『百鬼夜翔 蛇心の追走』 小川楽喜・川人忠明・清松みゆき 7点
『笑う怪獣 ミステリ劇場』 西澤保彦 7点
『網にかかった悪夢 影の探偵と根津愛 四月』 愛川 晶 7点
『戦略拠点32098 楽園』 長谷敏司 7点
『突撃お宝発掘部2 レイズthe宝船』 麻生俊平 7点

『百鬼夜翔 蛇心の追走』 小川楽喜・川人忠明・清松みゆき
 角川スニーカー文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 謎の焼死をとげる有名人たち。続発する人体発火意見を解く鍵は、インターネットの裏サイトにあった! 深夜、巨大な釣鐘に狙われる女を救った波田洋大は、事件の背後に潜む邪悪な欲望と対決することに…『蛇心の追走』 他、二作を収録したシリーズ第四弾。

 作者ごとで書く内容テーマはことなりますが、それぞれでアイデアを絞って書いているということと、妖怪と人間の違いを出そうとしているのがなんとなくわかるかなという作品。しかし、戦闘というか、個々の妖怪のすごさ、強さがいまいち伝わりにくく戦闘シーンなんかは盛り上がりに欠けるかなあと。まあ、安定して読めるシリーズではありますが。

『笑う怪獣 ミステリ劇場』 西澤保彦 新潮社 BK1-3.gif (240 bytes)

 巨大怪獣と共に孤島に閉じ込められたアタル、正太郎、京介の悪友三人組と美女(?)三人。逃げる手立てもなく密室と化した孤島から、闇を切り裂く悲鳴を残し、ひとり、またひとりと消えてゆく… 何故だか遭遇する不思議な怪奇のそばに潜む事件とは?

 こっちはなんというか、お笑い…? トリオが出てきて何故か怪獣やら改造人間やら宇宙人に出会ってしまうというだけで、そのものすごい端っこには確かに事件があるんですが、もう怪獣とかの異常性でかすむかすむ。また、喜国さんのイラストが妙にマッチしておりフェティシズムばっちりです。バカっぽいんでそれなりの覚悟で読むと楽しめるかもしれません。

『網にかかった悪夢 影の探偵と根津愛 四月』 愛川 晶
 カッパノベルス BK1-3.gif (240 bytes)

 ぼくは十三歳。小さな町の中学校に通っている。一昨年、母さんが死んだ。友達はいない。作る気もない。だけど、恋をしてしまった。三つ年上の、とびきりの美少女に。ぼくの周囲では、陰惨な事件が次々に起きる。まず自宅で親友が殺され、中学校の校内ではさらに奇怪な殺人事件が。そしてぼくは、自分が恋している相手が、神のような推理力を持つ名探偵であることを知ったのだった。でも…

 四月ということは続編が出るってことでしょうか? まあそれはおいておいて。内容としてはミステリで当然予想できる結末なんですが、なんというかアンフェアな感じもする一冊。事件はなんとなく分散した感じがして、どこに集中していいのかが曖昧で、流されるまま終わっちゃったという、ある意味ミステリというよりは青春小説もどきなのかな? ちょっと拍子抜けでした。

『戦略拠点32098 楽園』 長谷敏司
 角川スニーカー文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 青く深く広がる空に、輝く白い雲。波打つ緑の草原。大地に突き立つ幾多の廃宇宙戦艦。―――千年にもおよぶ星間戦争のさなか、敵が必死になって守る謎の惑星に、ひとり降下したヴァロアは、そこで、敵のロボット兵ガダルバと少女マリアに出会った。いつしか調査に倦み、二人と暮らす牧歌的な生活に慣れた頃、彼はその星と少女に秘められた恐ろしい真実に気づいた!

 第六回スニーカー大賞金賞受賞作品で、どことなくノスタルジックなSF作品。二体のロボットと少女の生活ストーリーなんですが、背景の戦争という考え方と、その結果、そして楽園の意味をぐーと心に染み込ませてくるというか。なかなか泣ける展開へと進んでいき、最後には… って感じでした。よかったです。

『突撃お宝発掘部2 レイズthe宝船』 麻生俊平
 角川スニーカー文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 人気探偵シリーズを産み出した有名推理作家の所有していたヨットが、真輝島学園の敷地内にある湖に沈んでいた。故人であり、学園のOBでもある彼がヨットに遺した構想メモの引き上げを依頼されたお宝発掘部。一方、生徒会陰謀説を唱える謎の少女まで現れて―――

 沈没した船に眠るお宝を探せ、ですが、意外と規模が小さかったり。なんだかわからないイロモノキャラも登場したりするシリーズでした。ライト感覚はいいんだけど、麻生さんのダークな部分はいったいどこへいったのやら…?