『陽だまりの迷宮』 青井夏海 7点
『名探偵は千秋楽に謎を解く』 戸松淳矩 7点
『救え!かつての大親友 新ソード・ワールドRPGリプレイ集8』 秋田みやび 8点
『刹那の魔女の冒険』 関田 涙 6点
『ICO 霧の城』 宮部みゆき 7点
『陽だまりの迷宮』 青井夏海 ハルキ文庫 
生夫は小学三年生、姉九人・兄一人の十一人きょうだいの末っ子だ。病気で学校を休みがちの彼のまわりに起きる日常の謎・謎・謎――― 消えてしまった鉄道模型に、繰り返される無言電話、玄関に置いていかれた象の絵本… でも大丈夫、いつも最後には下宿人のヨモギさんが現れて見事解決してくれるのだから。
小学生低学年の末っ子が主人公の、ほんとに日常系ミステリ。謎は些細で、なんで小学生がそんなことにこだわるのといいたい感じも。11人兄弟という特殊な環境での物語なんで、ミステリというよりもホームドラマ感覚のほうが近いのかもしれませんが。それなりに面白かったですが、最後の最後の謎解きはあってもなくてもそんなにかわらないかなとも。
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『名探偵は千秋楽に謎を解く』 戸松淳矩
創元推理文庫 
両国から本所、深川にかけて数多ある相撲部屋。そのとっぱずれに位置する大波部屋には中学時代の同級生が入門していて、身内みたいに贔屓にしているのも当然だが、そこを舞台に驚天動地の事件が相次ぎ、おかげで作文だって三枚以上書いたことがないというオレが、その顛末を書かされるハメになってしまった…!?
なんていうか悪い意味での奇抜すぎ。大砲砲撃、毒、弓矢狙撃と事件は色々と起こるのですが、あんまり重大なできごとに見えず、イベント感覚が。それでいながらも町内が野次馬騒ぎというヘンなテンションで話が展開するので、すごくもやのかかったような曖昧さがなんだかなと。だれにも事件を解決しようとする意気込みが感じられないのが、気力をそがれる原因かもしれませんが。で、結局、そんなオチなのかいという結末も、意味はあるんだけど愉快犯っていうふうにもとれてしまい、なんだったんだと、スッキリと出来なかったです。ちょっといまいちかなと。
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『救え!かつての大親友
新ソード・ワールドRPGリプレイ集8』 秋田みやび
富士見ドラゴンブック 
ヘッポコーズ一のエルフ好き・エキューのもとに、初恋の人シルヴァーナが訪ねてきた。ターシャスにあるエルフの村が魔物に襲われたというのだ。大張り切りのエキューの異常な迫力に引きずられ、ビビリながらも魔獣バグベアードを倒してみると、そこはかとなく漂う巨大な陰謀の香り? やがて、へっぽこーずの前にかつての仲間が現れ…
とうとう、人間という規格を超えてしまったり、アノキャラが登場したり、普段まじめな人間が壊れたり、アイアンゴーレムとガチンコで殴りあったり見所満載のリプレイ。すごいです、へっぽこ。そして欲の無さもすごいかも。もう、こーなってくると強いんだか弱いんだかもわからないですよ。スキルは勇者でも、行動思考がついていってないから。そろそろ、このメンバーの冒険も終わりかなというところですね。
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『刹那の魔女の冒険』 関田 涙 講談社ノベルス 
雪の別荘での死体移動の謎! 奇妙な時計塔の中で殺人犯が消えた謎! 学園祭のお化け屋敷内で起きた殺人事件の、誰もが思いも寄らなかった驚異のトリック!
2パターンの読み方が出来て、全部読むルートではいわゆるメタミステリなんですが、あまりにも無茶をやってる感じがして、ちょっとなぁと。目の前で作家が殺され、犯人は小説の中の人物に違いない、と、いつの間にか小説の中の世界に入って行っちゃってるわけですよ。で、小説の外のヴィッキーと小説の中のヴィッキーのコラボレーションというか、どっちがどっちだかわからん状況になって、そんな超常現象の最中でも本格をやろうとするわけで… でも小説の世界に入るために小説を書いていて、じゃあ書いている人物こそが諸悪の根源、いやご都合主義でなんとかしろと思いたくなるような、もう滅茶苦茶。個人的には色々と不満だらけです。小説の世界に入ってるくせに、不思議を認めないとか、あんな結末だとか、逆にこれまでのシリーズはなんだったんだとか。読者からすれば、小説に進入した時点で、どうでもいいやって感じ、全て虚構に見えて仕方がなかったです。
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『ICO 霧の城』 宮部みゆき 講談社 
霧の城が呼んでいる。時は満ちた、生贄を捧げよと。
何十年かに一人生まれる、小さな角の生えた子。頭の角は、生贄であることの、まがうことなき「しるし」。十三歳のある日、角は一夜にして伸び、水牛のように姿を現す。それこそが「生贄の刻」。なぜ霧の城は、角の生えた子を求めるのか? 同名のゲームのノベライズ。
やっぱり宮部みゆきのICOでした。設定とか背景が非常にくっきりとしています。ゲームでは、なにもわからずイコを操作するだけなんですが、小説ではイコは背景をはっきりと知った上で悩み行動すると、そういう点が全然違うなーと思います。当然、ヨルダも人格がなんか違う。結果的にきれいに終わっているように見えますが、このあとこそが大変だろうなと思ってみたり。ゲームと違うという点は、ちょっと残念ですが、単品の小説としてはファンタジーとして面白いですね。冒険があんまりないですが。
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