『神のロジック 人間のマジック』 西澤保彦 7点
『石の猿』 ジェフリー・ディーヴァー 8点
『ST 青の調査ファイル』 今野 敏 7点
『私が殺した少女』 原ォ 7点
『狗神』 坂東眞砂子 7点
『神のロジック 人間のマジック』 西澤保彦 文藝春秋 
生徒はたったの六名で、実習の中身は犯人当て。アメリカ南部とおぼしき荒野のただ中にある謎の「学校」。やがて一人の新入生が「学校」にやってきたことから、「学校」にひそむ”邪悪なモノ”を目覚めさせ…!
外部との接触のない陸の孤島の学校では六名の子供たちが集められて、特別な演習を受けている。雰囲気としては孤立した子供たちの世界がそこにある、といった感じですが「学校」そのものには謎だらけ、といった状態。そして閉鎖されたその学校に新しい人物が加わることで起こる崩壊があるというものです。推理ロジックが展開されるあたりは西澤さんだな〜と思いつつ、一気に血なまぐさい展開、そしてラストには「う、わぁ・・・」と。某作家さんの某作品と同様のテーマでありながら全然違う形で仕上がったものかなあとも思いますが。つまるところ「真実」は自分では判断できない、というところでしょうか?
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『石の猿』 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 
国際指名手配中の殺し屋ゴーストが仕切る、中国からの不法移民を載せた船。科学捜査の専門家リンカーン・ライムの強力で船を待ち受けるFBIだが、ゴーストによって船は爆破、彼と移民たちは海の中にほうりだされる。なんとか陸に辿り着いた移民たちは逃走し、彼らを皆殺しにしようとするゴーストと警察の三つ巴の逃走、追撃が開始される。現場の証拠は何を語り、ゴーストを追い詰めることはできるのか?
あいかわらずのジェットコースターサスペンスといったところでしょうか。はまると完全に読み終わるまで目が離せなくなりますね。今回は中国系の人種が登場し、いつもの鑑識科学にプラスアルファで東洋の神秘が。そしてライムのグループにも非常に味のある登場人物が参加して、その言い回しがじつにいい感じ。ボリュームもたっぷりだし読み応えあるし、非常に楽しませてもらったなあと満足です。
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『ST 青の調査ファイル』 今野 敏 講談社ノベルス 
心霊スポットをレポートする番組の撮影中に、スタッフが怪死した。警視庁科学特捜班のプロファイリング担当・青山翔は、捜査官たちの冷たい視線をよそに、なぜか心霊現象と霊能者に関心を示す。単純な事故死だという判定をくだした捜査一課のベテラン検死官の論理をSTのメンバーは突き崩すことができるのか?
警視庁科学特捜班シリーズで、読めば読むほどテレビドラマ化とかしたら映えるだろうなあと思ったり。今回はオカルトも絡んでなかなか微妙な展開。さすがに薄いので短編を読んでるような気分のうちに終わっちゃいましたが、まあ、あっさりとしていて面白かったかなという感じです。
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『私が殺した少女』 原ォ 早川書房 
探偵として依頼主の家に訪れたところ、誘拐の共犯者として逮捕された私。犯人が仕掛けた罠なのか? その後、再び誘拐犯からの指定で身代金の運び役となるが、その途中で襲われて身代金は奪われてしまう… 犯人からは受け渡し失敗の知らせが届き、誘拐された少女の安否が心配される中、新たな依頼人が現れて…
内容はてっきりハードボイルドかと思ってたら、意外とミステリに落ち着きましたね。まあ、ハードボイルドとはなんたるかをよくわかってませんが。ひょんなことから巻き込まれた誘拐事件。それにしても実に都合よく詰まりもせずに繋がったなあというのが印象。次々に新展開をむかえ、読者をあきさせないって言うのは好きですけど、ほんとに次々に動き回られると圧巻かも。ま、楽しめた一冊だったと思います。
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『狗神』 坂東眞砂子 角川文庫 
過去の辛い思いに縛られた美希は、四十路の今日まで恋も人生も諦め、高知の山里で和紙を漉く日々を送ってきた。そして美希の一族は村人から「狗神筋」と忌み嫌われながらも、平穏な日々が続いてゆくはずだった。そんな時、一陣の風のように現れた青年・晃。互いの心の中に同じ孤独を見出し惹かれあった二人が結ばれた時、「血」の悲劇が幕をあける。不気味な胎動をはじめる狗神。村人を襲う漆黒の闇と悪夢。
一応映画でも観ていたんですが、すでに記憶はあやふや。そして小説のほうがよっぽど怖いなと思いました。ひとつは訛りと風景が非常に閉ざされた空間であるという印象を、ひとつは見えないモノの描写のリアルさが怖さを引き立てているといったところでしょうか。いつの間にか、自分の位置と疎外感を感じることで特別さをあらわし、予想外の衝撃を加えることで真実味が終結、そして怖さが倍増するといった感じでしょうか。なかなかの美味でした。
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