ほーだい日記

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難民

 1月20日のアクセスは<クルド人親子の強制送還問題>がテーマだった。21日の荒川恭啓デイキャッチもそのことを取り上げていた。夜になってj-wave、パトリックハーランのフィフティーミニッツもその問題をとりあげていた。共通して言われてるのは、法務省の決定のあまりのひどさだ。難民に厳しい日本と言われているが、今回はその中でも異例のことなんだそうだ。

 アハメト・カザンキランさん親子は国連難民高等弁務官によって難民認定がなされてる。しかも日本は、難民条約に批准している。それにもかからわず難民認定をしなかった。日本国内での認定はものすごく厳しい。それでも、こういうケースは前例がない。国連は日本を国際条約違反だと言っている。

 南野(ノーノ)法務大臣がこのことに関して会見を行った。

<東京高裁での判決が出ており、我々は法を守った>と。

 高裁の判決もおかしいと思うが、もっと不思議なのは、まさにこの件に関して、最高裁で係争中である、ということだ。結論が出てない状態で、何故、今、強制送還なのか、全然分らない。ノーノ法務大臣もそのことを言わない。裁判を受ける権利を奪われてしまったということになる。これは、人種や国籍にかかわらず基本的人権を国が踏み潰したということ。しかも、踏んずけてるにもかかわらず、法を守った、と堂々とテレビで言ったりしてるのだ。

 日本での難民認定は異常はほどの狭き門だ。例えば、アメリカでの難民受け入れが20000人だとすると、日本は20人。これは国際的にみて、圧倒的に低い数字です。

 難民は、政治的思想的圧迫を受けてる人で、場合によっては、その国で逮捕監禁され命の危険がある場合も多い。それを認定する場合、本人がその状況を証明しなくてはならない。緊急に脱出した場合もあり、なかなか難しい。ひどい場合は、母国に戻って何か証明するものを持って来るように言われる場合もあると聞いた。もう一つ。法務省の役人が、その国に、<難民だと言ってる人がいますが、本当でしょうか>と問い合わせることもあるそうだ。イマジネーションの欠如なのか、それなりの理由があるのか?

 ひどいのは国ばかりではない。アクセスを聞いていて一番驚いたのは、今回の国の措置は正しい、と言う人が以外と多いことだ。世の中、考え方は色々だけど、もし自分のその立場にたったらどうなのか?ぎりぎりの状態で逃げて来た国で拒絶され、迫害される恐れのある自分の国に送り返されたらどうなのか?

現状で僕が同じ立場になったならば。

日本へ逃げることだけはやめた方がいい、ということになる。

ノーノ法務大臣に一言

 就任当時の国会答弁のひどさに、すっかり自信をなくしてしまったんじゃなかろうかと想像する。徹夜で勉強してると言ってたが、そのくらいじゃなかなか難しい。何が難しいかと言うと、法務省官僚に対峙することだ。ちんぷんかんぷんだから官僚の言いなりになってるのかもしれない。ノーノさんはもと看護婦だと聞いた。その経歴を生かし、ナイチンゲールの精神で頑張れないんだろうか?ナイチンゲールなら違った対応をしてたんじゃなかろうか。

2005.1.23

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