星に願いを
その時々で
大切だと思うことは違う
振り返っても遡っても
その時の気持をそのまま再現することは出来ない
どんな思い込みをしていたのか
今となってはあやふやで
友だちだったり
ものだったり
音だったり
そんな記憶だけが残っている
その時
ボクが何をお願いしたのか
誰にも言ったことがない
願いが実現することもなかった
自分にさえ説明出来ないことはたくさんある
1968年8月
大切な友だちと二人
霧島山系の一つ、高千穂の峰へ登った
海抜1574メートル
すぐ横には御鉢と呼ばれる噴火口がくっついている
木はあまり生えていない
狭い頂上には
神話にでてくる天の逆鉾が立っていて
360度、遮るものは何もない
ボクたちは
夜中に二人、一番高い所へ上がり
寝っころがって空を見上げていた
満天の星の下
夜世界と同化して 浮かんでいるような気分だった
そこに、一筋の光りが流れた
その光りはだんだん数を増し
ボクはそのたびに一つのことをお願いをした
34年前のペルセウス座流星群だったのかもしれない
お星様にお願いすることは
年々変っていく
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2002年8月15日
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