自国益と他国益
イラク戦争の話し。
戦争開始の根拠は、大量破壊兵器があるから、ということだった。
ないと分った後、他にも色々な理由があったからあの戦争は正当だ、弁解する人
もいたが、最大の根拠はこれだったはずだ。
なかったと認めざるをえなくなって、アメリカはこの戦争が間違いだったと公式
に認めた。
日本ではどうかというと、小泉前首相をはじめ、引き継いだ現在の政府のはっき
りしたコメントを聞いたことがない。
開戦後、日本の自衛隊がイラクに派兵されることについて、賛成をした評論家と
かコメンテーターも、ほとんど何も言わない。
質問されても答えない人もいるし、答えたとしても、他に道があったか?と開き
なおったりする。
読売新聞は、今でも、日本がとるべき道は他にはなかった、と言ってるそうだ。
国益のためには、アメリカに協力する意外の選択肢はなかった、と言う人は多い。
日米関係がうまくいかなくなったら、北朝鮮の脅威はどうする?と言うのだ。
自分勝手な論理だ、と思う。
近隣の脅威から守ってもらうためには、なんでもするというのだろうか?
なんでもしたあげく、無関係な国がぼろぼろになってもいいんだろうか?
北朝鮮の脅威とイラクは関係があるのか?
北朝鮮の脅威があるからと言って、それと無関係な国を根拠もなく攻撃する同盟
国に協力を惜しまない、みたいなことでいいのか?
他の国の国益を全く考えず、しかも正当だと理由付けまでして、自国の益を守ろ
うとするのは恥ずかしい話じゃないのか?
今、自衛隊の情報保全隊が問題になってる。
情報保全隊?、それなに? って感じなんだけど、イラク派兵に関して、反対し
た個人、団体をジャンルに分けて情報を収集、ファイルにして保存していたのが
ばれた。
Wikipediaによれば
<情報保全隊とは、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊にそれぞれ置かれて
いる情報保全隊業務のために必要な資料及びの情報収集整理及び配布を行うこと
を任務とする防衛大臣直轄部隊である。>
長崎県選出の衆議院議員、 久間 章生防衛大臣は、これを合法であり、反対集会等
の写真撮影は新聞社でもやってる、と発言してる。
どういうことかと言うと、今後も見張り任務を遂行します、ということだ。
しかし、これは公安がやってることと同じ。
公安のやりすぎは問題になっていて、例えば、共産党がポスティングをしてたりす
るのを隠しカメラで撮影したりする。ある裁判で、公安の撮影現場が公開された。
数メートルしか離れていないところで、一人を数名で囲い込み、気がつかれないで
撮影をする。入れた!(郵便受けにチラシをいれた!)という音声までついていた。
ああ無気味。
言いたいことが言えない雰囲気作り。
つまり、シビリアンコントロールは名ばかり、ということを意味するんじゃないか?
このファイルの中には個人の名前も書かれていて、名指しされた人は無気味な感じと
思ったかもしれない。
しかし、例えば、<幸せに黄色いハンカチの>山田洋二監督。
イラク戦争に賛成してたのに口をつぐんでいる政治評論家と違って、
イラク戦争に反対の映画監督、と防衛大臣公認の御墨がついた。
しかしな〜
子供が言うことを聞かない時に
保全隊が来るぞ〜、なんて言葉が普通になったりしかねない。
未来に行ったらそこは昔の日本だった、ってことになったら大変だ。
忘れてはいけない。
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