ハーヴェイ・ミルク
「ニューヨークで、同性愛者など性的少数者の生徒を専門に受
け入れる公立高校が9月の新学期に開校する 」というニュースを
聞いた。賛否両論あるらしいが、選択枝が増えたということで賛
の方が多いらしい。ハーヴェイ・ミルク高校という名前が付けら
れるそうだ。 ハーヴェイ・ミルクが亡くなって約25年。いまだ
にアメリカ人の中に深い記憶として残っている人物だということ
が分る。
ハーヴェイ・ミルクはゲイであることを公表してロサンゼルスの
執行委員(市議会議員と同意義だと思う)に当選した最初の人物。
性的マイノリティーや少数派の権利のために活動した。
彼が全米で有名になったのは、ゲイの教師を排除する法案に反対
し、それを廃案に導いくために中心的的な役割をしたことによる。
この法律は、ジョン・ブリックス上院議員によって提案された。
彼はこんなことを言っている。
<売春婦は教師にさせないのに、同性愛者は許されてるのです>
ハーヴェイ・ミルクとジョン・ブリックスはテレビでも討論した。
結局、極めて差別的なこの法案は廃案になった。
が、その後、1978年、同じ時に当選したダン・ホワイト執行
委員に銃殺されてしまう。
ドキュメンタリー映画<ハーヴェイ・ミルク>は、彼が殺された
日の人々の驚きから始まり、彼の経歴や当選した後の活動を紹介
しながら、ダン・ホワイト裁判とその行方をニュース番組をまじ
えながら劇的につないでいく。
この映画を見て驚くのは、差別する側の主張の強さだ。
ジョン・ブルックス上院議員の主張も、よくもまあ、と思うが
もう一人、ベイタマ牧師は力強く訴える。
<自らの罪を公表することで市民権を得たがってる。しかし、彼
等は下品で不自然だ。あなたがたの子供だちは同性愛者に狙われ
ています。>
どこかで見た風景だと思ったら、イラク戦争時にテレビで紹介さ
れていたキリスト教原理主義のテレビ伝道師だった。
絶対的な価値基準があり、そのためなら差別もする。
カルト宗教と何処が違うの、という素朴な疑問はますます深まる
一方だ。
1984年アメリカアカデミー最優秀記録映画賞をはじめ様々な映画賞を受賞。
制作のロバート・エブスタインは、アカデミー賞2回、エミー賞4回を受賞し
ている。
キリスト教原理主義に関するページを紹介します。
1082.キリスト教原理主義の危険な旅立ち
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