ドライフラワー雑記

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ほしふるよる

星ふる夜 

パレットをブルーやグレイに

僕の心の底の暗い箇所を知ってるその瞳 

夏の日を眺め 丘の上の影

雪におおわれたリネンのような大地の色々

木々や水仙を 冬の冷たさとそよ風をつかまえる

今 ボクはキミが何を言おうとしていたのか分かる気がする

どんなにキミの正気のために苦しんでいたか

みんなを自由にしようとしていたか

彼等は聞こうとしなかった

その方法がわからなかったんだ

多分 今は聞くだろう

星ふる夜

燃え上がるような花たち

すみれ色の靄の中 渦巻くような雲

チャイナブルーのキミの目に映されて

微妙に変る色合い

早朝の草原はエンバーグレイ

苦痛が刻まれた日に焼けた顔

画家の手は愛撫するようになぞっていく

今 ボクはキミが何を言おうとしていたのか分かる気がする

どんなにキミの正気のせいで苦しんでいたか

みんなを自由にしようとしていたか

彼等は聞こうとしなかった

その方法がわからなかったんだ

多分 今は聞くだろう

だれもキミを愛さなかった

キミは本気で愛していたのに

どこを捜しても希望が見つからなかった

星ふる夜

恋人たちがしばしばそうするように 

自分を消してしまったんだ

でもきっと僕なら言えたよ 

ヴィンセント

この世界は

キミみたいな人が生きられるようには作られていない

星ふる夜

だれもいないホールに掛けられた肖像

額縁もなく 名前もなく

世界をまっすぐみつめている目

まるで何処かで会った見知らぬ人のよう

薄汚れた男 薄汚れた洋服

血色の赤いばらのとげ

降ったばかり雪の上につぶされている

今 ボクはキミが何を言おうとしていたのか分かる気がする

どんなにキミの正気のために苦しんでいたか

キミを自由にしようとしていたか

彼等は聞こうとしなかった

そして今も

多分 これからも


 

Vincent

written by Don Mclean

translated by Prin

     

ほしふるよるに

ひとり

世界と同化して空を見上げてると

とやかく思う自分が溶け出して

大事なことが減って行くのが見える気がする

心の穴をコルクで塞ごうか

それとも一回 空にしてみようか

どちらにしても

微妙な差だとしても

 

 

2001年12月21日

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