ドライフラワー雑記

99

仲間

自転車をこぎながら

ぼんやりテレビを見ていた

音声のない声で

中田くんが喋っている

いつになくにこやかな様子に

(ずいぶん大きな耳)

が気になってくる

噂は本当だったのかもしれない

はっとして回りを見回したら

みんなの耳が気になってきた

不思議な形

(ボクの耳はあんなじゃない)

すると

左前方でストレッチしていた男がこっちを見ている

不思議な形

目をそらしながらガラスで隔てられたプールに方向転換

数人と目があった

不思議な形

(ヤバイ)

ここで初めて自分の状況に気がついた

逃げなくてはいけない

しかし、床に張り付いた自転車では

何処へも行けない

そこで

ぞろぞろついてくるそいつらに気ずかないふりして

更衣室を抜けた

あと少しで外だ

それから仲間を探すとしよう

どっちが普通でどっちが変なのか

分からなくなってきた

しかし

キミがボクの仲間なのは分っている

 

 

2001年10月6日

return to index