風の愉しみ
いいお天気の夏の午後 ここにいると
二番目に楽しみなのは
風
テラスに座って
頭を空洞にすると
鏡の中をすり抜けていく風が見えるのだ
風はいろんなものを運ぶ
牧草の匂い
カナカナ蝉の声
微かな雷鳴
眠気
そして
遠いダレカの声が聴こえてくることがある
海がつながってると同じように
空もつながっていて
潮の流れや風向きによって流れてくると思えば
不可能というわけじゃないし
それに
30分も過ぎると眠ってしまうので
その後は夢の中
風はちょうどいい愉しみをくれるってわけだ
昨日の雨上がりは細い細い月だった
たとえそれが明けない夜の始まりだったとしても
耳は風を見る 目は空気を嗅ぐ
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2001年7月29日
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