『眠りの森』 東野圭吾 7点
『むかし僕が死んだ家』 東野圭吾 7点
『白夜行』 東野圭吾 10点
『秘密』 東野圭吾 7点
『交通警察の夜』 東野圭吾 7点
『眠りの森』 東野圭吾 講談社文庫
美貌のバレリーナが男を殺した。状況は正当防衛なのだが、殺された男の目的がわからない… 若き敏腕刑事・加賀恭一郎はバレリーナの一人・浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。そして再び事件は起こった!
主役は『どちらかが彼女〜』や『私が彼を〜』に登場した加賀刑事です。舞台は劇団、バレリーナ達です。
訓練に明け暮れ、バレエ意外のことには関心がない人々、そんな密閉空間に加賀刑事達が事件を追って四苦八苦します。どちらかというと、加賀刑事の恋愛もののような気がします。
最後の真相は何となくアンフェアなような気がしました。こういった書き方で、そういう解答にたどり着くのはちょっと不満が残りました。
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『むかし僕が死んだ家』 東野圭吾 講談社文庫
別れた恋人・沙也加の子供の頃の記憶を呼び覚ますため、手がかりとなる家を訪ねた私と彼女は、そこで不思議な雰囲気を受ける。まるで直前まで生活をしていたような部屋の中の手がかりを元にその家で何が起こったのかを推測していく二人、そしてたどり着いた真相は…
各所にちりばめられた伏線の数々は素晴らしいです、が、それがほとんどのような気がして、小技ばかりで大技が無かったのが残念でした。
不思議な家の謎を解くのですが、あまりにも細かいヒントがありすぎです。確かに、「ああ、そうか」とは思いますがそれ以上の驚きを引き出せないような気がして、インパクトに頼りなさがあり、また終わり方も寂しいような拍子抜けしました。
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『白夜行』 東野圭吾 集英社
質屋の主人が殺された。刑事達の捜査はその妻と従業員、また、最後に立ち寄った家の者の二つに向けられた。だあ、やがて事件は犯人らしき人物の事故か自殺という結末で幕を閉じる。時は流れ、事件に関係のあった二人のその後が始まる。やがてそれは大きな人生という名の歯車となり…
精密、巧妙。一つ一つの物語はどことなく哀愁を漂わせつつ、読者にとっては波瀾を予感させるかのようにふくらんでいき、そして最後の大きく完成という姿を現す。これは大作です。
二人の少年・少女だった人間の大きな物語です。語られるのはそれぞれの場面ではあるのですが、部分、部分では恐怖というものを感じさせてくれるかもしれません、私はそうでした。しかしその恐怖は哀切というか、ある種の虚しさでもあり「まさか」「そうなのか?」という予感、予想を抱きながら、最後を期待しつつ読ませる力があります。
ミステリであるか?といわれると「そう」とも答えられますが、どちらかというとミステリを超えた”物語”であるとしたいですね。素晴らしい作品だと思います。
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『秘密』 東野圭吾 文藝春秋
平介の妻と娘がバスの事故によって重傷を負った。急いで病院へ急ぐが、やがて妻の直子は息を引き取る。娘の藻奈美だけでも助かって欲しいと願う平介に信じられない現象が起こった。藻奈美の身体に直子の精神が乗り移ったのだ。そして、父と妻の精神が乗り移った娘の奇妙な秘密の生活が始まる。
まさに、直子にしてみれば若い身体を手に入れたということでしょうか(違うって・苦笑)。まあ、さておき、周りに隠して娘と父親という生活をしていくのですが、平介は当然のように再婚どころか恋いも出来ない(そりゃ、妻が生きて(?)るんですから)、直子にしたって、いきなり小学生に逆戻りで勉強をしなければならないと、最初ははちゃめちゃで進みますが、歳をとればとるほどその関係が危うくなっていきます。まず、直子が”若い”ということで周りからのことがある。それをみてやきもきする平介。うーん、もはや端から見てても変態オヤジのような気が… 最終的にはグッとくる感動の終わり方ですが、途中で色々思う人は多いんじゃないでしょうか? それなりにおすすめです。
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『交通警察の夜』 東野圭吾 実業之日本社
交差点で起こった衝突事故。片方の運転手は死に、助手席には目の見えない少女が乗っていた。信号器の目撃情報は当然生き残った運転手に有利だが、盲目の少女には天使の耳が備わっていた。交通事故を扱った短編6作を収録。文庫では『天使の耳』と改題さえれた作品集。
事故という不条理さ、当事者達は事故を相手に押しつけ、自分の落ち度を認めようとしない。些細なことが引き起こす不幸。そういったものを一心に受ける交通警察。それぞれの思いがよくわかるんじゃないかと思います。
ちょっとしたルール、マナーのいかに大事なものかを読んでみるのもいいかもしれません。
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