかに上手に使うかが医師の腕の見せどころ」とはっきり認識しています。
5(件名):海水療法はなぜ効くのか、医学的な根拠はあるのでしょうか?(『Reborn』69号・2003年7月発行より)
Q:どうにか効果のある民間療法がないかと思い、海水療法が良いと聞いて、「にがりを薄めて患部にぬる」という粗治療をしています。しかしこれがなぜか、ものすごく効くんです。なぜでしょうか?
このタイプの民間治療は医療知識のある医師にとっては眉唾ものだと思いますが、結果が驚くほどでるので、それは医学的にどのように説明できるのかぜひ教えていただきたいのです。本当に目に見える結果がでることに、当然理由があるように思えてなりません。
では乱文失礼いたしました。先生の益々のご活躍期待しております。(アトピーの子を持つ母親より)
A: 国立小児病院でも夏休みに「海水浴療法」が行われて、それなりの成果をあげています。私の患者さんにおいても結構多くの人が海水浴に行くと症状が良くなるとおっしゃいます。
人間の血液の血漿成分は海水と近いものが多いので悪い影響はまずないでしょう。なぜ効くのかははっきりしません。もちろん効かない人もいます。多くの民間療法、代替療法がありますが、効くこともあれば効かないこともあります。
高雄病院が治療の中心においている漢方療法も西洋医学からみれば代替療法です。私は西洋医学と漢方医学はどちらが優れているというより、相互に補完しあい役割分担をしていけばいいと考えています。
代替医療に関してはアメリカのNIH(国立衛生研究所)で、一九九九年から「なぜ効くのか」といった研究が積極的に行われています。なぜ効くかよくわからない治療法は世の中にたくさんあって、それが本物かどうか確認する作業でもあります。西洋医学でも本当に効果があるのかどうか再確認する作業が近年行われていて、EBM(evidence based medicine)、証拠に基づいた医療と呼ばれています。
「にがりを薄めて患部にぬるという粗治療」が子どもさんに有効であるなら、結構なことなので続けていかれたら良いと思います。ただ他のお子さんにすべて効くとは限らないことは知っておきましょう。
高雄病院で目指しているのはできるだけ健康保険の範囲内で「九割五分以上の患者さんが確実に生活の質を保つことができ、しかも副作用もない」治療法です。そのなかで患者さんによって自分にあった治療法(高額でないものです)を独自に併用されるのは構わないと思っています。(高雄病院・江部康二)
6(件名):子どもへのプロトピックの使いかたのコツは?(『Reborn』69号・2003年7月発行より)
Q:メールにて失礼します。毎号送られてくる『Reborn』をすみからすみまで読んでいます。『Reborn』掲示板を読んでお便りします。八歳と二歳のアトピー、喘息とアレルギーバリバリの子どものいる親です。
二歳の娘は去年のいまごろから(一歳五カ月)、治まっていた(乳児の時顔が真っ赤でした)顔にアトピーがでてきました。
大きな大学病院に通い、ステロイド外用剤をぬっていたのですが、目の周りも痒がり、顔に無数の細かなかき傷があるので、まだ認可されていないけれど、今年には認可されるからと(二〇〇三年一二月小児用が発売されています)プロトピック軟膏(チューブ)を処されました。
私自身、『Reborn』を読んでいましたので、迷わず使いはじめました。冬場、少し落ち着いてきて先生からも「そろそろ治る時期かも」といわれていましたが、また五月くらいからひどくなってきました。
とくに目の周りと耳の前のほう(耳全体をかいてそのまま手が行く)がひどいです。ほとんど夜中にかいている状態です。えぐって流血しているところはステロイド外用剤でもひっかき、亜鉛華軟膏をぬったりしています。
ただ、プロトピック軟膏をぬっているので、一見すると、ひっかき傷の多い肌の弱い子という感じですが、ぬらなかったらスゴイ状態になっていると思います。
当たり前のことですが、認可されていないのですから、情報もありません。三分の一の量になるということで、気持ちの問題かもしれませんが、アズノールを薄くぬってからつけています。
赤みがひき良くなったと思ったら、違う顔の部分が赤くなるという繰り返しです。せめて顔だけは良くなってほしいというのが本音です。
膝裏、肘もひどかったのですが、最近は顔をひっかくせいか、ステロイド外用剤をぬる範囲が少なくなってきたほどです。
二歳を過ぎて、とくに顔に湿疹ができる原因はどういうところにあるのでしょうか? ぬりかたのポイントは子どもの場合、どういうことに注意したらいいのでしょうか?
少々のひっかき傷は子どもだからこの程度は、と考えるべきか、いい状態を続けていくと肌が良くなっていくものなのか、判断がつかないところがあります。
プロトピック軟膏を使用しているので、夜中にかいてはいますが、かいてかいて日常生活ができないという状態ではありません。
長いメールを失礼いたしました。曽我部さんの体験記、読みました。人の体験記は本当に勉強になります。続きを楽しみにしています。(リボーン会員/H・Tさん/神奈川県在住)
A:「二歳を過ぎて、とくに顔に湿疹ができる原因はどういうところにあるのでしょうか?」というご質問ですが、赤ちゃんや乳幼児の場合、顔面はアトピーの皮疹のできやすいところです。原因ははっきりしないこともありますが、髪の毛・汗・ヨダレ・食べ物が付着・掻爬・・・といった外部刺激によることが多いです。
また、顔はいったん皮疹ができると、掻きむしりやすい場所なので、掻いて皮疹が悪化してまた掻いてという悪循環を生じやすいのです。
次に、「ぬりかたのポイントは子どもの場合、どういうことに注意したらいいのでしょうか?」ですが、二〇〇三年一二月に二歳から十五歳の小児にも保険適応になる予定です。小児用は成人用に比べると三倍に薄めてあります。
したがって高雄病院では<プロトピック五グラム+ワセリン十グラム> の比率に薄めて小児に使用しています。
ぬりかたのコツはまず四群のステロイド(アルメタ、ロコイド、キンダーベート)を朝晩二回しっかり顔・首の皮疹のでている部位に四日間連続でぬることです。その後五日目から三倍薄めにした<プロトピック五グラム+ワセリン十グラム> に切り替えて、一日一、二回ぬります。プロトピックをぬりはじめたら毎日連続で四週間くらいは続けます。
この間たまたま掻いて悪化したら再びステロイドをぬってプロトピックに切り替えるという手順を繰り返します。数日で良くなってもだめ押しで、その後も二週間はぬり続けたほうが経過がいいです。
ステロイドは短期間(三〜七日間)集中的にぬりますが、プロトピックは長期連用が可能です。四週間くらいプロトピックをぬり続けると、皮膚のバリア機能が回復してアトピー特有の乾燥肌がしっとり肌になっていきます。
上記のようなぬりかたをすれば、お子さんの顔も「赤み・痒み・傷なし」となる可能性が高いです。大人も子どもも原則は一緒なので、『Reborn』別冊『プロトピックの上手なぬりかた』を参考にしてもらえば幸いです。(高雄病院・江部康二)
Q:江部康二様 曽我部ゆかり様
お忙しいなか、早速のご返事をいただき、ありがとうございます。
「顔はいったん皮疹ができると、掻きむしりやすい場所なので、掻いて皮疹が悪化してまた掻いてという悪循環を生じやすい」とあり、まさにズバリそういう感じがします。
「プロトピックをぬりはじめたら毎日連続で四週間くらいは続けます」「数日で良くなってもだめ押しで、その後も二週間はぬり続けた方が経過がいいです」は、思っていた以上の長さでした。
そうすると「赤み・痒み・傷なしとなる可能性が高いです」と書いてあり、希望を持って頑張っていきたいと思います。
実のところ、お忙しいのに本当に江部先生からメールが届くのだろうかと少しワクワクしながら待っていました。このメールをいただいて、私の精神的な面がすごく楽になりました。
長女がいまの次女くらいの時、一時、治まっていたアトピーがひどくなり、ステロイド外用剤を使わない方法(民間療法なども)をいろいろ試したことがあります。
私自身が精神的につらい時に本屋で見つけたのが江部先生の『アトピー治療の新しい道』(編集部注:風濤社刊)で、それ以後も神奈川で『Dr.江部のアトピー学校』(編集部注:上下巻・NEC メディアプロダクツ刊)を読んでいます。
といっても、江部先生の本を読みつつ、あっちで良くなったという話を聞けば「なになに…」と聞いてみたり、お風呂に備長炭を入れたり、ちょっと高いダニの入らない布団を購入したり、腸内細菌かしらとヤクルト飲んでみたり、曽我部さんの育児奮闘記を読めば、やってみようかと思ったり、寄り道をいっぱいしています。
曽我部さんは少しこの気持ち、わかっていただけますか? 梅雨のじめじめした季節がしばらく続きますが、お体に気をつけてくださいませ。では。
A:大変良くわかります。私なんてもう十年もアトピー・ネットワーク・リボーンの仕事をしていて、江部康二さんや平馬直樹さん、幕内秀夫さん、のお話をたくさんたくさん聞いて、原稿もたくさんたくさん書いて来たのに、いざ、自分の子どものこととなるとうろたえるばかりで、あれもこれもノという感じでした。たとえ理論的にはあやしいものだとわかっているような療法でも、その時の自分の心にすっと入ってくるものがあるとついふらふらしてしまうということも体験を持って知りました。しかも、スキンケアのためには、本当にたくさんの商品を求めて使ってきました。そのデータも機会を見つけてまとめてみたいと思ってます。やはり頭でわかることと実体験でわかる、ということは、まったく別だということを身を持って痛感している今日この頃です。いろいろ迷うのも我が子かわいさなのだと思っています。(二〇〇三年六月十五日・『Reborn』編集・曽我部ゆかり)
Q :曽我部さんのお子さんの体験記と育児奮闘記、拝見いたしました。いま一歳八カ月になられたとのことですが、まだまだ手のかかる時期ですね。私の子どもも十歳になりましたが、四歳半までは毎晩痒がって夜中に何回も起こされ、除去食もしていましたので、ノイローゼになりそうな日々でした。いま振り返るとよくあんな生活ができたものだと思います。幼稚園に入園してから、ようやく夜中痒がって起きることもなく、軽い喘息のあった時期や皮膚炎の良い時、悪い時の繰り返しでしたが、それなりに過ごせてきましたが、昨年の六月より毎晩痒くて起きるようになり、何軒もの病院に行ったり、保湿剤をいろいろ試してみたりと、原因もわからず混乱の日々でした。ステロイド、スキンケアの方法も医師によってまちまちでどれを信じて良いのか途方に暮れてしまいました。医師の言葉に傷ついたこともありました。そんな折りに、アトピー・ネットワーク・リボーンのことを知り『ステロイドの上手なぬりかた・やめかた』のブックレットを読ませていただき、とても納得のいく内容でした。
現在は、一度ステロイドで全身症状を改善し、朝番のスキンケアをていねいにしてからは、肌もきれいになりました。そのおかげでいまは保湿剤(取り寄せ商品)にお金がかかって(子どもが大きくなるとぬる量も多くなるのですぐなくなってしまうのですよ)、どうしようと思っていた時に曽我部さんの育児奮闘記に「ナチュラルサイエンス」のことが載っていたので、ただいまパンフレット・試供品を取り寄せ中です。
とりとめもなく自分のことを書いてしまいました。これから鬱陶しい梅雨、暑い夏がやってきますが、母子ともお体を大切にしてください。
A:励ましのお言葉ありがとうございます。
うれしく拝見しました。私もまだ授乳していることと、子どもが夜中に汗でかゆがって目を覚ますので、一晩に二、三回起きています。いまは毎日あわただしく過ぎていくので、弱音をはいている暇もない、といったところですが、子どもの湿疹自体は相当良くなっていて、いまの時期は汗疹がでてしまうのでその対策です。着替えとシャワーを小まめにし、ローションをつけてあげたりしています。夜中に目が覚めた時には、痒いところに蒸しタオルを当ててポンポンと軽く叩いてあげたりしています。
ある雑誌で、麻疹などの湿疹に紅絹のお手玉でポンポン叩くと気持ちが良い、という記事を読み、近所の呉服屋さんで紅絹をわけてもらってきました。紅絹や昔は非常に一般的な生地だったらしく、着物の裏地に使われていたのだそうですが、いまでは滅多に手に入らないようですが、ヒンヤリとした感触がとても気持ちがいいので、裏地に使われていたのだそうです。この生地でお手玉を作っておいてあげようと思っているところです。紅絹のお手玉のことが書かれた記事がとても良かったので、なんとか『Reborn』に転載できないか、著者の方と発行元の出版社にお願いしてみようと思っています。ではお返事まで。(曽我部ゆかり)
7(件名):思い切ってステロイドを使ったのに、湿疹が悪化したのはなぜでしょうか? (『Reborn』70号・2003年10月発行より)
Q :お疲れさまです。お忙しい事と存じますが、江部先生の元にこのメールが届くことを願っています。
以前「にがり粗治療」についてお便りさせていただきました。その後、息子三歳の症状は一進一退を繰り返していました。治りかけがとくにかゆいようで、治ってはかく、かいては傷を作る、といった悪循環に陥っていました。
そこで治す力がもう一押しあればと思い、今まで出来るだけ避けてきたステロイド治療に飛び込んでみよう、と意を決しました。
リボーン提携病院の一つを訪れ、「症状が局部的だし、体全体は乾燥肌のアトピー肌ではないから、まだアトピーと診察はできない」という診察を頂き、「さっと治しなさい」とデルモゾールGとオイラックスHが各一〇%ずつ配合されたステロイドとパスタロンを保湿剤として処方されました。
薬を二日間、計三回ぬったあたりで湿疹がゼロの状態になりましたので、その後は保湿剤をぬりました。しかし、四日後には再び赤いポツポツとした湿疹が、五日後には今までないような悪化のしかたをして大変慌てました。
再び病院に行くと院長不在の日で、違う医師から「もう少し様子を見てみましょう」と回答を頂き、家に帰ってから様子を見ましたが、翌日かゆがるため(保湿をせずに様子を見ると赤みが引いて治りかけでかゆがっている様子でした)、再びステロイドをぬることにしました。
今まで見たことのないような湿疹の悪化に大変びっくりしました。まさかとは思いますが、この短期間でステロイドの反復作用が悪化原因、ということはありえますか?
もしステロイドがなにかの原因になっているなら、ぬることに再び恐怖を感じます。あるいは汗かきな子どもなので(今も首の周りに汗疹が多数)、保湿剤がかえってよくなかったのか? とも思います。事実、保湿剤をしない翌日には治りかけのようでかゆがりはしましましたが、発疹自体は快復傾向でした。
今まで、市販薬でロバックSとザーネクリームを使用したことがありましたが、どちらもかぶれるような気がしました。また、ワセリンをぬっても赤くかぶれたような状態になります。なにもぬらないと、治りかけの乾燥状態のままで、かゆがってかいてしまうし、ぬるとかぶれるといった状態で、どうしたらいいものか悩んでいます。
お忙しい中、乱文読んで下さいまして感謝します。ありがとうございました。(リボーン会員/R・Sさん/東京都在住)
A:「出遅れぬり」が原因、「小火の内に消せ」です。「薬を二日間、計三回ぬったあたりで湿疹がゼロの状態になりましたので、その後は保湿剤をぬりました。しかし、四日後には再び赤いポツポツとした湿疹が、五日後には今までないような悪化のしかたをして大変慌てました」。
四日後の「赤いポツポツとした湿疹」が出現した時点で、速やかにステロイド外用剤をぬってください。すなわち「小火の内に消せ」です。二日から四日で症状がなくなるでしょう。
速やかにしっかりぬって早く火を消すのがコツです。ステロイド外用剤は短期間集中的にぬります。早ければ二、三日、長くても五、六日、七日までが目安です。
長くぬり続けると慣れを生じて効きが低下してくるので、上記のようなぬりかたが有効です。
「五日後には今までないような悪化 」
この時点でも、ステロイド外用剤をぬれば、数日で落ち着きます。
保湿剤は皮膚が乾燥していれば使用しますが、乾燥がなければ必要ありません。夏場はいらないこともあります。単なる乾燥肌で火が燃えてなければ保湿剤で人工のバリアをつくっていい状態を保ちます。
このようにステロイドを間歇的にぬって、いつも皮膚に火が燃えてない状態を保ちましょう。わざわざ悪化するのを待って、かきむしってから慌ててぬるのは「出遅れぬり」です。赤みやかゆみがあれば速やかにステロイドをぬりましょう。
「今まで見たことのないような湿疹の悪化に大変びっくりしました。まさかとは思いますが、この短期間でステロイドの反復作用が悪化原因、ということはありえますか? 」
今まで二万人以上のアトピー患者さんを診てきましたが、これは副作用ではありません。あくまでも『上手なぬりかた・やめかた』が実践されているか否かの問題です。
ステロイド外用剤を使用するなら、心理的な壁(こわい、ホントはぬりたくない…) を乗り越えて、しっかり上手にぬってください。心理的な壁を突破できるか否かも上手なぬりかたへの大きなわかれ目です。
それからロバックSは非ステロイド性の抗炎症作用をもつぬり薬です。結構かぶれることがあります。ザーネは比較的かぶれにくいのですが、たまにはあわないことがあります。ワセリンはもっとも安全なぬり薬、の一つですがそれでもきわめてまれにあわないことがあります。
いずれにせよ、ステロイドをしっかりぬって皮膚のバリア機能を改善させておくと、今まで使えなかったワセリンとかが使用できるようになることも多いです。バリアが悪い皮膚は、かぶれがなくても、なにをぬってもかゆみが生じることがあるからです。(2003年8月 江部康二)
8(件名):水道水がアトピー悪化の一要因でしょうか?(『Reborn』70号・2003年10月発行より)
Q:現在三歳になる男の子の母親です。生後まもなくから顔に乳児湿疹や脂漏性湿疹ができはじめ、現在は胴や手足にもできるようになり、なかなか治まりません。病院ではアトピーと診断されていて、ぬり薬をだしてもらっています。
食の安全性が気になって、自然食品店や生協で安全な食材を買っているのですが、マンション住まいで水道水を飲んでいることも気掛かりです。また、お風呂のお湯もカルキ臭く、肌への刺激が心配です。水道水の安全性とアトピーへの影響など教えてください。(リボーン会員/M・Fさん/東京都在住)
A:近頃、トリハロメタンという言葉をしきりに耳にするようになりましたね。トリハロメタンは、河川の原水を塩素処理を行い水道水として使えるように浄化・殺菌する際に、原水にふくまれている有機物質と塩素が反応して発生します。
トリハロメタンは発ガン性の物質で、微量ではあるものの水道水にはこのトリハロメタンがふくまれています。それで健康への影響が懸念されているのです。
原水が汚れて有機物の量が増えればたくさんの塩素を使わなければならなくなるため、トリハロメタンの発生量も多くなります。また、水温が上がると発生量が増えるので、夏場は水道水にトリハロメタンが増える傾向にあるそうです。
しかし、水道局に問い合わせたところ、水道法に基づいて、水道水として供給する水に対して、トリハロメタンをはじめ、大腸菌や鉄などの含有については厳しい基準が設けられていて、トリハロメタンの基準値は〇、一%mg/とごく微量のため安心だということでした。
そうは言っても今や、水道水をガブガブ飲むのは不安な時代と言えるでしょう。ただし、トリハロメタンの発ガン性は認められているようですが、アトピーへの影響そのものはまだわかっていないようです。
しかし、免疫の無駄玉も打ちたくないし、水道水をおいしく安全に飲む方法を調べてみました。
●五分間煮沸する
トリハロメタンは、煮沸すると空気中に揮発する性質を持っています。やかんや鍋に水道水を汲んで蓋をせずに五分間程煮沸するとよいでしょう。こうすればカルキ臭さも抜けます。
御飯を炊いたり、調理する時は沸騰させますから、自然とトリハロメタンは揮発するので味の面を除いてはそれほど心配はいらないようです。
飲料水にする場合には、五分間煮沸したものを冷蔵庫などで冷やして飲むとよいでしょう。
●使いはじめの水は飲まない
しばらく水道を使わないでいると水道管の中に留まった水に、水道管からいろいろなものが溶け出している可能性があります。
長期に家をあけた時はもちろんですが、毎朝一番に蛇口を全開にして、バケツ一杯ぐらいは流すと安全性が高まります。流した水は、洗い物などに使用するとよいでしょう。
●マンションなどでは浄水器を利用しましょう
原水の汚染が激しい地域や、マンションなどで給水タンクから水が供給されている場合には、浄水器を利用したほうがよいかもしれません。
浄水器は高価なものである必要はなく、活性炭とマイクロフィルター(中空糸膜フィルター)を備えていれば充分です。水道水は地域差があるので、カートリッジの寿命はケースバイケースでしょうが、気持ち早めの交換がよさそうです。
さて、アトピーのお子さんを持つお母さんの中には、水道水の汚染を気にするあまり、お子さんにジュースや牛乳をあたえている方も多いようです。しかし、ジュースや牛乳では水の代用にはなりません。水は空気と同じで命にとって必要不可欠なものです。子どもは体に必要なものを知っていて、水が大好きです。ジュースや牛乳を水分補給の目的で飲ませるのはナンセンス。極端に汚染された水道水は別ですが、ジュースや牛乳をガブガブ飲ませてしまうのでしたら、水道の蛇口をひねっただけの水のほうが子どもにはふさわしいと言えるかもしれません。
また、お風呂の水の塩素についてですが、最近はお湯に入れておくだけで、塩素を除去してくれる商品が売られています。またシャワーのヘッドにも浄水機能のあるものがあります。生活雑貨店や育児グッズのカタログなどでよく見かけます。そうしたものを使うのも一考でしょう。(リポート/曽我部ゆかり)
9(件名):娘の目のまわりの症状がとてもつらく悩んでいます。(『Reborn』72号・2004年2月発行より)
Q:こんにちは。十四歳の娘が目のまわりに痒みと腫れとじくじくがでてきていて、とてもつらい状態です。目のまわりにネオメドロールという軟膏をつけています。眼科で処方されました。目がとてもかゆいので、いまはリザベンを点眼して、瞼の傷にはエコリシン軟膏をメドロールの上に重ねづけしています。いずれも眼科医がそうするようにとのことでした。
五日間、メドロールをつけたのですが、症状はやや少し治まった感じではあります。しかし、心配なので二三、日間をあけるべく今夜はエコリシンだけをつけて休ませました。目がとてもかゆく、もう一度大きな眼科できちんと診てもらわなければと思いますが、いま、高校受験の真っ最中で病院にゆっくりと行っていられない状態です。いまは『ステロイドの上手なぬりかた・やめかた』の本だけを頼りにしてますが、心細く、心配です。明日は亜鉛華軟膏をなんとか近くの皮膚科でもらえないか頼んでみるつもりです。
『ステロイドの上手なぬりかた・やめかた』にあるように、首や他の部分は何とかコントロールができていた感じなのですが、今回は目というデリケートな部分のせいか、うまくコントロールができません。かゆくて掻くので、目の中に薬も入りやすいし、すぐに薬もとれてしまうようにも思います。ちなみに視力は三年前から悪く、〇・〇三くらいです。ここへきてまた少し落ちています。
どうぞ、うまくコントロールする方法を教えてください。心配でたまらす、どうしてよいかわからずとてもつらいです。どうぞよろしくお願いします。勝手ですが、どうか、早くにお返事をお待ちしております。(リボーン会員/T・Tさん/S県在住)
A:ネオメドロールは五群の眼科用のステロイドです。リザベンは抗アレルギー剤です。エコリシンは抗生物質です。いずれも一般的に処方される薬です。とくに問題はありません。あとプロトピック軟膏を使用する選択肢もあります。目の中に入らなければOKです。(二〇〇四年一月二九日 江部康二)
Q:江部先生、お忙しいところおへんじをありがとうございます! 先生のお便りで少し確認させてください。
目尻や目頭がじくじくと切れたりしたときにはネオメドロールをつけることがいま唯一の方法でしょうか?
(プロトピック以外で)他の軟膏、たとえば亜鉛華軟膏などを重ねてつけても目尻となるとやはり涙などとともに目に入ってしまうようです。
目がかゆい、おそらく、結膜がかゆいのではないかと思いますが、なかなか目の痒みがとれないのでどうしても掻いてしまします…。
『ステロイドの上手なぬりかた・やめかた』の中で、ステロイドは調子の悪いときで七日くらいで一日から二日あける、とありましたがネオメドロールを七、八日以上もつけていて問題はないですか? じくじくの火を消すためには七、八日以上もしかたがないと考えればよいですか? それでもじくじくが治まるのにはもう少し日にちを要するようにも思います…。部位が目なのでとても不安です。
プロトピックは受験が終わったら試してみようと思います。でもやはり目の中に入り込みそうなのでそのあたりはどうしたらよいでしょうか? よろしくお願いいたします!(T・T)
A:ネオメドロール以外にリンデロンA眼軟膏、プレドニン眼軟膏などの目に入っても大丈夫な眼軟膏があります。試してみたらいいと思います。
また、アレルギー性結膜炎で、眼球の結膜が痒いのであれば、インタール点眼薬などの抗アレルギー剤の点眼薬があります。痒みが強ければ、フルメトロン点眼薬やリンデロン点眼薬などステロイドの点眼薬があります。
眼軟膏はいずれも五群の弱いステロイド外用剤なので、連続四週間までは副作用の確率はほとんどないとされています。しかし、ステロイド剤はぬりはじめの七日間ぐらいまでが最もよく効きます。したがってしっかりぬって早く効かして火を消して、プロペトワセリンなど保湿に切り替えるのが好ましいです。保湿でコントロールできている間は、そのまま数日間ぬり続けます。再び痒みや炎症が生じれば、ステロイドの眼軟膏をぬります。
プロトピックは目の中に入らなければ瞼などに外用しても大丈夫です。目のまわりにぬって、まったく刺激症状のない人もいますが、目がしみるとか訴える人もいます。個人差が大きいです。刺激感が我慢できる程度ならぬり続けていけば数日で軽減してきます。プロトピッック軟膏を試してみる価値は充分あると思います。(2004年2月1日 江部康二)
10(件名):プロトピック軟膏の安全性を疑う読売新聞の記事を読み不安になりました。(『Reborn』72号・2004年2月発行より)
Q:いつも娘がお世話になります。十二月二日(火)の読売新聞に夕刊で、「プロトピック軟膏についてFDAが発ガンのリスクを強く警告して、長期的な影響の監視を行うとともに、二歳未満への処方の禁止を徹底するよう勧告した」という記事を読みました。とてもショックを受けました。
ステロイド外用剤の副作用がでている娘にはプロトピック軟膏が必要です。認可前から使いだし二年半を超えましたが小児用の認可を首を長くして待っていました。やっと認可されたとほっとしていたのにまだ発売されていないとのこと…。とても不安を感じています。
江部先生はどのように対応されようとしていらっしゃるのかお聞きしたくてメールいたしました。ぜひ、お返事をくださるようお願いいたします。十二月二九日(月)に先生の診察の予約を致しました。その節はまたよろしくお願いします。(リボーン会員/Y・Sさん/S県在住)
A 1 : 記事を見ていないので正確には答えられませんが、例によって読売新聞だけだと思います。おそらく大阪読売の原記者の記事でしょうか?他の新聞が一切取り上げてないとすればそれだけ価値のない情報と判断したことになります。
ともあれ冷静に考えてみると研究開始の一九九三年から二〇〇三年十一月までは動物実験データや臨床試験データにおいて「プロトピック軟膏を常用量以下で外用している場合、発ガン性は増加しない」ことが確認されています。
たしかにマウスの臨床実験(二年間連続外用)において、〇・一%軟膏(成人用)を大量に長期間外用した場合に、血中濃度が上昇しリンパ腫が増加したというデータが報告されています。人間に換算したら体重六〇kgの男性に一日に四十二本という超大量を、マウスの寿命は二年くらいですから、ほぼ一生涯ぬり続けたときのデータです。
〇・〇三%軟膏(小児用)だと、人間での最大投与量の一〇倍の量をマウスに外用してもリンパ腫は増加していません。日本では一日に一〇g、二本以内というルールが決められています。
規定量を守り、ジュクジュクした皮膚に広範囲にぬるなどしないかぎり、血中濃度が上昇することはありません。理論的にもデータ的にも血中濃度の上昇がなければ、リンパ腫の増加をふくめ内臓の副作用が生じることはありません。それでも十年、二十年後のことはデータもなく完璧には保証しようがないということはあります。
しかし、そういった意味では、国際ガン研究機関(IARC)によれば、たばこやアルコール飲料には発ガン性があり、ディーゼル排ガス紫外線にもおそらく発ガン性があります。最近問題になっている商用周波磁界(携帯電話、テレビ、電子レンジ)も、IARCの分類では「発ガン性がある可能性がある」となっています。コーヒー、漬け物、わらび、ガソリンなどにも発ガン性がある可能性があるとなっています。これらに比し規定量のプロトピック軟膏の外用はリスクはほとんどないといえます。
米国ではFDAが各種基礎データを厳密に検討し、二〇〇一年二月に小児用・成人用共に承認されました。また、」EU諸国をはじめ、すでに二〇カ国以上で許認可され、安全性をふくめて世界標準として評価の高い外用薬であり、私は積極的に使用したいと思っています。
FDAはもともと二歳以上の子どもへの承認です。二歳未満だと、皮膚からの吸収が多いので、念のため使用しないことになってます。しかし、何年何月にFDAが警告したのでしょうか?
ごく最近なのでしょうか? それとも二〇〇一年二月の承認時に添付文書のなかで、念のために警告しているのをいまさら蒸し返したのでしょうか? そうであれば極めてアンフェアな記事です。
もし、二〇〇三年十二月になってFDAが緊急に警告したのなら、これはこちらも緊急に検討する必要があります。藤沢薬品にも連絡を取り情報をたしかめる必要があります。
(二〇〇三年十二月四日 江部康二)
A2:インターネットでやっと見つけました。FDAの最新のページに下記のことが書いてありました。おそらくこの記載を曲解した記事と考えられます。経口的にwhen used inappropriately,不適切に使用すればノです。
ステロイドもプロトピックも経口的に用いたときの副作用のこと(リンパ腫ノ)やネズミやマウスの承認時のデータ(光の発ガンノ)のことが書いてあります。あくまでも原則論として長期使用とかのリスクが否定できないことが書いてあります。これらについて討論しようという呼びかけです。
すべていままで織り込み済みのデータで良心的医師がさらに安全性を高めるため討論しようという趣旨です。新しいデータがでて、FDAからの緊急警告ではありません。あくまで今後のためにしっかりリスクの可能性をステロイドもプロトピックも検討しようということです。
それにしても、ステロイド外用剤もプロトピック軟膏もともに検討しようという提案に対して、いきなりプロトピック軟膏だけを切り離して、さもFDAが警告したように記事を書くとは詐欺同然の行為で、許しがたいものがあります。他の新聞がとり上げるはずもありません。人心を惑わす、悪意をもったアンフェアな記事です。憤りをおぼえます。
Q:江部康二先生 早速の返信 本当にありがとうございました。先生のメールを読んで安心して落ち着きました。さまざまな情報も知らないで一つの記事にふりまわされてしまいました。
ただプロトピックが新薬であり認可される前から使っているのでなにか問題がおこるのではないかという不安は私の中にあります。
でも先生のメールの内容のように発ガン性のあるものは世の中にたくさんありますね。下の娘も一歳のときに不整脈と診断され健康な子どもよりは、はるかに多い回数の胸部レントゲンを受けていてやはり不安はあります(おかげさまで最近完治しました)。江部先生に診察していただけてとてもありがたいと思います。これからもよろしくお願いします。(Y・S)
A3:本日読売新聞大阪版の夕刊みました。やはりFDAの記載を自分の主張に都合のよい部分だけ取り上げた記事でした。FDAのプロトピック軟膏のサイトは昨日送信した記事以外は二〇〇一年の記事でした。したがってあの記事から、原記者が自分勝手な解釈をしたのでしょう。
今回も朝日新聞、毎日新聞には記事は載らず、読売新聞東京版でさえも原記者の記事を省いてありました。読売新聞大阪本社の原昌平記者だけが一人でしつこくプロトピック・バッシングの記事を書いてます。プロトピック使用中の患者さんにいたずらに不安を煽る記事で憤りを覚えます。(二〇〇三年十二月五日 江部康二)
Q:江部先生お忙しい中、詳しく調べていただいてありがとうございました。患者の質問にこんなにていねいに答えてくださることに本当に頭がさがります。これからもよろしくお願いします。(Y・S)
11(件名):つけてもかぶれない超酸化水と、かぶれてしまうものがあるのはなぜでしょうか?(『Reborn』73号・2004年4月発行より)
Q:こんにちは。一歳と三歳の息子がアトピー性皮膚炎で、昨年の十月に入会しましたYと申します。今回は「超酸化水」についてお聞きしたいことがあり、メールいたしました。
三歳の息子は生後一カ月から湿疹がではじめ、それ以来ずっとステロイド剤を使っています。半年ほど前から全身の湿疹がひどくなり、とくに口のまわりの湿疹が一年以上治らず白く鱗のように厚くなってとてもかゆがっていました。転勤のため新しく受診した皮膚科でカビが原因ではないかといわれ、抗真菌薬を処方されたのですが、なかなか良くなりませんでした。
そこで超酸化水を使ってみたところ、二、三日でみるみる良くなっていきました。息子の皮膚はいままで全体に小さな湿疹があり、ガサガサというかゴワゴワしていたのですが、一皮むけたようにすべすべになり、顔つきまでも変わりました。
湿疹が完全になくなったわけではありませんが、きれいな肌の上にあるという感じで、薬もぬりやすく、部分的にぬれるようになりました。
超酸化水は近くに扱っているところがないため、『Reborn』誌面を見て和光商会さんから送っていただいていましたが、このことを皮膚科の先生に話すと、早速超酸化水の生成器を用意してくれたのです。
ところが、その超酸化水を使うと皮膚が赤くかぶれたようになるのです(瞼や首、腹部、背部)。偶然かな、と思い三日間使ってみましたが、ひどくなる一方なのでいまは使うのをやめています。
そうすると、また以前のような湿疹がでてきてステロイドをぬっても良くなりません。
「超酸化水は皮膚に触れるとすみやかにただの水になる」とのことですが、このようなこともあるのでしょうか?
和光商会さんから送っていただいたものでは、かぶれることはありませんでした。皮膚科からわけていただいたときに先生は「強めに作った」といっていましたが、強さが関係あるのでしょうか? たしかに和光商会さんのものより塩素臭が強かったのですが…。超酸化水とは違うものなのでしょうか?
ちなみに使用方法は一日二回、別の容器に移し温水で温めたものを朝はガーゼに浸して塗布し、お風呂上がりには霧吹きで吹きつきけていました。
長々と書いてしまいましたが、なにかアドバイスいただけるとうれしいです。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。(リボーン会員/M・Yさん/H県在住)
A:水に一定の処理をして、特定の機能を持たせたものを機能水といいます。一九九三年に厚生省認可の機能水研究振興財団が設立され、一九九四年には農水省関連の機能
水研究所が発足しました。
超酸化水(強酸性電解水・強酸化水などとも呼ばれる)は、数ある機能水のなかでも評価が確立している点では圧倒的なナンバーワンです。超酸化水は食塩水を電気分解して得られる水ですが、三浦電子により生成装置が開発され一九九〇年にはじめて学会に発表されて以来様々な研究が積み重ねられてきています。
医療現場では、アトピー性皮膚炎の悪化を防ぐ効果、皮膚のMRSAを消失させる効果、医師・看護婦の手指の消毒、口腔内の消毒、床ずれなど皮膚潰瘍の消毒、心臓手術後の合併症の縦隔炎の創部洗浄、お産の後の外陰部洗浄、手術室やICUの消毒、血液透析回路の消毒、内視鏡の消毒など幅広い分野で使用されその効果が確認されています。
超酸化水は数ある消毒薬のなかでも、最も強力な殺菌力を有すグループに入り、一方最も安全性が高いグループにも入っています。一見矛盾する殺菌力・安全性が両立した「魔法の水」といえます。その殺菌メカニズムは塩素、pH(二・七以下)、酸化還元電位(一一〇〇mV以上)などが合わさったものといわれていますが、最近では次亜塩素酸が一番関わっているとされています。
通常次亜塩素酸の消毒液は五〇〇ppm〜一〇〇〇ppmの濃度で使いますが、超酸化水はpHが低いので五〇ppm以下の濃度で十分な殺菌力が得られます。また極めて不安定で有機物に触れると即座に殺菌してただの水になるので、次亜塩素酸残留による副作用の心配もないのです。
一九九四年、ルワンダ難民キャンプにPKOで派遣された自衛隊が超酸化水の生成装置を持ち込んで、手術室や器具の消毒に利用したことがあります。安くて安全で簡便でメインテナンスも簡単であり、使用結果は非常に良好でWHOも効果を確認して、おおいに関心を持ったそうです。
超酸化水のメーカーは数社あります。次亜塩素酸濃度など微妙に違いますが、五〇ppm以下であれば理論的には副作用はないと考えられます。しかし、その皮膚科の器械がどこのメーカーのものかわかりませんが、現実にかぶれるのであれば、もともと使用していた超酸化水を使用するのが安全な選択と考えられます。
なお霧吹きを使用すると空気に触れて失効しやすいのでガーゼにふくませて使用するほうがよいでしょう。(二〇〇四年二月二十九日 江部康二)
12(件名):カビやアレルギーが原因ならステロイドは無意味でしょうか?(『Reborn』73号・2004年4月発行より)
Q:江部先生、お忙しいなか、早速ていねいなお返事をいただきありがとうございました。超酸化水についてよくわかりました。
皮膚科からわけていただいたものが使えないのは残念ですが、超酸化水での消毒をやめてから長男の湿疹が悪化しているので、またいままでのものを使っていこうと思います。
続けて質問をして申し訳ないのですが、ステロイド外用剤の使いかたについてお聞きしたいことがあります。
『あなたにあったアトピー治療』を読ませていただきました。『ステロイドの上手なぬりかた・やめかた』に書かれている、体の部位別に使用するステロイドのランクは、三歳児(来月四歳ですが)の場合でも、本に書かれているものと同じで良いのでしょうか? あまり薄めたりしないほうがいいのでしょうか?
また、息子はよくおちんちんをかゆがり、かきむしってパンツが血だらけになることもあるのですが、ここはお尻と同じと考えて良いのですか? 皮膚が薄くデリケートな部分のように感じ「強い」ステロイドを使うのに抵抗がありますが、そんなことはないですか?
いま、皮膚科に処方されている軟膏は、体にキンダベートとキンダベートをワセリンで二倍に薄めたものです。けれど一週間以上ぬっても体の湿疹がほとんど良くならず、本に「手、足、体には『強い』ランクのステロイド外用剤を使います」と書かれていたので、以前耳切れのときに処方されていた、リンデロンVG軟膏を私の判断で使いました。直接ぬるのは少し不安でしたので、ワセリンを薄くぬった上に重ねてぬりました。それでも四日くらいぬれば肘や膝の内側にできた湿疹は良くなり、三日くらい間隔をあけることができるのですが、背部、腹部ははっきりとした効果がわかりません。背部腹部の湿疹は、なかなかゼロになることはなく、良くなってきている段階から一気に増えることがあります。ひどいときは、首・背・腹部・大腿の三分の一からほぼ全面にでることがあります。「小火のうちに消す」ということが、なかなかできずにいます。やはりこのぬりかたではいけないのでしょうか?
前回のメールに書いたカビのせいなのでしょうか? 食物アレルギーがあるのかも、と気をつけてみましたが、よくわかりません。湿疹がでるのは食後すぐというわけではないのですが、このようなでかたをすることがあるので、食べものが原因とも考えられますか? そうであればステロイド外用剤をぬっても無意味ですか?
また、夜は赤く腫れてとてもかゆがる湿疹でも、朝には赤み、かゆみのない湿疹になっていることがあります。そのときステロイドをぬりはじめて三日以内でもぬらずにいて良いのでしょうか? かゆみなどなくてもしっかり治すためにぬったほうが良いのでしょうか?
顔、首にはキンダベートを二倍から五倍に薄めたものをぬっていましたが、いつまでもやめることができないので、皮膚科の先生にお願いしてプロトピック軟膏を処方してもらいましたが、小児用をワセリンで二倍(口の周り用には三倍)にしたものでした。それでもいまのところ効果はあるようなので、問題ないですか?
超酸化水を使用していままでより良くはなったのですが、そこからはなかなか先に進めないという感じで、湿疹が悪化するたびに落ち込んでしまうことがあります(子どもにはそれが一番良くないと、わかってはいるのですが…)。ちょっとしたことでも気になり、迷い、細かいこと色々と質問してしまい申し訳ありません。ご返答よろしくお願いいたします。
A:キンダーベートは四群のステロイド外用剤です。手・足・体には、たしかに七日間ぬり続けても効果がでない可能性があります。手・足・体には三群のステロイド外用剤(リンデロンV軟膏、リドメックス軟膏ノ)をそのまま使うか、あるいは倍に薄めて使います。三群倍薄めまでだと、一日二回ぬれば基本的に一週間以内に、炎症が治まります。陰のうは、吸収量は多いのですが、三群を数日ぬってコントロールするていどだと副作用の心配はありません。
ステロイド外用剤は短期間集中的(できれば七日間以内)にぬって保湿に切り替えるのがコツです。火が消えれば、二、三日でも保湿に切り替えていいです。
小児用プロトピック軟膏は二歳以上の子どもに保険適応となっています。ステロイド外用剤とはまったく違う薬です。ステロイドと異なり連続的に四週間から八週間ぬり続けて皮膚のバリア機能を回復させることをめざします。バリア機能が回復すれば皮膚炎が再発しにくくなります。
カビの影響とか食物アレルギーか否かは、やはり直接診察しないと判断が困難です。主治医とよく相談してみてください。(二〇〇四年三月二日 江部康二)
13(件名):目のまわりにぬる軟膏に不安があります。また、ステロイド点眼薬は外用薬と同じ考えてよいのでしょうか?
Q:その後の娘の経過ですが(71号参照)、また江部先生におたずねしたいのですがお願いできますか?
あの後、眼科でオドメール〇・一%点眼液とリザベンを処方され、オドメールは二週間(一日四回)点眼しました。 目の際にはメドロールを続けてぬってようやくかゆみが引け、オドメールをはじめてから三日後には目際の腫れも静まり、 眼窩はメドロールからアズノールにかえて丸二週間静まっていました。そして、目のなかはリザベンで、周囲はアンダームかアズノールでしのいで実にほっとしていたのですが(本人も、かゆくなくなってすごくうれしいとよろこんでいました)、ここ数日で、 また目がかゆみを増して目尻にもかゆみとじくじくがでてきました。なのでさっそく目の際にメドロールをつけて今日で三日目です(まだ効果はないようです)。しかし目については、またかゆいので、眼科で再びステロイド(オドメールなど)点眼薬をもらってつけるべきですか? 目のステロイドも皮膚と同様に考えて良いのでしょうか? すでに二週間続けて点眼しましたがいま、また一週間空けただけでまたすぐに点眼していいものでしょうか?
やはり「目」なので副作用などの心配はつきません。「目」は、皮膚にぬるよりも、より服用に近いようなイメージがあり、気になります。いま通っている眼科の先生がステロイドについて、 また、アトピーを持ってる患者についてのステロイドの使いかたなどについて詳しいかどうかわからない感じも実はあります。
やはり皮膚と同じように 目も良くなればステロイド外用剤ではなく、リザベンなどに替えて、またかゆくなりだしたらステロイドを火消し役に使う、というやりかたでしのいでいいものなのでしょうか? また江部先生におうかがいできますか? どうぞよろしくお願いします!(リボーン会員/T・Tさん/S県在住)
A:ステロイド点眼薬も基本的には外用薬と同じ考えかたでいいです。「症状が強いときステロイド点眼薬を使用し、落ち着いたらリザベンなど抗アレルギー剤に切り替える」というパターンの繰り返しで、いい状態を保ちます。
ステロイド点眼薬で一番多い副作用は眼圧の亢進です。三カ月くらいまでは毎日点眼しても眼圧亢進はないとされています。また微量なので吸収されて副腎萎縮などの全身的副作用がでることはまず考えられません。現実にぶどう膜炎などの病気で一年から数年間、毎日ステロイド点眼薬を使用している患者さんも多いです。(二〇〇四年二年二十九日 江部康二)
Q:江部先生、お返事をいただいてとても安心いたしました。目についても皮膚と同じ考えかたでいいとのこと良くわかりました。このところ顔のかゆみと湿疹が良くなくて目も次第にかゆくなっています。でも皮膚への対処と同じようにすればいいのだと思うと落ち着いて症状と向き合えるように思います。
娘の受験もやっと峠を越えて後は結果待ちですが、受験ストレスからは解放されると思うので症状が良くなっていくように母として、対処をがんばりたいです。まだまだ江部先生にご相談したいことはいっぱいありますが(本当は実際に診察をしてもらいたいです。しかしここ東京付近ではそれもすぐにはままなりません)しかし、
こうしてメールで訴えを聞いてもらえることはどんなにか助かり、安心できることか! と感謝します!目のことはもちろん、このメールができるようになってからの私たち親子の心のよりどころの大きさはどう伝えられるものかと思うものです。大きな大きな安心感ではないかと思います。おそらく、悩んでいる人であればこの気持ちご理解いただけると思います。少しのことがあっても話ができ、アドバイスをもらえる方がいること、それも確実に! それはもう診察していただいているのと同じかもしれません。こんな機会をもらえたことに感謝をします。なにもお手伝いすることができませんがこのネットワークを同じに悩んでいる人にせめて紹介をしていきたいと思っています。『プロトピックの上手なぬりかた』も購入し、読んでいます。プロトピック軟膏はまだまだこれからの挑戦ですが、ゆっくりと構えて取り組みたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。
またお便りをいたします、ありがとうございます。
14(件名):江部康二先生の徒然日記の『日本型の食生活はスローフード』を読んで疑問に思うことがあります。(『Reborn』74号・2004年6月発行より)
Q:私は米の胚芽の栄養価を信じ、長年五分搗き米を摂取して、ついに動悸、立ちくらみなどのかなりひどい貧血状態になりました。
インターネットで浅井さんの「間違いだらけの健康常識」を読み、貧血はフィチン酸の害と知り、即白米摂取に変更、翌日には動悸軽快、立ちくらみは一週間ほどで回復しました。
このように玄米食や分搗き米で胚芽を摂ると、フィチン酸でミネラルが排出される恐れが大で、再検討宜しくお願い申し上げます。
日常の食生活は、先生のいわれる粗食に全面的に同感で、日本人全員に声高にすすめたく存じます。(リボーン会員/T・Hさん)
A: 「玄米の胚芽の部分にふくむフィチン酸のアク作用は強力な排泄作用があり、カルシウムやミネラルまでも排泄してしまいます」
浅井氏のホームページに上記の記載がありますね。
フィチン酸は鉄やカルシウムと結合し、体内への吸収を阻害するものとされています。したがって浅井氏の記述は正確にいえば、排泄作用ではなくて吸収阻害作用となります。
一方鉄は、油の酸化をうながす作用があるため、フィチン酸がこれを抑制する効果があり、動物実験でもフィチン酸を投与すると、腫瘍発生の抑制が見られたという報告もあります。
また、フィチン酸は近年、腎臓での酸分泌抑制、腎結石や虚血性心臓病の発症抑制、血中コレステロール値の低下、虫歯抑制などの効果が報告されています。
一九九八年二月五日、東大安田講堂で「第一〇回日本臨床腫瘍研究会〜抗がん剤は効かないのか」が開催され、大阪府立成人病センター研究所の石川秀樹氏が、がん予防のための食事改善など専門の分野から講演し、これまで悪者扱いされていた小麦ふすまのフィチン酸の効用をとり上げました。
石川秀樹氏は、「発がん予防と臨床試験」と題して、年々増加傾向にある大腸がんに対する小麦ふすま(食物繊維)による食生活上での予防を講演。「これまでにもいろいろな栄養学的調査で小麦ふすまが大腸がんに有効との成績結果が出ている」とし、長年にわたる小麦ふすまによる研究成果を披露しています。
このようにフィチン酸にはいいところと悪いところがあるようです。
ご指摘のように動物性食品一切なしの玄米菜食を非常に厳しく守ると、鉄欠乏性貧血になる可能性があります。したがって、鉄のふくまれている食品を一緒に摂取する必要があります。
鉄には 肉や魚などの動物性食品に多いヘム鉄と、植物性食品に多い非ヘム鉄があります。ヘム鉄は吸収率が二〇〜三〇%ですが、非ヘム鉄では五%に過ぎません。
あるていど動物性食品を摂取する「玄米菜食+魚介類+鶏肉」ていどだと貧血は防げると思います。(二〇〇四年四月 高雄病院 江部康二)
Q:高雄病院 江部康二様
お忙しいなか、専門的ご解説をいただき、厚くお礼申し上げます。
私は、先祖が明治になって富山県から北海道へ渡り、貧しい幼少時代をおくった者ですが、育ち盛りに粗食を余儀なくされ、菜食適合体質にでき上がったものと思われます。
青年期に至り、急に現代栄養摂取の生活に入り、体に合わず吹き出物などで大変な思いをしました。
その対策のため栄養に気を使い、ビタミンを飲んだり、消化剤を飲んだりして、なんとか抑えていたのです。
今回、動悸、貧血になり、栄養不足になるはずがないのになぜ? と自問自答していましたが、浅井式健康法に出会い、現在粗食実践中、結果、二〇日ほどになりますが、動悸、めまいは軽快、不定愁訴もなくなり、これで健康回復まちがいなしと確信しています。
江部先生ご指摘のとおり、フィチン酸の功罪を考慮の上、私自身の体質を見ながら一層食生活に留意して、鉄分不足にならないよう健康維持を図りたく存じます。ご丁寧な返信メール誠にありがとうございました。貴院のご発展心より祈念申し上げます。(T・H)
15(件名):食物アレルギーの検査結果に疑問
Q:江部康二先生へ
はじめまして。三歳の息子は軽いアトピーで、現在は食べた物(とくに魚)によって時々、唇に丘疹(ひどいときはただれます)ができます。
来年、幼稚園入園を控えているために、最近アレルギーの抗体検査をしてもらいました。検査結果をみて、いくつかの疑問が生じました。検査をしてくれた医者はアレルギーに詳しくないようで、満足のいく答えが得られず、リボーンの江部先生にぜひ教えていただきたく、初めてメールいたしました。
以下の疑問について、教えてください。
(1)食べたことのない物に対しては、検査をしても抗体陽性とならないものなのでしょうか? 主人がそばアレルギーなので、息子には一度も食べさせたことはないのです。検査結果は陰性でしたが、実際に食べさ せてみた場合に、強いアレルギー反応が起こる可能性はあるのでしょうか?
(2)卵は食べさせても、それほど強い反応はないのですが、検査結果では魚(鮭が最高で、白身・赤身は同等)と同じ位陽性反応がでています。抗体があるのに、卵を給食で食べさせ続けると、身体にはやはり強い負担になるのでしょうか(たとえばアレルギー症状が強くでるようになるなど)。
現在家庭では、ゆるやかな穀物菜食をとっています。鶏肉や豚肉は時々食べさせていますが、反応はほとんどでないようです。
(3)エビを食べて湿疹がでたことがあるのですが、検査では陰性でした。抗体はそんなに多くできていないということなのでしょうか?
息子はいままで、服用薬も外用薬も使ったことがなく、三歳二カ月まで母乳を続けていました。
とりとめのない質問ばかりですが、何卒、教えてください。よろしくお願い申し上げます。(リボーン会員/新潟市/平井アスカさん)
A:食物アレルギ-が関わるアトピー性皮膚炎(AD)は、基本的に乳幼児であり、成長するにしたがい減っていきます。とくに小学校高学年になれば、食物アレルギ-でADが生じることはほとんどなくなります。ただしじんましんは別です。
食物アレルギーによる皮疹が本当に存在するのは、データ的に見てADの赤ちゃんのうちせいぜい十人に一人くらいです。このことは、皮膚科と小児科食物アレルギー派の対立時代の約十数年を経て、現在は世界的にも学問的には明らかです。
赤ちゃんで、RASTスコア3以上の場合は、私もあるていど参考にして、除去食をすすめることがあります。ただし、3以上あっても皮疹の状態で食物アレルギーの可能性が低いと判断すれば、食べてもらいます。
食物アレルギーが関わっているADは、実に当たり前の話なのですが、基本的に皮疹が全身にでています。私が過去二〇年の臨床で経験した、食物アレルギーが関わるADの乳幼児は、百人以上にのぼりますが、全例が皮疹は全身に満遍なく散布されてでていました。言い換えれば、全身的に散布されたタイプの皮疹でなければ、それだけで食物アレルギーの可能性は極めて低いことになります。
食物を食べて、胃に入り小腸から吸収されてリンパないしは血液中に入れば、吸収された食物の分解産物は全身に行き渡ります。したがって、食物アレルギーによって皮疹がでているならば、基本的に全身にでます。日常よく見かけるような、鯖を食べてじんましんがでるときも、抗生物質や鎮痛剤で薬疹がでるときも、血行性に散布されるので全身にでます。ですから、顔や手足だけに皮疹がでているような時は、このようにごく普通に考えていけば、食物アレルギーが関与しているとは考えにくいのです。
注意が必要なのは、乳幼児のAD患者で、食物摂取によりアナフィラキシ−ショック・喘息・じんましんを起こす子が百人に一、二人くらいいることです。この場合は除去食の絶対的適応であり、解除には年数をかけた極めて慎重な対応が必要です。ADとは異なる疾患ですが、この「食物誘発性アナフィラキシーショック」の患者さんが、高度経済成長による食生活の欧米化のあと徐々に増えています。まれに中高生や成人にもみられ注意が必要です。
IgE抗体はT型アレルギー(即時型,アトピー型アレルギー)を起こす抗体です。RASTは個々のアレルゲン(卵白、牛乳、ダニetc・・・)に対する IgE抗体を測定します。スコア2以上あれば一応陽性とされます。ただし2以上あれば、血液中にその食物に対するIgE抗体を持っていることは間違いないのですが、それを食べたらアトピーがでるかどうかはまた別の問題なのです。
高雄病院には入院設備がありますが、一九八七年から二年間は入院患者さんにも食物アレルギーの観点から除去食もきっちり真面目にとり組んでみました。その結果、成人はもちろん小学生以上のアトピー患者さんの場合、RASTスコアが2とか3あっても食物アレルギーによる症状はほとんど起こさないことがわかりました。
したがって、赤ちゃん以外はRASTなどが陽性でも、ただちにデータを鵜呑みにして除去食をするようなことは必要ありません。どうしても食物アレルギーが疑わしい時は、入院して除去・誘発試験を行うのが一番確実です。二回以上実施して同じ結果なら、はじめてその食物を原因と考えてもよいでしょう。
<個々の質問に対して>
●「食べたことのない物に対しては、検査をしても抗体陽性とならないものなのでしょうか?」
母親の母乳から赤ちゃんに食べ物成分が移行します。本人が一回も食べてなくても、その食べ物のRASTが陽性になることはあります。
●「主人がそばアレルギーなので、息子には一度も食べさせたことはないのです。検査結果は陰性でしたが、実際に食べさせてみた場合に、強いアレルギー反応が起こる可能性はあるのでしょうか?」
もし強い食物アレルギ−があれば、母親がそばを食べた時の母乳を飲んでも反応します。三歳二カ月まで母乳ということですが、いままでそのような経験はなかったでしょうか? その時OKなら少なくともそばへの強い食物アレルギーはありません。
また、現在RASTが陰性ならT型の即時型アレルギー(喘息やじんましんやアナフィラキシーショック)の生じる可能性は少ないです。
いままで喘息やアナフィラキシーの既往癧がないなら、ソバボーロくらいの少量から試しましょう。
●「卵は食べさせても、それほど強い反応はないのですが、検査結果では魚(鮭が最高で、白身・赤身は同等)と同じ位陽性反応がでています。抗体があるのに、卵を給食で食べさせ続けると、身体にはやはり強い負担になるのでしょうか(たとえばアレルギー症状が強くでるようになるなど)。現在家庭では、ゆるやかな穀物菜食をとっています。鶏肉や豚肉は時々食べさせていますが、反応はほとんどでないようです。」
血液検査のRAST値はあくまでも参考になるていどです。RASTはそれだけで確実にどうこういえる精度の検査ではありません。現実に卵を食べて皮疹がでないのならば、検査値よりそのほうが信用できます。息子さんの場合食べても大丈夫です。身体に負担になることはありません。
●「エビを食べて湿疹がでたことがあるのですが、検査では陰性でした。抗体はそんなに多くできていないということなのでしょうか?」
血液検査で測定しているRAST検査は、T型・U型・V型・W型の四つのアレルギーの型のうちT型だけです。T型の場合は即時型と遅発型のアレルギーを起こす抗体で、それぞれ十五分から三〇分、四時間から八時間ていどで皮疹がでます。
アトピーにはW型アレルギーなどT型以外も関与しており、RASTが陰性なら絶対に大丈夫ということではありません。(二〇〇四年九月二十六日 高雄病院 江部康二)
Q:曽我部さんへ
丁寧な返信、ありがとうございました。同じ月齢の子どもを持つ母親どうしとしても、これからもよろしくお願いします。あれから息子に初めてそばを食べさせてみましたが大丈夫でした。もう一度食べてみて大丈夫だったらそばの不安はなくなります。食事の制限はないほうが本人もまわりも楽ですよね。ただ最近は市販のお菓子を息子がもらう機会が増えどうしたものかと思っています。息子は食べたがるし、あまり我慢させると食への執着が強くなるし…。心と身体のバランスをとりつつ暮らすことがテーマです。息子が望んでいることは皆と同じ物をたくさん食べることみたいですが…。
私は自然育児友の会にも入っていて、そちらでもアトピー仲間がいます。今回幼稚園入園を控え、いろいろと決めくてはならないこともでてきて、専門家のアドヴァイスを心強く思います。こういうネットワークがあることに感謝します。
江部先生へ
丁寧で迅速なご解答をありがとうございました。わからなくて心配していたものが一気に吹き飛んで、深い安心と喜びでいっぱいです。
先生の『アトピー治療の新しい道』を読んでから、私のなかのステロイドへの考えかたやこだわりがずいぶん変わりました。アトピーのとらえかたも方向が見えてきて、かなり楽になったのです。
先生のようなバランス感覚に富んだ専門家の智慧を貸していただくことはすごく大きな力になります。これからもご活躍をお祈りします。(平井アスカ)
16(件名):アトピー患者の皆さんへ。西洋と東洋の医学を上手に使って改善してみませんか? 民間療法などでこれ以上悪化させてほしくないのです。
(『Reborn』68号・2003年5月発行より)
M:はじめまして、埼玉県に住むおえっちです。京都の高雄病院でリバウンドで重症化したアトピーを改善させました。医療機関での治療方法もわからず、民間療法で悪化させてしまった体験、リバウンド被害で重症化してしまった体験などから高雄病院に行き着き、西洋医学(ステロイド)と東洋医学(オーダーメイドの煎じによる漢方薬)の良い点を上手に使いながら改善していったことをみなさんに伝えたいと思いました。
まず、伝えたいことは、民間療法や皮膚科の詳しい説明もなく、ステロイド剤を使ってしまって重症化してしまった方に、その時間とお金を私が入院して(通院でも大丈夫です)改善したように、正当な方法(保険内治療です。特別な治療はしません)で改善することができますということです。
高雄病院は、東洋医学がメインですが、西洋医薬品や検査機器も整っています。また、そこにいらっしゃる先生方は、脱ステロイドによるリバウンドがいかに辛いかよくご存知です。ですので、漢方薬や殺菌効果のある超酸化水、ステロイド、保湿剤、を上手に使い、少しづつ無理なくステロイドを減らし、改善する治療を行っています。先生をはじめ、看護婦さん、栄養士さん、薬剤師さん様々なスタッフが勉強会を開いてくれ(通称アトピー学校と呼んでいます※)患者さんの気持ちを汲み取ってくれる、あまり出会えない病院だと私は感じてます。
また、アトピーは心理的なストレスなどもかなり抱えていらっしゃる方が多いと思います。それが悪循環で改善されないこともあると思います。高雄病院ではそういった面でも理解してくださっていて、心理的なカウンセリングもしています。
たくさんの視点から真剣にアトピーを考え、改善させたいという気持ちがとても伝わってくる温かい病院だと思います。
西洋医学的治療だけをしている多くの病院、皮膚科とは違い、その患者さん個人個人の体全体、またおかれた環境など全体をみてくれるのです。そして、その人の皮膚の状態だけでなく、体の内部をみて、オーダーメイドの煎じ漢方薬を処方してくださいます。それが、様々な状態の人間に単一のぬり薬、かゆみ止めの薬を出す皮膚科とは多いに違い、改善し、元気に退院、普通の生活に戻っていく患者さんがたくさんいる秘訣だと思いました。
今、あまり根拠のない民間療法をしている方、しようと考えている方、脱ステロイドをして激しく辛いリバウンドで苦しんでいる方がいらっしゃいましたら、その時間やお金をこちらに使っていただきたいと願っています。これ以上悪化させてしまって、辛い思いをしないでください…。体験した私からの切実な思いをこちらに書いてみました。
高雄病院は京都にありますから、もし遠方にいらっしゃる方で、重症化してしまって、家の中で悩んでいる方は入院をおすすめします。家で辛い時間を過ごされているならば、その時間をアトピー学校をしているその医療機関で入院し、たくさん学び、改善させながら、そこで友達を作ってください。同じ悩みをかかえている分、本音で話すこともでき、心強い友達ができると思います。まだまだたくさん伝えたいことがあるのですが、もし興味をもたれた方はご連絡ください。おえっちより
<編集部より>おえっちさんのメッセージから温かい気持ちが伝わってきました。また、高雄病院の治療の内容などについてもニュートラルに伝えてくださっています。興味のある方は、編集部宛にメールくださいね。
17(件名): 痒みを心理的に軽減させる実験で、山芋パウダーを使いたいのですが…。(『Reborn』68号・2003年5月発行より)
Q:突然のメール申し訳ありません。はじめまして。私は広島大学大学院生物圏科学研究科、臨床・パーソナリティ研究室修士課程一年の学生です。私は現在臨床心理学の研究を行っているのですが、修士論文では「痒み」を心理学的に軽減する方法について研究をしようと考えています。具体的な方法としてはdistraction(注意転換、気晴らし)法という方法を用いようと考えています。痒みを感じた時に、痒みに向けられた注意を他の課題(たとえば音楽を聴く。楽しいことをイメージするなど)に向けることによって、痒みを軽減させる方法です。
痒みを感じた時に自分の力で痒みから注意をそらし、痒みを軽減させることができれば、アトピー性皮膚炎の患者の方に、薬物療法以外の心理的な対処法を示せるのではないかと考えこのような研究を行うつもりでおります。将来的には薬物療法を補完するための心理学的方法になればと考えています。
実際の研究では、実験室実験で健康な人を対象に痒みを生起させ、同時にdistractionを行ってもらい痒みの変化をとらえていこうと考えています。
そこでうかがい いたいことがあるのですが、先行研究を参照したところ痒みを生起させる刺激として、「山芋パウダー」を塗布していました。私もこれに習おうと考えてるのですが、実験をする者の責任として「山芋パウダー」を塗布することの危険性を知っておき、危険のある実験参加者には参加を辞退していただかないといけません。しかし、なにぶん医学的な知識が欠けておりまして、できれば塗布を控えるべきアレルギー症などありましたら教えていただきたいと思います。僭越ながらどうかよろしくお願いします。
A:ソバアレルギーの人がソバを食べたら喘息やアナフィラキシーショックが起こり得ますが、ソバアレルギーがない人には勿論大丈夫です。
「山芋パウダー」に関する知識は私にもありませんが、危険性があるとすればアレルギー反応と考えられます。事前の問診の段階で、実験参加者の人に過去の山芋摂取歴を質問して山芋アレルギーの有無など確認するのが良いと思います。(高雄病院 江部康二)
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