ドライフラワー雑記

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水さし

迷ったすえ、高価なアンテイークを買いました

と知り合いの女性

フレンチカントリー風、金属製の水さしで

一部分擦れて剥がれてはいたが

綺麗な絵が描かれているそうだ

彼女が何故、買うことを決心したかというと

阪神大震災のニュースをテレビで見たからだと言う

人が亡くなり家が燃え家具が壊れ

それを見ているうちに

何時死ぬかわからない、だから買う、と決心したらしい

普通、そういう場合は

取り合えずあきらめよう、と思うのが普通のような気がして

なるほど、そういう考え方もあるのか、と思った

つい先日の誕生日に、高価な買い物をした

自分にも見えない不安がせまっているような迷いで

買うのを躊躇っていたのだが

ふっと、色の剥げた水さしが頭を横切ったのだ

楽しみは続く限り続く

 

ニューヨーク在住の日本人のダンサーの話し

彼女は突然、原因不明の病気で目が見えなくなった
それまで自信がなかったのは、他人と自分を比較していたからで
目が見えないことで、比較することに意味がなくなった
と言う

どうしてもやりたければ、大概のことは出来るということだろう

 

    

 

2001年7月29日

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