はじめに
<いつまで音楽を聞くのか?> クラシック→映画音楽→歌謡曲→70年代ディスコ→テクノポップ→アメリカンポップス→ハードロック→フュージョン→ニューウェーブ(エレクトリックポップ、ニューロマンティック)→ハイエナジー→パンク→80年代日本インディーズ(パンク、ハードコアパンク、ポジティブパンク)→ゴシックロック→ネオサイケ→アシッドハウス→マンチェスタービート→シュゲイザー→ネオグラム→デジロック→トリップホップ→オルタナティブロック→?

こうやって自分の音楽史を繙いてみると、今さらながら英国音楽のウエイトが、かなりを占めていたことに気付きます。しかし「ブラーだ、オアシスだ」と騒がれたブリットポップ以降、質が落ちたのかどうかは分かりませんが、すっかり英国ギターロックを聞かなくなってしまいました。
 一方、米国ロックシーンではニルヴァーナを代表とするグランジなるものが登場したのですが、ギターソロのないハードロックのイメージが強く、あまり興味がもてませんでした。しかしニューウェーブの香りが若干感じられたソニックユースやスマパンには共感を得、「米国ロックも悪くないな」なんて感心していました。ただこのオルタナティブロックも今ではすっかり商業ベースにフォーマット化されており、もうすでに過去の産物のように思います。現在、米国ロックシーンではレイジやリンプに代表されるミクスチャーロックが主流なようで、聞いていて確かにカッコイイのですが、年齢的なものかアルバムを一枚聞くのにかなりの体力が必要になってきました。
<なぜ韓国音楽なのか?> 香港のウォン・カーウァイ監督の映画作品が日本で話題になった時期がありました。私は香港映画というとブルース・リーやジャッキー・チェンそしてMr.Booのイメージしかなく、ほとんど関心をもちませんでしたし、またいつものごとく一時的なブームだとばかり思っていました。しかしその後アジア映画の人気は衰えず、私も見ないことには文句は言えないとばかりに映画館までウォン・カーウァイ作品「恋する惑星」を観に行きました。「映像が綺麗で、こんなヨーロッパ的な映画が香港にもあるんだ」と私は衝撃を受けました。そしてこの作品に出演し、エンディングでクランベリーズのカバーを歌っていたフェイ・ウォンに大変興味を抱きました。
 その後、中華圏の音楽もいくつか聞いてみたのですが残念ながらフェイ・ウォンの美声とケリー・チャンの容姿以外、自分にフィットするものは見つかりませんでした。そんな時、当時アジア音楽通だった知人に「韓国ではダンスミュージックが流行っているみたいだよ。ジュジュクラブというバンドが面白いみたいだ。」と言われたのですが、私の頭の中では「韓国」と「ダンスミュージック」が全然結び付きませんでした。しかしその頃、すでに私の趣味嗜好が「ヨーロッパ」から「アジア」に移行していたので、すぐに新宿のヴァージンメガストアにジュジュクラブのCDを探しに行き、第2集(当時最新作)を購入しました。
 ダンスリズムにロック系のギターが絡み、そこに韓国語ラップが突き刺さってくるかと思えば、Bメロやサビではなぜかメロディーラインのしっかりした歌謡曲、この曲構成には正直ブッ飛びました(勿論全曲ではありませんが)。これはまさにミクスチャー音楽で、特に韓国語ラップのスピード感は私に強い衝撃を与えたと同時に、当時の私に明るい未来を授けてくれました(ちょっとオーバーでした)。
 しかし、ここで一アーティストだけで韓国音楽は面白いと判断するのも、いかがなものかと思いました。当時韓国音楽の情報源はひじょうに少なく、せっかくインターネットをやっているんだからということで韓国の音楽サイトの掲示板に中学生レベルの英語で「韓国の音楽を紹介して下さい」というような内容を書き込みました。すると「あんたの音楽の趣味から察するにソテジがいいんじゃないか」、「韓国音楽に興味があるならソテジを聞いて欲しい」という意見が多く返ってきました。早速ソテジワアイドゥルのベスト盤を購入しました。ベスト盤のため音楽性が把握しづらかったのですが、どのタイプの曲も完成度がひじょうに高く、とにかくポップセンスが光っていました(今聞いてもまったく古さを感じさせません)。
 ジュジュクラブそしてソテジワアイドゥル、もし、この二組のアーティストを知ることがなければ、多分私は韓国音楽に傾倒することはなかったように思います。
<韓国音楽事情> まずメジャーシーンですが当然のごとくポップスが主流で、本格ロックがチャートインすることはあまりなく、歌謡ロックがたまに顔を出す程度です。またこのポップスですが、ソロシンガーによるバラードとグループによるダンスミュージックに人気が二分しており、基本的に日本のチャートに似ています。
 韓国ポップスの特徴は、必ずと言っていいぐらい、曲にラップパートが設けてあることで、バラードでも間奏パートになると、ここぞとばかりにラップが挿入される場合があります。また韓国に限ったことではないのですが、やはりその国独自のノリが存在していることです(リズムパターンという意味ではありません)。これは、言葉で説明することがひじょうに困難なのですが、何度も聞くようになると「あ、コレか」というものが分かってきます。
 そしてもう一つ興味深いことは、欧米諸国で流行った音楽の手法、音色、フレーズ等が日本に比べてダイレクトに、曲に反映されていることです。例えば男性アイドルグループのバックトラックが、古くはEMF、ジーザスジョーンズ、そして最近ではプロディジーのようなデジロックであることもあるし、そうかと思えばクラブミュージックファンにはお馴染みの、ヤズーの「ドント・ゴー」やボムザベースの「ビート・ディス」のメインフレーズがモロに使われていることもあり、アイドルグループだからと言って侮れない部分もあります。
 次にアンダーグランドシーンですが、こちらも日本に似ており、本格ヒップホップとハードコア(日本でいうパンク、オルタナティブロック、ミクスチャーロック等)が主流です。ただし、韓国でハードコアと呼ばれている、このロック系ジャンル、私が聞いた限りでは、まだ「誰某のコピーバンド」のイメージが強く、残念ながら、まだ欧米の水準には達していないように思います。しかし、緊張感が張り詰めたロックサウンドに絡む、鋭利な韓国語ラップというのも、また独特で個人的には気に入っています。
 そして最後にテクノについてですが、メジャーシーンにおいてポップスにテクノが導入され、結果良質なポップスは多く排出されています。しかし本格テクノとなると少々厳しい状況で、今後の課題になると思います。  
<このサイトについて> さまざまな要因から韓国音楽に限らず、他のアジア音楽に抵抗をもっている方は多いと思います。確かに欧米音楽と比較して、日本も含めたアジア音楽は声量面での弱さが感じられます。しかしアジア音楽ならではの声質というものも存在しており、一概にアジア音楽が欧米音楽に劣るとは思えません。
 このサイトでは韓国音楽に限定し、できるだけ客観的な視野から良質な作品やアーティストを紹介していきたいと思っていますが、数字で評価しづらい音楽の特性上(売れているアルバムが必ずしも優れた作品とは限らないという意味)、やはりそこにはかなりの主観が入ってくると思います。その点に関しましては何卒ご了承願います。また私の情報収集能力の無さから、メンバー名および人事異動等に関する掲載はあまり期待できないと思われますので、そのような情報をお知りになりたい方は他の韓国芸能情報サイトを参考にして下さい。

Perfect Kiss