『暗黒館の殺人』 綾辻行人 7点
『Φは壊れたね』 森 博嗣 7点
『平井骸惚此中ニ有リ 其貳』 田代裕彦 7点
『各務原氏の逆説』 氷川 透 7点
『嘘猫』 浅暮三文 7点
『暗黒館の殺人(上)(下)』 綾辻行人
講談社ノベルス 
 九州の山深く、外界から隔絶された湖の小島に建つ異形の館―――暗黒館。光沢の無い黒一色に塗られたこの浦登家の屋敷を、当主の息子・玄児に招かれて訪れた学生・中也は、「ダリアの日」の奇妙な宴に参加する。その席上、怪しげな料理を饗された中也の身には何が? 続発する殺人事件の”無意味の意味”とは…?
やっちゃったなー、綾辻、と思わざるを得なかったという… とくに序盤のうっとおしさはきつい。約400ページでやっと事件が起こってくれたということで、それまで軽い人物紹介と、詳細な館の紹介がつらかったですよ。ってか、人物も主人公とそれを取り巻く数名いがいは薄っぺら過ぎてよくわかんないし。で、なんとか事件が始まったものの、なんかこう事件がいまいちというか、それよりも別に興味が湧いちゃうように出来てるというか。結果的にはやっぱりネタバレじゃないと語れないんですが… ま、あの太さはいらないってのと、あのネタを容認できる人ならOKなんでしょうがその辺が微妙な小説とだけ…
以下、ネタバレ感想を。
ここから→まず、塔から落ちた人物=主人公の江南じゃないってのは、なんとなくバレバレ。というか一人称の視点から見ている時点で疑えといっているようなもの。で、当然私=江南で読んでいってみれば、途中フォントの違う文字が変な感じで混ざってると。とりあえず違うフォントを無視してみれば”視点”がどうのこうのと、変な感じ。遠見の能力でもあるのかなと思っていつつも、この風景の移り変わりは怪しく、別フォントが視点のすべて理解しているとわかったのが下巻の最初あたりで、まさか夢オチじゃないだろうなと思ってみれば、その通り。「あわわわわ、やっちゃったよ」と。儀式についても人魚か不老不死関係と思ってみればそのとおりで、まさに(夢オチ)ネタにたよった一冊だったなというのが正直な感想。途中で江南本人が、「自分を騙すためだけに」といっているように、まさに読者を誤解させることが最大の目的っぽいんですよね、結局。なんで序盤から疑って読んじゃうと、驚きも無いし、事件は地味だし、ただあの太さが苦痛だっただけって結果に。非常に残念でした。←ここまで
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『Φは壊れたね』 森 博嗣 講談社ノベルス 
おもちゃ箱のように過剰に装飾されたマンションの一室に芸大生の宙吊り死体が! 現場は密室状態。死体発見の一部始終は、室内に仕掛けられたビデオで録画されていた。タイトルは『Φは壊れたね』。
なんで、二段組じゃないんだろうか、と。ノベルスなのに〜 微妙に読みにくいです。さて内容としては、微妙な恋愛とミステリ。というか、相変わらずミステリがおまけみたいに感じられてしまうんですが… で探偵もかなり扱いづらそうだし。やっぱり感覚としては恋愛エンタメなのかなぁ? といっても恋愛も微妙だったり、変にフ女子の読者受けしそうだったりしてますが。ミステリのほうはもう、なにも言わない、言えないレベルだし。とりあえず、今後の展開次第かも。
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『平井骸惚此中ニ有リ 其貳』 田代裕彦
富士見ミステリー文庫 
担当編集者、緋音嬢の誘いにより真夏の帝都を逃れ避暑と洒落込む、探偵作家・平井骸惚一家と弟子の河上くんたち。しかし、ただ安穏と避暑などと、世の中はそう甘くはなく…
作中のセリフというか言っていることは、非常に私の好みにぴったりです。素人探偵がダメな理由、推理する理由など。さて、一応ライトミステリですが、それなりに本格。といっても、謎やらトリックというよりも、主人公を取り巻く環境のほうがメインかな。でも、オススメだったりします。
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『各務原氏の逆説』 氷川 透 トクマノベルス 
軽音楽部に所属するぼくは、何かあるとよく用務員の各務原氏に相談する。染めているわけではないけど赤みがかった髪、何歳かと聞かれるとなんともいえない風貌の持ち主であり、普通の用務員とは違う雰囲気をかもし出している。
ある日、学内で事件が起こった。軽音楽部の一人が死体で発見されたのだ。ぼくは各務原氏に相談に乗ってもらい事件の真相を探り始めたのだが…
いつも穴があるけどロジカルな氷川さんの作品ですが、この作品はどっちかというとライノベ風。学園で起こった部員の死の謎を追いかけ、なぜだか相談しやすい用務員のお兄さんと推理するもの。事件そのものはすごいあっさりめでいつの間にか終わってました。普通、かな。
以下、ネタバレ感想を。
ここから→ガラスに映った幽霊は結局何? と意味のない叙述トリックはなんだったんだろうか、と。特に叙述は、読み終わっても気がついていませんでした。(気がついたからどうなるってこともない程度だし)←ここまで。
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『嘘猫』 浅暮三文 光文社文庫 
住み慣れた大阪を離れ、東京の広告代理店で働き始めたアサグレ青年。六畳一間の安下宿にある晩、転がり込んできた一匹の肥った猫は、翌日、五匹の子猫を産んで―――
猫との奇妙な共同生活の顛末。っていうか、ホントに浅暮さん本人の自伝なの? 貧乏だけど猫にやさしい好青年、ひっしに頑張ってる姿はうらやましいです。そして猫、描き方が上手い。ひねくれてるけど、なにか人間を理解しているそのしぐさ、猫って不思議な生き物ですよね。猫好きにオススメする一冊だったりします。
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