桃
数年前から目に蚊が住むようになった
別に何をするわけじゃないからほったらかしにしていたのだが
三日程前、今度が大きな蛾が現れ
これは大変
目医者さんに見てもらった
ぶつぶついいながら、彼はボクの瞳をぐいっとやって
無気味な液体をどろりと流し込んだ
あまりのことに ボクの目は咳き込み
苦し気に苦笑い
それから、強い光を当てられて
あんぐり覗き込んだ目医者
これは大変だ！
目の中にドアがあって
そこから、虫が入ろうと狙っている
あれは、たしか、、、、
カマ、、なんとか、、って言ったような、、、
先生、まさかカマドウマじゃないんでしょうね？
って聞くと、
それそれ、でも大丈夫だよ
これからレーザーガンで塞いであげるから
と
合計１２発 ボクの目に打ち込んだ
来週また１２発打ちこみますからね
是非いらっしゃい
と
目医者はニタっと笑った歯の隙間
長い足が引っ掛かっている
歯間ブラッシ、まめにしなくちゃいけないよ
と言おうと思ったが、面倒臭くなってきた
ああ、ボクの左目は一体どうなってしまうんだろう
不安な夜は独り
でも
明日は桃畑で桃でも買おう
桃はボクとキミを元気にする魔法の果実かもしれない
と信じよう
ボクは今清里の夜にいるのだが
玄関ドアはカマドウマでいっぱいだ
外に出ることも出来やしない
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２００１年７月２４日
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