『月夜の晩に火事がいて』 芦原すなお 7点
『悪夢はダブルでやってくる』 浅暮三文 7点
『孔雀狂想曲』 北森 鴻 7点
『天岩屋戸の研究 私立伝奇学園高等学校民俗学研究会』 田中啓文 7点
『ネコソギラジカル(上) 十三階段』 西尾維新 7点
『月夜の晩に火事がいて』 芦原すなお 創元推理文庫 
東京で私立探偵をしているぼくはある日、幼馴染の依頼を受けて久しぶりに懐かしい故郷を訪れる。地元一の旧家、木兵衛屋敷の当主のところに不吉な手紙が届いたというのだ。ぼくが着くやいなや、「月夜の晩に火事がいて」というわらべ歌どおりに屋敷から出火し、当主が顔を潰され、先代の息子までもが胸を刺されて死んでいるのを発見される!
へんなわらべ歌の脅迫状が届き、そのとおりに事件がおこる、見立て作品。しかし、どっちかというと見所は方言なんじゃないかなと。舞台は(たぶん)四国で、地方独特のシモネタや、言い回し、また変な言葉遣いのお手伝いさんも登場し、雰囲気がよく出てます。事件そのものは都合がよすぎな部分もあり、ちょっとどうかと思ったりしますが、こういう地方方言の特色がでてればそれだけで許せちゃう気がしました。面白かったです。
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『悪夢はダブルでやってくる』 浅暮三文 小学館 
久々の長期休暇をゆっくりと自宅で過ごそうと、食料を買い込んできた主人公。酒のつまみにと缶詰を開けた。すると、「ポン」という音とともに白いターバンを頭に巻いた男が現れた。その男は、なんと魔法使いだった。「ひとつだけ望みを叶えてやろう」と魔法使いは言うが、缶詰の中身で部屋を汚された主人公は怒り心頭。「望みより何より部屋を掃除しろ!」と魔法使いを罵倒した。
主人公と魔法使いのへんな追いかけごっこで、童話風というか、読者に対して呼びかけたり、毎話の終わりに変な企画が乗ってたりと、まともな小説では無いんですが、なんともくすぐられるものがある作品でした。バカらしいといえばそれまでなんですけどね。童心に帰りたい人にはオススメ、かなあ…?
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『孔雀狂想曲』 北森 鴻 集英社文庫 
東京は下北沢の片隅にある骨董貧屋・雅蘭堂。店主の越名集治は実は相当の目利きなのだが、商売はそれほど上手くない。おかげでいつも開店休業状態。それでも、ひとたび人々の記憶や思いのこもった骨董貧をめぐって事件が起きると、抜群の鑑定眼と推理力で謎に挑む。
さて、冬狐堂のシリーズで脇役を飾っている雅蘭堂さんの話です。骨董とまではいかない古道具屋に持ち込まれたモノを巡っての話。寝てるような目だけど、鋭い主人公の越名のキャラが輝いているようにみえるのは気の所為でしょうか。モノへの執着やら思い出やら、色々な部分を上手いこと表現し物語りになっているのは面白かったです。最近の冬狐堂シリーズよりもミステリ色濃い目でした。
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『天岩屋戸の研究 私立伝奇学園高等学校民俗学研究会』
田中啓文 講談社ノベルス 
「最後の審判」後の世界について書かれているという幻の預言書『伊邪耶による黙示録:』によると、伝奇学園の敷地内に広がる”常世の森”のある洞窟を開けば、世界はよきものへと一変するという。森に近づく者は容赦なく殺されていた。
結構展開がまじめな方向に行ってしまい、いつものくだらない駄洒落がちょいと抑え目… ばかばかしさは健在といえば、そうなんですが、消化不良な感じが残ったというか… うーむ。どうせなら無理に終わらせずに、その場限りの展開を続けていてくれたほうが面白かったんじゃないかなーと思ってみたりしました。
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『ネコソギラジカル(上) 十三階段』 西尾維新
講談社ノベルス 
「よう―――俺の敵」
”世界”を、そして”物語”を終わらせるため、「ぼく」こと”戯言遣い・いーちゃん”に「狐面の男」はささやく。キーワードは加速。そして、世界の終わり。何より、物語の終わり。待ち受ける刺客、「十三階段」の向こう側にある”終わり”の果てにあるものは―――!?
キーワードは終わりに向けて加速する世界。ということで、久しぶりに読めば登場人物がわからなくなっているし、これまで何が起こったかも忘れてました。そんな状態で読むと、よくわかんない… ミステリじゃないのはだいぶ前からでしたが、もうなんというかチームで戦う格闘漫画のノリになってるんじゃないでしょうか? 全員能力者だし、スタンドで例えまくってるし。盛り上がって、「いざ!」というところで続くになっちゃいましたが、果たして次作がでるまで覚えているのか… 能力者同士の戦いの行方、なんかもうどうでもよくなってきたような… 解くべき謎ないし… いや、漫画的で面白いのは面白いんですが、出るペースを考えると、読む効率の悪さがね…
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