『涼宮ハルヒの消失』 谷川 流 7点
『キマイラの新しい城』 殊能将之 7点
『小森課長の優雅な日々』 室積 光 7点
『まひるの月を追いかけて』 恩田 陸 7点
『殺人交叉点』 フレッド・カサック 7点
『涼宮ハルヒの消失』 谷川 流 角川スニーカー文庫 
「涼宮ハルヒ? それ誰?」って、国木田よ、そう思いたくなる気持ちは解らんでもないが、そんなに真顔で言うことはないだろう。だが他のやつらもハルヒなんか最初からいなかったような口ぶりだ。混乱する俺に追い打ちをかけるようにニコニコ笑顔で教室に現れた女は、俺を殺そうとし、消失したはずの委員長・朝倉涼子だった!
なんだか初心に返ったかのような展開で、うるさい人間が一人いないだけで、ここまで雰囲気が変わるんだなーと。まあ、結末はある程度読めちゃうのがなんともいえないところですが。で、結局、そんな「力」を持った人物を最終的には放置していたってことについて、何か無いのかなと思ってみたり。なんだかシリーズ最終巻みたいな決着のつけ方ですが、まだ続くのかな?
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『キマイラの新しい城』 殊能将之 講談社ノベルス 
「私を殺した犯人は誰なんだ?」
欧州の古城を移築して作られたテーマパークの社長が、古城の領主の霊に取り憑かれた!? 750年前の事件の現場状況も容疑者もすべて社長の頭の中にしかない。依頼を受けた石動戯作も中性の人間のふりをして謎に迫る。さらに、現実のにも殺人が! 石動はふたつの事件を解明できるか?
シチュエーションが面白い! 750年前の亡霊に取り付かれた社長から、自分を殺した犯人を見つけてくれという、最初っからありえない展開だったりして。で、亡霊と探偵(石動)の二つの視点で話が進むわけで、それが色々と面白いわけですよ。ミステリとしては、上手くずらした効果も感じられるし、「論理に破綻さえなければ、それもまた正解」という必ずしも真相じゃないけどOKみたいな部分があったりで、結構好みだったり。ああ、もういっかいこれまでの殊能作品読み返したい気分になってきた。
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『小森課長の優雅な日々』 室積 光 双葉社 
会社に行くのがつらい。言うことを聞かない新人が一人いるだけで、日々の出勤がつらいと感じる小森課長。いくらいっても聞かない新人をどう扱っていいのかわからず、うっぷんは日々募るばかり。そんなある日、電車で新人と同じように、人に害をなす女性を見かける。そして思わず、その女性をホームから線路に突き落としてみれば、なんだかスッキリ。そうか、人に害を及ぼす人間なんて、「正義」の名のもとに処刑すれば…
室積さんの好感度としては、『都立水商!』と『ドスコイ警備保障』で120%ぐらいまで上がっていたんですが、これを読んで、一気にマイナス20%まで落ちた感じ。別に面白くないって訳じゃないんですが、扱ってるテーマが… これまでは感動モノ、人間の成長モノだったのに、今回は、回りに不幸を振りまくヤツ、死刑、殺しちゃえっていう展開。そりゃ、害になる人間、気に食わない人間なんていなくなれと思うことはあるかもしれませんが、殺しちゃうってのはどうかと… 短絡的思想で、しかもそれで、みんな幸せになっていくっていうのはなぁ。なんだかブラック過ぎるユーモアって思ってしまいました。他の作家さんならOKかもしれませんでしたが、なんだかちょっとショックだったり。うーん…
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『まひるの月を追いかけて』 恩田 陸 文藝春秋 
ほとんど会ったことも無い、義理の兄の彼女から、兄が失踪したことを聞かされる。そして一緒に奈良へと旅行して欲しいと。女二人での旅行は、なんともぎこちない開始を見せ、そして、何故彼女が私を誘って旅行に行くのか、彼女は何者なのかがおぼろげながらわかってくる。そして…
旅に出て、ただ延々と会話を繰り返しているだけのような小説だったりするわけですが、結構面白かったです。結構、旅や会話の過程でいろんなことが明らかになり、物語としての起伏は激しかったりするわけですが、なんだかいつの間にか落ち着いていたりして。で、その会話も結構適当で、焦点となっている事柄に近づいたり離れたりを繰り返し、多少のもどかしさは感じます。が、会話自体は結構魅力的で面白く読めるのが恩田さんだなぁと。ラストが結構一瞬のできごとから、どたどたと一気に終わっちゃいましたが、まあそれはそれでOKな終わり方だし、問題はないです。
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『殺人交叉点』 フレッド・カサック 創元推理文庫 
十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。殺人犯となったボブをあれほど愛していたルユール夫人でさえ疑うことがなかったのです。しかし、真犯人は私なのです。
表題作の『殺人交差点』は二つの視点から語られる過去の事件。真相とその結末に対して驚きが評価された過去の作品と言う感じで、現在私が読んだ限りそれほどの驚きはなかったです。慣れすぎた所為かもしれません。長さ的にはちょうどいいので、軽く読むにはむいてるかもしれませんね。
で、後半の『連鎖反応』は、なんというか自分勝手な主人公だなと。極限状態のはずなのになぜか楽観視で、自分の心情を逃げ道にしてたり。でタイトルのとおりの連鎖反応は、なかなかすばらしいというか、楽しめたというか、上手いなあと。ああ、そうなるんだと思って、ぽんぽんと反応が起き、でいい感じと思えば一気に落とし穴。そうかー、そういう展開なんだ。なかなかいい感じでした。
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