『零崎双識の人間試験』 西尾維新 7点
『斬魔大聖デモンベイン 魔を断つ剣』 涼風 涼 7点
『美少女代理探偵の事件簿 カレーライスは知っていた』 愛川 晶 7点
『ルナル・サーガ・リプレイ 月に至る子3』 友野 詳 7点
『ハイウイング・ストロール』 小川一水 9点
『零崎双識の人間試験』 西尾維新 講談社ノベルス 
「零崎一賊」―――それは”殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一族。その長男にして切り込み隊長、”二十人目の地獄”にして奇怪な大鋏”自殺志願”の使い手、零崎双識が赴いた行方不明の弟さがしの旅は、未曾有の闘争劇の幕開けだった! 息をもつかせぬ波乱の向こう側に双識を待つものは…!?
殺人鬼に覚醒するのが果たして青春かどうかと尋ねられたら、それは違うだろとツッコミたくなる部分もありますが、変態のお兄さんと、今まさに覚醒しようとする女子高生と、薙刀やら刀を振り回す一族の熾烈な戦闘を描いた一冊。あいかわらずマンガネタが楽しかったり、ずれた認識を楽しんだりできます。いつものシリーズとは外伝的な扱いで、これらの登場人物が今後本編に関わってくるかどうか(というか生き残ってるかどうか)はわかりませんが、登場するとまあ血なまぐさくなるでしょう。しかし、正論でずれてるってのもなんだかまともで、それもありかなと考えてしまうのが不思議と言うかなんというか。
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『斬魔大聖デモンベイン 魔を断つ剣』 涼風 涼
角川スニーカー文庫 
世界は闇に包まれた。邪教集団ブラックロッジに襲撃された街は一晩で壊滅、鋼の守護神デモンベインも四肢をもがれ大破してしまう。復讐に燃える九朗の前に宿敵であったドクター・ウエスト&エルザが現れる。彼らの手によって破壊されたデモンベインの修復作業が始まった。しかし起動直前にブラックロッジの襲撃が―――鋼の神は再び大地を踏みしめることが出来るのか!?
今回はほとんどアクションですね。魔道とロボットって意外と相性がよくて、なかなか。しかし、クトゥルーの扱いが他の神にくらべて頭一つ飛びぬけてるのがいただけない。個人的にはハスターやヨグ・ソトーホなんかかなり好きなのになー
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『美少女代理探偵の事件簿 カレーライスは知っていた』
愛川 晶 光文社文庫 
「助けてー! 殺される」 警察への通報の直後に絞殺された女性のマンションの台所には、カレーの入った鍋が残されていた。何と探偵は、たった一口そのカレーを食べただけで、犯人をずばりと名指ししてしまう!(表題作『カレーライスは知っていた』)
犯人当てという要素を盛り込んだユニークミステリといった感じの短編集ではないでしょうか。「ありえない」と思うような展開、要素を盛り込み、あえて犯人を指摘できる条件を満たしている、そしてそれが奇抜であるほど発想も奇抜になるのではないかと考えられているようにも思います。たしかに、「なるほど」と思うこともありますが、それだけが決定的というわけでもない解決。面白さを選んだ結末なのですが、それはそれでOKだと思います。
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『ルナル・サーガ・リプレイ 月に至る子3』 友野 詳
富士見ドラゴンブック 
「結社」と帝国の秘密を探るためドワーフの国に向かったアレイシアたちは、世界に戦争を起こそうとする勢力を阻止しながらも、さらに大きな陰謀の存在を知る。大いなる”龍”の力を使い、神になろうとする存在。その儀式が完成すればルナルが滅ぶ! 全ての決着をつけるべく、帝国の飛空挺を乗っ取って「天空の龍の島」に向かう一行。果たしてそこに待つのは誰か?
人物関連図が欲しいと思ったり。さて、複雑な血筋と非常に大きなバックグラウンドの陰謀に立ち向かうべくプレイヤーキャラクターはがんばります。というかNPCが登場しすぎなのでは? ファンサービスが多すぎって気がしないでもない、このリプレイシリーズ。いつの間にやら主役から脇役になっていたりもして、主導権を握れないスケールのキャンペーンに。ロールプレイをしている以上、脇にはそれられないのですが、もうちょい選択の自由、なすべきことを考察・推理するような展開だと、面白かったのになと思ったりもしました。
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『ハイウイング・ストロ−ル』 小川一水 ソノラマ文庫 
陸も海も重素雲で覆われてしまった地球。人々は、かつて高地だった「島」に住み、空中を漂う「浮獣」を狩り、その製品に頼って暮らしている。15になる不良少年リオは、無理やりその「浮獣ハンター」にスカウトされた。年上の女性ハンター、ジェンカに鍛えられ、やがて訪れた充実の日々。最強の獲物を狙うという二人の夢も膨らむ。だが、この世界が重い秘密の上に成り立っていることはまだ知らない。
上手い、面白い! 読んでいて思ったことは、設定が非常に他へ”使える”ということでしょう。空を飛び、危険でありながらも、衣食住の原料ともなる浮獣を狩るハンターたち。「紅の豚」のイメージが重なり、それでいて善悪ではない、生きるための狩り。成長する少年、豪快な中年、ひねくれものの女性、トップのハンター、など登場する人物たちも魅力です。オススメの一冊です。
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