ドライフラワー雑記

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オールズバーグの絵本

<ハリス・バーデイックの謎>という絵本がある

14枚の絵には短い謎に満ちた文章が添えられてる

それぞれ、14の絵本の一部ということになっているが

これがどういう風に続くのか誰もしらない

ハリス・バーデイックが行方知れずだからだ

例えば

リンデン氏の書棚

彼はその本について、

女の子にちゃんと注意を与えたのだ。

でももう遅い。

招かれなかった客

彼の心臓はどきどきしていた。

ドアの把手はたしかに回ったのだ。

七つの椅子

五つめは結局フランスでみつかった。

オスカーとアルフォンス

それらも返さなくてはならない時が来たことは

彼女にもわかっていた。

毛虫たちは彼女の手の中でもぞもぞとうごめき

「さよなら」という字を描いた。

てな具合だ

こんな感じになった

ジョージ・ハウスの謎

ボクはしっぽのついた丸い毛虫の真似をしてたわけじゃない

けれど

空にむかってもぞもぞとうごめき

「またね」と指でなぞった

すぐというわけではないが

ハートはいつも

蛾になった日をイメージトレーニングする

そのうち飛べるなんて夢のようなことだ

お次は、こちらから

作者のジョージは

隣に座ってグリーンテイーを飲んでいる

続きはまだ考えてないらしい

いつもいつも

考えてるわけじゃない

一番辛いと思っている時も

別のことを考えているのは確実だ

だが

まだ遅くはない

  

 

    

 

 

2001年8月19日

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