ほーだい日記

11

日本の取り調べ室

50人中42人。

 何の数字かというと。戦後の冤罪事件の中で、自白した人の数。

冤罪だから、本当はやった覚えのないことを自白したわけだ。

自分がそういう立場になったとして、やってないことをやったとは言わ

ない、と思うかもしれないが、実際はどうだろう?

80%以上の人が自白してるのです。

 昨年8月、宇都宮署により暴行容疑で逮捕され、その後、2件の強盗

容疑で再逮捕。宇都宮地検が起訴した男性被告(53才)について、2

件の強盗事件事件がいずれも誤認逮捕、誤認起訴だということが分っ

た。真犯人が見つかったのだ。

事件のあらましは以下の通り。

まず昨年8月、宇都宮市内で女子中学生2人の 首を絞めたとして逮捕

された。その後、洋菓子店で現金約13万円を 奪ったとして9月に再逮

捕され、さらにスーパーで従業員から 現金約6000円を奪ったとして

10月に逮捕された。

被告は、暴行と強盗2件の事実を認め、懲役7年を求刑された。が、そ

の後、12月の公判で強盗に関して、無罪を主張していた。

ここで不思議なのは、警察署での取り調べなのです。

自白したはずの男性は、障害があって、話すことが困難だった。

警察によると、走って逃げたことになってるのだが、足にも障害があっ

て、走ることが困難だった。

この2点に関しては、一目瞭然のことで、逮捕も起訴も極めて不自然だ

と思う。

 普段、日本に暮らしていると、この国が民主的先進的国のように思っ

てしまいます。それが、警察の取り調べに関しては、野蛮な国かもしれ

ないのです。

現在、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、etc.

いわゆる先進国と言われてる国の大部分は、取り調べに弁護士が同席す

るのは普通のことであり、取り調べの状況をビデオで残すところも多

いそうです。しかし、日本ではそのいずれも許されないのです。戦前か

らの自白主義は今だ残り、証拠が少ない場合は、きつい取り調べが行わ

れることになります。

立川の自衛隊宿舎にビラを投函したとして逮捕、というニュースがあり

ました。逮捕された人は70日ほど勾留され、毎日、時には8時間もの

取り調べが行われたそうです。

この事件(?)、東京地裁では被告無罪になっています。

冤罪というのは身に覚えのないことで突然逮捕されることです。

混乱してるうちに犯人にされていまうかもしれない。50人中42人が

自白したということを考えると、自分が残りの8人になれるだろうか、

と思ってしまいます。

普段から、やってないことは自白しない、と決心しておくことが必要な

んじゃないか、と思ったりしています。

国歌賠償責任というのがあります。

しかし、冤罪がはれたとしても、それで失われた何年間の賠償がされるとは限りませ

ん。誤認が仕方がなかったということになれば、何も戻ってきません。誤認に違法が

あったということを当人が証明しないといけなのです。

最近、ニュースになってるように、証拠を隠すかもしれない警察に対して、簡単なこと

ではありません。

2005.4.10

return to index