1996年11月

********うそばっかりのうささぎの話 御殿場篇最終回*****

でっちん「ここ、ここ。このUFOキャッチャーの前で待ち合わせ。」

うささぎ「あっー、このUFOキャッチャーの中、

     デズデモーナと同じ形のぬいぐるみがたくさんいる。」

クロクロ「ほんと、6匹くらいいるね。」

うささぎ「デズデモーナももとはUFOキャッチャーの中にいたんだね。」

クロクロ「たぶんね」

でっちん「そろそろカラスが来るころだけど。」

うささぎ「あー、カラスが来た来た。」

クロクロ「デズデモーナぶらさげている。」

うささぎ「おー、UFOキャッチャーに激突するーー。」

ガシャーン

クロクロ「こりゃまた派手につっこんだねえ。」

うささぎ「中のぬいぐるみがみんなはじけ出ちゃったよ。」

カラス 「まいど!

     ハンコをお願いします。」

でっちん「はいはい。」

カラス 「ちゃんと、デズデモーナを連れてきましたからね。

     ほら。

     あれれ、あっしが運んできたのは1匹だったはずなのに

     デズデモーナが7匹に増えている。」

うささぎ「UFOキャッチャーのぬいぐるみと混ざっちゃったんだよ。

     デズデモーナと同じ型のぬいぐるみも6匹いたから、

     合わせて7匹さ。」

クロクロ「デズデモーナが7匹。

     どれがデズデモーナだかわからないや。」

でっちん「ネエ、この子じゃない?

     あなたがデズデモーナ?」

デズデ1号「ダー」

クロクロ「そこのじゃなく、こっちの子じゃないかなあ?

     きみがデズデモーナだよね?」

デズデ2号「ダー」

クロクロ「みんなダーしか言わないからわかんないよ。」

でっちん「うささぎ、何か見分ける方法ないの?」

うささぎ「かんたん。

     一番汚れている子がデズデモーナさ。

     ずっと空を飛んできたからホコリかぶっているはず。」

クロクロ「ではこの子だ。」

デズデモーナ「ダー」

クロクロ「ほんとうにこの子はちょっと不安だなあ?」

うささぎ「大丈夫、どの子がデズデモーナになっても大差ない。

     ダーしか言わないから、だれでもちゃんとデズデモーナ

     の役をつとめられるさ。」

クロクロ「うん。」

でっちん「いいかげんなぬいぐるみたちー。」

デズデモーナ「ダー」

ってなわけで、うささぎ、クロクロ、そしてデズデモーナは無事に御殿場に

着きました。長いあいだのおつきあいありがとうございました。

おわり


目次へ戻る      表紙へ戻る