ドライフラワー雑記

31

蛹の頃


蛹が蝶になる瞬間を想う

待って、ひたすらじっと

皮袋を脱ぐ今が来た時

どうなっていくのかの予感があるのだろうか

食べ物さえも変ってしまったことに

戸惑っていないのだろうか

花が実になる瞬間を想う

自らを落とし始め

終わりが来たことを知らされた時

不思議な形に変貌しつつある自分を

自覚するんだろうか

 

床に張り付けられたペダル

必死にこいで

 何処かへ向かってみたが

不安定な気分はおさまらなかった

そして僕は

僕と君の

 蛹の頃を思い出す

うすうす気がついていたのだ

何かになったその先に

砂時計の中の

微塵の痛みがやってくる未来を

会わずににすませればよかったのに



ほんの一瞬の迷いを押しやりながら





ステルンクーゲル

不思議な形

実はスカビオサの一種だそうな



 

    

 

2001年4月22日

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