『QED 東照宮の怨』 高田崇史 7点
『本格ミステリ02』 有栖川有栖・折原一・他 7点
『支那そば館の謎』 北森 鴻 8点
『イラハイ』 佐藤哲也 7点
『密室に向かって撃て!』 東川篤哉 7点
『QED 東照宮の怨』 高田崇史 講談社ノベルス 
「日光東照宮陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」そして「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」。東照宮を中心軸とする膨大な謎は、ひとつの無駄もなく線でつながり、時空を越えた巨大なミステリは、「深秘」を知る祟によって見事解き明かされる。
「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」なる事件を追う過程で、東照宮の謎に迫るといういつもながらの薀蓄の世界。今回のネタには特に興味がないため、ほぼ完全にスルーし、事件に関連するところだけ読むという邪道な読みをしてしまいました。それにしても関係者を集めて、一見全然事件と関係ない東照宮の話をするというのもなんだかなぁと。もっと効率よく事件をまとめるってことはしないのかしらん。というわけで、本筋(?)の薀蓄を無視した読みでしたんでなんとも言えません。ミステリな部分は、まあおまけみたいなものですし…
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『本格ミステリ02』
有栖川有栖・折原一・霞流一・倉坂鬼一郎・柄刀一・
若竹七海・鯨統一郎・西澤保彦・芦辺拓・倉知淳・管浩江・
伊井圭・大倉祟裕・麻耶雄嵩・物集高音・山田正紀・
加納朋子・河内美加・波多野健・鷹城宏・巽昌章
講談社ノベルス 
2001年に発表された中短編小説および評論の中から、本格ミステリクラブのプロジェクトチームがセレクトした作品を収録。本格ミステリならではの面白さが満喫できる小説、本格について有意義な考察をめぐらせた評論21編。
それにしても、「本格」じゃないような作品が結構ある気もするんですけど… 鯨統一郎さんの『〜見立て殺人』とか西澤保彦さんの『〜改造人間』とか。あと、同様にベスト・セレクションってのも…(以下略)
多種多様なミステリを読んだわけですが、意外と記憶に残る作品って少なかったかもという気分。驚きがないんでしょうね。まあ、多種多様を楽しめたってことだけかなあと思っていればいいですかね。
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『支那そば館の謎』 北森 鴻 光文社 
元広域窃盗犯にして寺男の有馬次郎と、穏やかな相貌と鋭い観察眼をあわせもつ住職の二人が、みやこ新聞の自称「エース記者」折原けいや、京都府警の碇屋警部と共に、難事件の謎に迫る!
寺男で元怪盗のアルマジロこと有馬次郎が活躍(?)する裏京都ミステリの短編集です。最初の二編こそは裏の人間関係がごちゃごちゃして暗めですが、後半、バカミス作家(作品名が『鼻の下伸ばして春ムンムン』)のムンちゃんが登場してからは、ちょいとユーモア系にころび楽しめた感じです。お馴染みのよだれが出てくる上手そうな料理も各種そろっており、その点でも楽しめる要素はバッチリかと。ちなみに作中の舞台でもある大悲閣千光寺は実在するお寺だそうですので、訪ねてみたいところです。
「果たして、嵐山の渡月橋から徒歩で数十分もかかる貧乏寺に、〜」(『緋友禅』P.249)
これもそうですよね。微妙に作品間でリンクしているのもまた、読者の楽しみだったりします。
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『イラハイ』 佐藤哲也 新潮文庫
たとえば、ある若者が婚礼の日にさらわれた愛する花嫁を探し出す、愛と冒険の物語。あるいは、ある国王の圧倒的”愚かしさ”の物語。架空の王国イラハイで、架空の時間に紡がれる、縦横無尽のストーリー。変幻自在に繰り出される、不条理、理不尽、ウソ八百。どこまでも、どこまでも、作者にひきずりまわせれてみてください。
………ぐぅ。第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作だそうですが、とてもとても、ファンタジーレベルじゃないですね。もはや架空ながらも立派な歴史書って感じかも。内容は理解不能。「愚かしさ」だったり「分別」だったり「不条理」だったり「非難」だったり「追従」だったり、ありとあらゆる要員を文字にして、さらに「結末」だったりします。読んで果たして何を思うか、きっと完全に人それぞれなんでしょうね。
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『密室に向かって撃て!』 東川篤哉 カッパノベルス 
その夜、烏賊川市の外れ、鳥ノ岬にある十条寺食品社長宅に銃声が響いた。撃たれたのは、偶然居合わせた「名探偵」鵜飼杜夫。事件は、探偵がかすり傷で呻いている間に起こる。いつのまにか「探偵の弟子」にされていた戸村流平と鵜飼が挑む、不可能犯罪の謎!?
衆人慣習の密室での射殺事件。あいかわらず地の文章は説明的でいいわけ的。ある種、読者に媚びてるんじゃないかという印象を受けてしまいます。内容は、たしかに本格してますが、登場人物たちの行動やらが喜劇的。そのあたりがなんともアンバランス。でも意外と謎解きは簡単だったりもするので、推理に自信がある方は真相を読む前に考えてみるのも一興ですね。
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