ドライフラワー雑記

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天才

初めてサルバトーレ・ダリの展覧会を見たのは高校生の頃

美術部のメンバーで、油絵を描きはじめたばかり

殆どの絵好きが

モネやルノアールに憧れたころだった

ダリの印象は強烈で

今でも30年以上前のアリの影や曲がった時計を思いだす

天才とはこんな人のことを言うんだな

と思ったのだが

後年、ダリが描いた他の作品をみて

天才と呼ばれるのも大変だと思った

ダリのモチーフはかなり繰り返して使われる

曲がった時計や足の長い象

アイデアが湧いてでてるのではないのだ

ダリは私生活では奇行で有名だった

独特のひげと同じように

奇人と呼ばれるのを好んだようだったのだが

 天才を演出していたのかもしれない

モーツアルトの曲を全部CDにしてみると

140枚になるという話しをきいた

彼の人生が短かったことを考えると

寝てる間を除いてはずっと曲を書いていたという勘定になるそうだ

しかも、楽譜には修正したあとは見当たらず

駄作が全然ないとも言われている

サリエリがうっとりと羨んで殺意までもってしまった才能

モーツアルトは天才だったのかもしれない

<サバン症候群の天才達>というテレビ番組を見た

自閉症の人の中に時々うまれる天才

山下清もその一人だったそうだ

彼は花火大会を見てその情景を記憶して家に帰る

それを貼り絵で再現したのだ


番組では、一人の画家とピアニストに焦点を当ていた


画家は、ヘリで上空からロンドンの市街を15分眺め

地上に戻ってそれを正確な遠近法で再現する

ピアニストは一度聴いた曲をすぐ記憶する

そしてそれを正確に再現するのだ

というと物まねのように思えるかもしれないが

二人とも独自の感性を持って表現する

あまりの桁違いに驚くのみだった


近年、痴呆になった人にも似たような現象が発見されたそうだ

今迄なかった絵とか音楽に才能を発揮しはじめる

脳を調べてみると、同じところに損傷があった、、、、

側頭葉の左前部

ここは、言語、分析、概念をつかさどる

この能力を失う代わりに、天才が生まれるのだ

数%しか使われてないと言われる脳

不思議な物語りはここで作られる

「教養がじゃまして」って言う人もあまりいなくなった

右脳の能力に禿でているボクは

言語分析能力がじゃまして

実は天才が隠れていることに気がついてない

遠い将来

言語分析がままならなくなったとしても

天才が頭を持ち上げるかもしれいな

昨日に続き

僕の将来はバラ色に輝きはじめる、、、、、

 

 

2001年11月25日

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