7つの教会への挨拶


黙示録の一番最初は7つの協会への手紙だ。これは協会への手紙の形式を借りて、 現在(その当時)のキリスト(ユダヤ)教の状態を現してるんです。そして預言への導入部なのだ。

時はいつのころなのかよくわからない。なんせ聖書が書かれる前の話しで、キリストが処刑された後の話しだから、 紀元10年とか20年くらいの話しでしょう。とにかく、まぁ、2000年くらい前の話し。
ヨハネはパドモスという島にいたのである。この島はエーゲ海の島である。 キリストの使徒である証しを示すためにそこにいたといっているが、要は異端の徒としてこの島に流刑になっていたのである。
キリストは、背後から唐突に、ヨハネに話しかけた。その声はラッパのようだったという。一体どんな声なんだろう? 道をポコポコ歩いていたら、後ろで、チャルメラがなったようなものかな??

そのラッパの音はこう言ったのだ。
「これからええもん見せるよってに、それをな、巻き物にして、アジアの7つの教会に届け。7つの教会言うんは、 エペソ、スミルナ、ペルガモ、テアテラ、サルデス、フィラデルフィア、それにラオデキヤや。ええな。 しっかり見て、ちゃんと巻き物にしておくるんやで。」
そこでヨハネは声の主を確かめるべく振り向いたのである。そこにいたのは甚だしく派手なものだった。
その特徴をいかに列挙してみよう。

ねっ、なんかすごいでしょう?それを絵にするとこうなる。こんな格好で背後に立たれたら恐いと思うがなぁ。それに口に剣なぞ咥えてたら喋れないと思うしな。もっと不思議なのは金の燭台だ。かぶりものか?
そして、ヨハネはその声の主を見て(恐ろしさのあまり)死人のように倒れてしまった。(もしかしたら死んだふりをしたのかも。)死んだはずの男が派手な格好で出てきたんだからあたり前である。
そのとき、声の主はヨハネの頭に手をおいてこういった。
「そないに怖がらんでもええがな。わいが最初で、最後なんやし。生きてるでぇ。ほれこの通り。でも、触ったりしたらあかんで、種はあるんや。ほれに死とハデスの鍵かてちゃーんともってま。」
ハデスとは黄泉の国、つまりあの世のことである。まぁ、あの世の鍵を持ってるわけだから、こっちへ出てくるのは簡単な訳だ。しかし、あの世とこの世を自由に行き来する存在というのは恐いと思いますよ。やっぱり。
キリストはさらに続ける。
「さっきも言うたけどな。これからとってもええもん見せるさかい、それをよー見とってな。メモとっとくんやで。へてから、ついでやからこの右手の星と周りの金の燭台について教えとくけどな。隠れた意味がちゃんとあるに決まっとるやんか。7つの星は7つの使者、7つの金の燭台は7つの協会のことや。」
ただのかぶりものじゃなかったわけだ。
ちなみにこの7つの協会の使者というのは位の高い天使のことである。つまり、この7つの協会には天使が赴任していて、 他の協会に対して指導的な立場にあるという訳である。
かくして、ヨハネはキリストと再会し、その予言をまのあたりにすることになったのである。

エペソの協会へのメッセージ

まず、最初は7つの協会へのメッセージから始まる。最初はエペソの協会の使者へのメッセージである。
「ほな始めよか。」
キリストは燭台の間をうろうろと歩きながら、白目になりそうなほど上をみながら語りはじめた。
「エペソの使者さんへ。わいはちゃんと知ってるで。あんたがえらくつらい目におうても我慢してることをな。 それに、ときたま我慢できずに信者の振りしてるやからをテストして偽もんをちゃあんと見つけたことかて知ってるで。 いままで、よー我慢して、わしの名を汚さんように、よー頑張ってくれよった。ほんま、感謝しとる。 ほいでもな。したらあかんことかてしとるで。それはな、あんさんが初心を忘れてまってることや。 みぃんなを愛せんようになってるわけや。初心に帰らなあかん。もしぃ、それがでけへんのやったら、 あんたはわいの使者でもなんでもないで、ほんまに。破門や。
まぁ、安心せぇや。あんたが嫌っとるニコライ派っちゅうやつな、わいも嫌いや。そこんとこは一緒やでぇ。 あいつらは、わしがあれほどあかんて言うとる偶像崇拝しよるんでな。
最後にもう一言や。えへん。ここ大事やから、よー聞くんやで。
耳ぃ、あるもんは神さんが全国の協会に言うことよぉ聞きや。勝ったもんにはわいが『神のパラダイス』 にあるいのちの木の実をごちそうしたるで。あれや、エデンの園の真ん中に植えてあった木の実のことや。
エペソの使者さんへのメッセージはここまでや。」
ようするに、エペソの使者は概ねよくやってるが、人を試すようなことをして、 万人を愛する心をなくしちゃってるのが、ちと頂けないというところでしょうか?

スミルナの協会へのメッセージ

「まぁ、最初はこんなとこやろ。ええと次は、そやそや、スミルナの使者さんへのメッセージやな。
どうや?早すぎることないか?ちゃんと書き取れてるか?」
ヨハネへの気遣いを忘れないキリストである。
「いくで。ええか?
スミルナの使者さん。わしは知ってるで。あんたが苦しんでることも、あんたが貧乏なことも知ってるで。 金はなくてもその心根がしっかりしとるいうこともわかっとるで。
あんたが、自分をユダヤ人だと嘘ついてることも知ってるわけや。 最後にな、サタンの取り巻きの連中に文句ばりばり言われてることかて分かってるってことや。
そやけどな。あんたとこの協会がこれから経験するかもしれん辛いことを怖がったりしたらあかんで。 悪魔はあんたの協会の誰かを牢屋に入れようとしてるんや。
あんたたちは10日間苦しむんや。それから死んでまうやろな。だけどな、死ぬまで忠実でいるんやで。 負けたらあかんちゅうこっちゃ。そしたら、死んだ後にいのちの冠をあげるで。
スミルナの使者さんにも最後のメッセージや。
耳ぃ、あるもんは神さんが全国の協会に言うことよぉ聞きや。 勝ったもんは、2回目に死んでも絶対に損なわれることはないっちゅうことや。 スミルナの使者さんへのメッセージはここまでや。」
なんか結構強烈ですよね。牢屋に入って10日間苦しんで死んじゃうけど、怖がるなっていうんですからねぇ。

文字ばっかりで疲れてきたと思いますので、ちょっと地図など出してみましょう。
パルドス島とかアジアのXX協会とか言われてもピンと来ないし、ましてや何でアメリカのフィラデルフィアが出てくるのか? などと思われる向きもあるでしょうから...。はい。これで見ると分かりますが、今のイスラム文化圏もしくはユダヤ文化圏ですね。 なんか不思議な気がそこはかとなく知てくるのは私だけじゃないでしょう。

ペルガモの協会へのメッセージ

「そしたら次や。次はペルガモの使者さんへのメッセージやで、これもちゃぁんと書いて送るんやで。」
キリストは両刃の剣を口から抜き取って手に持った。口が切れなかったのかなぁ。
「ペルガモの使者さんへ。わいはちゃあんと知ってるで。あんたが住んどる場所を知ってるんやで。 あんたが住んどる場所にはサタンの王座があるっちゅうことかて分かっとる。
そのサタンの王座がある場所で、よくもまぁ、きゃつから悪い影響受けずに頑張りよるちゅうのんは大したもんや。 このあいだ、わいの舎弟のアンテパスちゅうのんが、そっちで殺されてまったときも、わいを信じ続けてくれとるっちゅうのは、 ほんまに見上げたもんやで、こりゃ。なぁ、そうやと思わんか? ヨハネくん。あ、あかん。今のんとこはカットやで。
そいでも、まだまだ、完璧とちゃうで、あんたにもあかんところがあるで。
それは何かというとな。あんたんとこにもニコライちゃん派がいよるねん。あいつらは絶対にあかんねん。 その昔、モーゼさんがシナイ山に十戒貰いに行ったときに、 その邪魔しようとしたバラクっちゅう王さんとバラムっちゅういけすかん占い師と同じっちゅうこっちゃで!えぇ
せやから、あんたは反省せにゃあかんのや。あんたがしっかりしとらんからあんたの島に悪い奴がでてくるんやで。 あんたがでけへん言うんやったら、わいがそこまで行って、この剣で戦ったる。 まぁ。こんなとこやな。ペルガモの使者さんにも最後の一言や。
耳ぃ、あるもんは神さんが全国の協会に言うことよぉ聞きや。勝ったもんにはわいが『隠れたマナ』 をあげるで。マナ言うたら、あれやで。わいが神さんから地上にお使いに来たときの露払いやな。 それが転じて、聖なるもんが来る予兆のことを意味するんやで。 勝ったもんには他にも白い石もあげるで。その石にはなぁ、勝ったもん以外には分からんように新しい名前が書いてあるんや。 この石持ってたら、わしの国に入れるんや。通行証みたいなもんやな。
ペルガモの使者さんへのメッセージはここまでや。」
まぁ、解説はいらないでしょうねぇ。ペルガモの使者は自分の島に異端者が出てきちゃったんで、それがいけないというわけですね。

ティアティラの協会へのメッセージ

キリストはなおも続ける。
「よっしゃ。のってきたで。こんどはティアティラの協会の使者さんへのメッセージや。
いくでぇ。」
キリストは、まぁ、よく喋るのである。
「わいはあんたのことよう分かってるで。あんたのしてはること、あんたの愛、わいを信じる心、人に尽くす心、 それにあんたの我慢強さも全部ちゃあんと知っとるで。最近のあんたと言ったら、 最初のころに比べて、ようけよくやってくれとるようで、ほんまいくら感謝してもし足りないくらいやな。 また、こんなん言わなあかんのも、いやなんやけどな。あんたもまだ違うとるんや。
あの女のことや。分かっとると違うかも知れんけどなぁ、あのイゼベルちう女のことや。 あんたがあの女にやり放題させとるいうのがどうも頂けんちうこっちゃ。
この女もまったくひどい奴や。自分のことを予言者と言いよってな。わいの信者を騙して、またまた、エッチなことさせて、 そいでもって、偶像崇拝させとるわけや。とんでもないこっちゃで。こりゃ。前に、わいはこの女呼び出して反省して、 もうしょうむないことせんように言ってやったんやけど、ちぃとも言うこと聞かへんのや。
こうなったらわいはやるで。あの女を病気にしたる。あの女とHしたもんかて同じや。 もし反省せんのやったらとてつもなくひどい目に会うことになるやろな。
それだけじゃすまへんで。あの女に従う奴かて同罪なんやから、病気にして殺したる。
こないにすればや、わいがどんなに人の心の奥底を見ようとしとるかいうことが、全国の協会に分かるってもんやな。
サタンなんぞに騙されんで、やつらの集会にも行かんやったら、わいが褒美やるで。なんも他にはせんでもええから、 とにかく、わしがそこにいくまでわしを信じとったらいいんや。 そしたら、わしはあんたらに悪い奴等をやっつける力をあげるでぇ。 とにかく、耳ぃ、あるもんは神さんが全国の協会に言うことよぉ聞けいうことや。
やっしゃ!ティアティラの使者さんへのメッセージは終わりや。どや?うまく書けてるか?よっしゃ、よっしゃ。」
うーん。偶像崇拝者はぜんぜん受入れられないみたいだなぁ。ちなみに、このイゼベルという女はやっぱりニコライ派だそうで、 偽予言者ということになっている。

サルデスの協会へのメッセージ

ヨハネはそろそろ疲れてきたが、キリストが張り切っているので、「ちょっと座っていいですか?」とは言えなかった。
「次や、次や、次や。次は、えーと、サルデスの使者へのメッセージやな。うん。
サルデスの天使さん。わしはあんたのやったことを知ってるで。あんたは生きてるように見えるけどな、実はもう死んでるんや。
そうそ、『おまえはもう死んでいる』っちゅうとこや。せやから、気ぃつけなあかんで。 あんたの周りに死にそうになってるもんが他にもいるんや。だから、気ぃつけてそいつらがほんとに死んでまわないように、 力付けてやらなあかん。
残念なんやけどな、あんたは神さんやわしの考えてることをちゃんと理解できなんだようやな。あんたのやってきたことは、 完全とは言えんのや。そやからな。神さんやわしがどないにあんたに言って聞かせたを、も一回思いだしてやな、ようく反省するんやで。
用心せなあかんで。わしが、泥棒さんみたいにこそっとあんたんとこに行ってな、襲いかかったる。いつ行くかはわからんで。
そいでもな、サルデスのあんたの島にも綺麗な心もったもんがちょぴっとはいるな。そいつらはわしがいいとこに連れてったるで。 命の書から名前も消さんしな。
決め言葉やな。耳ぃ、あるもんは神さんが全国の協会に言うことよぉ聞け。や。
やっしゃ!サルデスの使者さんへのメッセージは終わりや。」
どうもサルデスという地域はかなり7つの協会の中でも一番悪い状況にあるようである。 そのおかげで、キリストも結構厳しくあたってるわけである。ここの島ではほんの少数の人しか救われないようである。 ちなみに「命の書」についてはもっと後のほうで出てくるのでここでは説明しない。

フィラデルフィアの協会へのメッセージ

「今度で六つめやな。結構多いでぇ7っちゅう数は、もちっと少なしといたらよかったなぁ。まぁ、ええわ。いくで。
フィラデルフィアの使者さんへ。
わしは知ってるでぇ。あんたのやってきたことをな。今、あんたの前にわしは門を開けたった。 この門は誰にも閉じることがでけへんやつや。
それは何故かというたらなぁ...、あんたは対した実力もあらへんのに、わしの言ったことよう守ってくれたしなぁ。 わしのこと信じてることを誰にも隠さへんかったからや。ご褒美や。
へてからな、あんたんとこにいる奴でな、サタンの仲間がおる。 まぁユダヤ人でもないのんにユダヤ人やて嘘こいてる奴等のこっちゃけどな。こいつらをあんたんとこに行かせて詫び入れさせたる。 ほしたら、サタンの仲間になってる奴等も、わしが本当にあんたのバックにいるいうことがわかって改心するやろ。
まだあるで。あんたがわしの教えた耐えるっちゅうことをちゃあんと守ったんでな、そのお返しもしたるで。
これからな、神さんがこの世界の住人を試すために、まぁ、結構酷いことしよることになっとるんやけどな、 そんときは、わしはすっ飛んできてな、あんたのことちゃぁんと守ったる。あんたは、あんたの持ち物、特に冠を守ってればええんや。
わしは最後に勝ったもんを、わしとこの神さんの神殿の柱にしたるで。ほしたら、ずっとその神殿で暮らせるんやからな。
わしはその柱に神さんの名前と、神さんの都、つまり、新しいエルサレムの名前、それにわしの新しい名前を刻んだるでぇ。
またまた、耳ぃ、あるもんは神さんが全国の協会に言うことよぉ聞け。いうこっちゃ。」 この手紙(メッセージ)あたりでは、第二部以後に書く予言とリンクしてくるわけです。 神が人を試すために地上に大災害を起こすことや、その後に新しいエルサレムの話 −−千年王国−−が断片的に出てきてるのです。 まぁ、でもいくら神の都とは言え、柱にされるのはどうもかなり辛いでしゅ。

ラオディキヤの協会へのメッセージ

「やぁっと最後やな。これ終わったら、肩でも揉んでや。
さぁて....、ラオディキヤの使者さんへ。
あんたは冷たいっちゅうこともないし、また、熱いっちゅうこともないんやな。 せやけど、わしはあんたに冷たいか熱いかどっちでいて欲しかったやな。
ぅーん。あんたは冷たいでもなく熱いでもなく、なぁんか生ぬるいんでな、わしの口から吐き出しちゃる。
あんたは、自分のことを金持ちで、豊かで、何一つ足りんもんはないと思っとるようやけどな、 その実、自分が不幸で、哀れで、貧しくて、裸やぁ言うことがちっとも分かっとらんでかんわ(名古屋弁だ)。
そやからわしはあんたに忠告するで。あんたが本当に豊かな人間になるために、わしから清廉された金を買ってやな、 へてから、白い服買うて恥ずかしい裸を隠して、そいでもって、ラオディキヤ名産の目薬買うて目に塗ったらええ。 ちゃんと物が見えるようになるで。
わしは自分のかわいい信者たちを、ときたま、怒ったり懲らしめたりしてみるんや。 そやから、あんたもまじめに反省せなあかんで。
わしは、誰ぞの家に行って、ドアと『トントン』ノックするんや。ほして、ドア開けてくれた人とは一緒に飯を喰うで。 わしを信じるもんは神さんの国でわしと一緒に飯喰うことができるっちゅうこっちゃ。
勝ったもんは、わしと一緒にわしの王座に座らせちゃるで。 ちょうど、わしが勝ったときに神さんがわしを一緒に王座に座らせてくれたんと同じやで。ふぅ。
最後の最後に、耳ぃ、あるもんは神さんが全国の協会に言うことよぉ聞け。でしめや。」
ラオディキヤの天使は、のほほんと生き暮らして、中流の生活に満足しちゃってたってことですかね。 のんびりして、現状で満足してると救われないぞってなとこですかね。 ただ、自分の口から吐き出しちゃうっていうのはなんかよく分からないので、専門の宗教研究書に任せることにしましょ。

キリストによる7つの協会へのメッセージはこれで終わりである。天使が派遣されて、威厳があるはずの協会でさえ、 随分堕落している様が分かりますよね。
でも、本番はこれからです。次の第二部からいよいよ黙示(予言)に入ります。これは視覚的にヨハネに見せられた予言であり、 絵的にも結構エグイ内容になるでしょう。
さぁ、興奮の第二部へ!



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