『踊れ!へっぽこ大祭典』 清松みゆき・秋田みやび・他 7点
『グラスホッパー』 伊坂幸太郎 7点
『ほうかご探偵隊』 倉知 淳 7点
『復活の地 3』 小川一水 8点
『生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿』 西澤保彦 7点

『踊れへっぽこ大祭典』
 清松みゆき・秋田みやび・柘植めぐみ・北沢慶・篠谷志乃
 富士見ファンタジア文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 アレクラスト大陸、英雄の王国オーファンにある冒険者の店「青い小鳩亭」。歌う主は、英雄のサーガをつむぐことを夢見る吟遊詩人バス。だが彼は、自分のことは決して歌わない。疑問を感じたイリーナ、ヒースらは、バスの過去を探ろうと決意する。その先に広がるのは暗い闇。(『10%の偽情報』) 新SWリプレイの”ヘッポコーズ”の短編集第二段。

 ま、ソード・ワールドリプレイの面々を主役とした短編集。や、なかなかシリアスっぽい話でリプレイとは違う面を見せてくれてます。笑いがあんまりないのが残念ですが、楽しめる作品に仕上がっているのも確かですね。そして、むくわれない人はやっぱりむくわれないってことですか、ヒースの話?

『グラスホッパー』 伊坂幸太郎 角川書店 BK1-3.gif (240 bytes)

 復讐のため非合法な事業を行い裏世界では有名な企業にもぐりこんだ鈴木。依頼された人間を自殺させる自殺屋・鯨。操り人形のように人を殺す殺し屋・蝉。それぞれの思いを胸に秘め、互いが互いの物語に登場したとき、運命が動き始める。

 自殺をさせることを生業としている自殺屋、ナイフを駆使する殺し屋、殺された妻の復讐のために非合法企業にもぐりこんだ復讐者。三つの異なる世界が、たった一人の押し屋という殺し屋に関連することで絡み合い新しい世界へと昇華しています。テンポもいいし、殺し屋の話なのにダークというよりもライトです。最後はちょっと切なく、でも前向きがなのがいいですね。

『ほうかご探偵隊』 倉知 淳 講談社 BK1-3.gif (240 bytes)

 5年3組で連続「不用物」消失事件が発生。僕は4番目の被害者に! といっても、なくなったのはもう使わないたて笛の一部。なぜこんなものが? 江戸川乱歩好きの竜之介くんに誘われ、僕らは探偵活動を始めるのだが…

 結果的にごっちゃになった作品だったわけですが、まあ子どもが少年探偵にあこがれた、ただそれだけともとれなくも無いような作品ですよね。あとは、ファンサービスか、無職の叔父さんって、やっぱりあの人なのかなあと。それだけ。

『復活の地 3』 小川一水 早川文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 皇権排除を画策するサイテン首相は、スミルらを襲った大規模余震を機に国家権力を掌握、星外進出を見据えた軍備増強を推進していく。いっぽうセイオのもとには、100日後の第二次震災発生という衝撃の情報がもたらされる。復興院総裁という権力を失った彼が、”予知された災害”に対して講じた方策とは?

 上手くまとめてますよね。第二次震災とそれに立ち向かおうとする民衆、それとは対極にある軍事関連の外交、方針。全て意味があるし、正しいかどうかは分からないけど最善とは何かを問いただされている感じがします。また、震災への立ち向かい方も見事ってかんじでした。ただ、ラストがハッピーエンドといえるかが微妙、むしろこれからがスタートみたいな感じで、もっとこう大々的なハッピーエンドを期待していただけに、ちょっと残念だったかなという部分もありました。

『生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿』 西澤保彦
 講談社ノベルス BK1-3.gif (240 bytes)

  性悪美人の友人・真寿美に、人生を狂わされた地味で平凡なOL・波子は、嫌々招かれた豪邸で突然意識を失った。気づくと何故か手足を縛られ、裸同然の姿に!? そして雷鳴が轟く密室の中、”あの女”の死体が現れた!

 主役たちはあんまり登場せず、各短編それぞれのメイン人物からの視点だったりします。だから超能力の見せ方、扱い方もいろいろ。にもかかわらず、やっぱりそろそろネタが尽きてきたんでしょうか、新しいと思える能力はありません(他の短編と同じ能力もありますし)。ちょっと変人系が多いのは相変わらずですが、そこは上手くさばいています。個人的にはラストのバカらしい話、『情熱と無駄のあいだ』が好きだったりします。こういうノリで今後もやってくれると、ホっとできるし笑えるんですけどね。