******** うそばっかりのうささぎの話し ********

  

【第3部 第9話】1998年11月

 

さてさて、やっとこさ「くじらの来る町」に着いたクロクロとくまった。

くまったたちは、この町で「奇妙な病気」を治す薬を探し出さなければ

なりません。

 

船長  「で、あてはあるのか? くまった」

くまった「それが、どうしたらいいものかあ、、、」

船長  「ずいぶんと頼りない奴だなあ」

くまった「クロクロ、どうしたらいいんだろう?」

クロクロ「薬が必要なんだろ」

くまった「うん」

クロクロ「だったら薬屋に行けばいいじゃないか」

船長  「でも、奇妙な病気だから、薬屋でもわからないかもしれないぞ」

くまった「そうそう、そうなんですよ」

クロクロ「ダメでもともと、といういうことで、まずは薬屋に行ってみるしか

     ないよ」

くまった「そうだねえ、、、

     船長、どうしましょう?」

船長  「オレの仕事じゃない。おまえたちの仕事だろうが」

くまった「そうなんですけど」

船長  「わかった。わかった。

     オレの知り合いで医学の研究をしている動物がいる。

     奴なら何か教えてくれるかもしれないぞ」

くまった「この鯨の来る町にいるんですか?」

船長  「そうだ」

くまった「うわー、ぜひ紹介してください」

 

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そんなわけで、くまったとクロクロは船を降りて、医学の研究をしている

というヤギ先生のところへと向かいました。

 

くまった「クロクロ、いきなりヤギ先生のところへ押しかけていっても

     大丈夫かなあ」

クロクロ「船長が電話番号とか忘れちゃったって言うんだから、もう

     押しかけるしかないさ」

くまった「留守だったらどうする?」

クロクロ「玄関先で待つしかないね」

くまった「船長の地図によると、この家だけど」

クロクロ「では突撃」

 

トントン

 

くまった「こんにちは。ヤギ先生はいらっしゃいますか?」

ヤギ  「おー、おー、これはクマさんに、ウサギさん。

     待っていました。さあさあ、中に入ってください」

くまった「クロクロ、先生はなぜ『くまった』たちが来ることがわかって

     いたんだろう?」

クロクロ「大先生は頭のできが違うのさ」

ヤギ  「ウサギさんたち、遅いからどうしたのかと心配しましたよ」

くまった「はあ」

ヤギ  「もう、実験の準備はできていますから、さあ、ウサギさん、」

クロクロ「クロクロっていいます」

ヤギ  「さあ、クロクロさん、ここに腰掛けてください」

クロクロ「はい」

ヤギ  「そして、この赤い電線をクロクロさんの右のお腹(なか)に、

     この青い電線を左のお腹につけます」

クロクロ「はあ」

ヤギ  「そして、このスイッチを入れると、クロクロさんの

     横隔膜(おうかくまく)が刺激されて、シャックリが始まる、

     という仕組みです」

クロクロ「はあ」

ヤギ  「偉大なシャックリ研究の一角に参加できることを誇りに思ってください」

クロクロ「はあ」

ヤギ  「では、スイッチ、オン」

 

ビワーン

 

トントン

 

ヤギ  「大事な実験の最中なのに。だれでしょう?」

 

トントン

 

うささぎ「先生、先生。実験ボランティアのうささぎです。

     あけてください。

     来る途中で画鋲(がびょう)を踏んでしまい、来るのが

     遅れました。先生!」

ヤギ  「へっ!?

     じゃあ、いま実験台に座っているウサギさんはだれ?」

 

クロクロ「ヘッポ、ヒャッポ、シャッポ」

くまった「先生、実験成功のようですけど、、、」

 

つづく

 

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