『吉永さん家のガーゴイル 2』 田口仙年堂 7点
『永遠の森 博物館惑星』 菅 浩江 8点
『博士の愛した数式』 小川洋子 8点
『サリバン家のお引越し クレギオン4』 野尻抱介 8点
『光の塔』 今日泊亜蘭 7点
『吉永さん家のガーゴイル 2』 田口仙年堂
ファミ通文庫 
世界でもっとも有名かつデンジャラスな怪盗・百色―――それがこの私だ。職業柄、セキュリティシステムに強い関心があってね。「最強の門番」ガーゴイル君の噂を聞き、このたび戦いを挑んだ。彼は素晴らしく強い! しかもボケとツッコミをこなす逸材だ! ―――彼と戦ったその夜、私はある研究所から不思議な能力をもつ少女を盗む羽目になった。それが、ガーゴイル君らを巻き込む大事件になろうとは!
怪盗VSガーゴイル。というか、すでに人としての能力を超えてしまわないとキャラとして成り立たないあたりもすごいですよね。へんてこな怪盗による人情話になるのかな。なかなか、いいノリで進みます、テンポいいし。デュラハンのイラストにはちょいと難をつけたいところですが。ライトで読みやすくて結構ライトノベル読みにはオススメかもしれません。
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『永遠の森 博物館惑星』 菅 浩江 早川文庫 
地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館「アフロディーテ」。そこには全世界のありとあらゆる芸術品が収められ、データベース・コンピュータに直接接続した学芸員たちが、分析鑑定を通して美の追究に勤しんでいた。総合管轄部署の田代孝弘は、日々搬入されるいわく付きの物品に対処するなかで、芸術にこめられた人びとの想いに蝕れていく…
SFといえばSFなんですが、なんだか違う印象を受けた連作短編です。それぞれの短編はノスタルジックというか、ほどよく良い感じをかもし出した作品で心地よかったですが、同時にちょっと物足りなさも感じました。全体としては、ある一点に収束していっていますが、どちらかというと、それよりも個々の作品として楽しみましたね。結構オススメの作品です。
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『博士の愛した数式』 小川洋子 新潮社 
事故によって、八十分間の記憶しか保持できなくなった博士。その博士の家で家政婦として仕事をすることになった私。博士はいろいろなことを数学で語り、新しい世界を私に見せてくれる。私の10歳になる息子と私と博士の奇妙な友情の物語。
さわやかな感じのする、なんともいえないきれいな話。博士は数学を語り、それに対して触れていく私とルート(家政婦の息子)。暗黙の了解の上に成り立つ関係ながら、心地よい雰囲気を読者に与えてくれます。実際には、大変ということがわかっていても。そして記憶の大切さ、強い心のありかたが現れているんじゃないでしょうかと。言葉にできない何かを胸のうちに与えてくれる作品で、非常に良いと思います。
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『サリバン家のお引越し クレギオン4』 野尻抱介
早川文庫 
ミリガン運送がふとした縁で請け負ったのは、惑星フラードルから軌道コロニーまでの3人家族の引越し業務だった。初仕事にはぴったりと、見習い社員のメイを現場の最高責任者に指名するロイド。その期待にこたえ、家財の梱包から資材調達までを順調にこなすメイだったが、そこへ思わぬ難題が降りかかる。さらには軌道上の突発事故やコロニーの不穏な動きまでがからみ、ミリガン運送はかつてない危機に…
これぞスペースオペラという感じの一作。作品としては語られていませんが、順調に経験をつんだメイの初仕事、人間的にも運送会社社員としても、成長した様が見られます。しかし、そんなアットホームなお仕事に対してのトラブル。まさに宇宙ならではという感じだし、その小規模でありながらも問題として上手く描けているのがいいですよね。ヒロイックものでは味わえない問題が。最後の唐突な終わり方も結構好きです。あのあとどうなったかは非常に気になるところですが。
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『光の塔』 今日泊亜蘭 早川文庫 
火星から帰航中の宇宙軍医官水原少佐は地球近傍で怪光を目撃する。一方、地球では電気が一斉に消失する”絶電現象”が混乱を引き起こしていた。水原ら宇宙省の人々はこの怪現象の解明に乗り出すがそれが未曾有の大災厄の前兆とは知る由もなかった… やがて世界中に出現した巨大な光の尖塔は、人類の営為を根絶やしにすべく、破壊のかぎりをつくし始めた!
文章が古いのでかなり斜め読みしてしまったためか、あんまり面白かったという印象は受けませんでした。まあ、地球に謎の生命体が攻めて来たって話なんですが、なんというかスケールが… だってメインでやられてるの日本ですよ、地球規模の話ななずなのに… まあ、それも読んでたらそれなりの理由があるようなないような。結局、パターンに当てはまる感じのオチを見せてくれました。最後のほういまいちわかってはないんですが。難しかったです、いろんな意味で。
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