ドライフラワー雑記

119

目覚める

1970年あたりの春

ボクの脳の横道をそれたあたりの

小さな樹のうろの中に

それを収納した

忘れる程遠い将来のある日に目覚めるように

時間設定したことも記憶の外

レム睡眠とノンレム睡眠の波形をくぐり抜け

揺り起こされても目覚めなかったそれは

いかにも約束時間が来た

という感じで

起き上がった

そんな風に

2002年 春のある日

前触れもなく突然

キミに会いたくなる

1970年頃の春は ただ悲しかった

それでキミを封印したのだが

今となってみるとそればかりでもないような気もしてくる

心なんて単純色じゃない

喜んで 悲しんで

ひとしきり盛り上がり

まだ見ぬ何処かへ消えて行く

忘れてしまった遠い昔も

忘れられないついさっきも

今を通り越して

まっしぐら

 

 

 

2002年2月12日

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